第3章「糖がもたらす毒を空腹というクスリでとり除く」の「❹糖尿病には、食事制限より空腹の時間を増やす方がいい」を要約します。
① 体内に入れる糖質自体を減らす糖質制限
糖質制限とは、ご飯やパン、イモ類、果物など炭水化物に含まれている糖質の摂取量を1日130g以下に抑えるというもの。炭水化物を断つと、体はエネルギー不足に陥り、蓄えた中性脂肪を分解してエネルギーを使うため、比較的簡単に瘦せることができる。この糖質制限は、もともと小児の難治性てんかんに有効であると欧米で普及したもの。
② 筋肉量の減少など糖質制限にはデメリットも
しかし、最近では、糖質制限の危険性やデメリットも取りざたされている。まず、糖質制限すると、脂肪だけでなく筋肉量まで減ってしまう。若い人、過度の肥満な人はいいが、高齢者は避けた方がいい。また、糖質制限をした結果、かえって体を壊したり、病気になったりする人もいる。糖質制限においては、人によっては、「糖質さえ食べなければいい」と、肉類や油料理を食べ過ぎてしまう人がいる。すると、血管内に悪玉コレステロールなどの脂質がたまり、脳梗塞や心筋梗塞が起こる恐れがある。
③ 糖尿病にも「空腹」を活用した食べ方がおすすめ
糖質の摂り過ぎによる害から体を守るためには、空腹の時間を作って「糖質のリセット」することがおすすめ。しかも最近により、オートファジーにはインシュリンの分泌を促し、2型糖尿病を改善させる可能性があることがわかってきた。このように、空腹の時間を作る食事法なら、無理なく糖質の摂り過ぎをリセットし、余分な脂肪を落とし、病気を遠ざけることができる。