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🅼-62.LIFE SPAN 老いなき世界(2/2)~老いを防ぐ方法

2023-01-21 07:00:00 | 🅼医療・健康本~本要約

 どうすれば老化が防ぐことができるか。ここでもう一つ出てくるキーワードがサーチュインです。サーチュインは長寿遺伝子と呼ばれたりもしています。これは、遺伝情報の損傷を修復する役割を持つ遺伝子です。遺伝情報の損傷を検知してはその修復に駆けつけ、私たちの身体が正常に機能し続けられるように活躍しています。ですが、あちこちで損傷が起きてしまうと修復が追いつかなくなってしまい、老化が進行することになります。そして、このサーチュインは、その働きを活性化させることで記憶力や運動持久力を高めることにも効果があることがマウスを用いた研究からわかっています。 
 老化を防ぐ方法はこのサーチュインを活性化させることです。
このサーチュインは、適度なストレスをかけ、毒にならない程度の刺激を与えることで活性化することがでることがわかっていて、そういった刺激効果をもつサーチュイン活性化化合物も研究により解明されてきているという。

 その中でも、NADという物質は7種類存在するサーチュイン遺伝子の全てを活性化できることが明らかになっています。つまり、サーチュインにとっての燃料のような存在であるNADを増やすことが老化防止のポイントとなるわけですが、本書でも、NADを増やすことが期待されている方法が紹介されているので取り上げたいと思います。

❶ 栄養制限
 現代人は基本的に食べ過ぎ老化を防ぐという観点では、適度な飢餓状態にしておき、体に備わっている「サバイバルスイッチ」をオンにさせることが効果的であるという。具体的には、食事の回数は多くても1日2食にし、かつ一食の量もギリギリまで減らすべきだと。さらに、ときどき断食することも効果が期待できるまた、食事については量と回数を減らすだけでなく、その内容も変えるべき肉や卵、乳製品、魚といった動物性タンパク質は避け、できるだけ植物性タンパク質を摂取することが推奨されています。

適度な運動をする
 栄養制限と同じく、運動によっても「サバイバルスイッチ」をオンにすることができます。そういうと、かなり負荷をかけ追い込む必要がある気がしますが、そんな必要はなく、程度としては、1日10~15分のジョギングやウォーキングが推奨されています。

❸ 暑さと寒さに身をさらす
暑さ、寒さといった過酷な気温に身体をさらすことでもNADが作り出され、サーチュイン遺伝子が活性化されるそうです。その方法として、サウナと水風呂のセットが最高だと思います。

❹ NADを摂取する
 また、これらの方法の他、このNADは外から摂取する形で補うこともできるそうです。NADそのものを細胞に取り入れるのは難しいとされているものの、体内でNADに変換されるNMNという物質が発見されていて、すでにサプリメントとして市販されています。実際に、著者は毎朝1gのNMNを摂取しているそうです。ビタミン剤と同じように一般的なサプリメントですので、アマゾンでも購入することができるが、数千円/gもするような高価なもので、誰でも気軽に取り入れられるかというと少し難しいのかなという気がします。ちなみに、NMNは枝豆やアボカド、トマト、ブロッコリーなど一部の野菜やフルーツにも含まれています。

 こういったNMNの摂取や、食事や運動といったちょっとした生活の工夫によって、老化防止、さらには若返りができると思うと、意識的に生活を変えていく価値があるのかなと思います。また、ここまで、サーチュインを活性化させるための、NADを増やす方法を紹介してきましたが、そもそもDNAの損傷を最小限にし、サーチュインに無駄働きさせないことも重要であることそのために、身体に悪いとわかっていることはやめなくてはならない。例えば、タバコは絶対に身体を壊すものだと断言していますし、過度な紫外線も避けるべきだといっています。どんなにNADを増やす努力をしても、それ以上にDNAを損傷させてしまっては元も子もないので、そういった習慣がある人は、その見直しから初めて見てもいいかもしれません。

終わりに
 今回は、「老化は病気であり治療ができるため老いなき世界がやってくる」という著者の主張、そして老化のメカニズムと老化を防ぐ方法を解説しました。本書では、さらに、「老いなき世界」によって未来に起きる、人口増加や格差拡大の社会課題などを取り上げて論じており、人生120年時代の未来を考えるきっかけを与えてくれています。

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