一日一トライ~”その記憶の記録”

陶芸を主に、自分の趣味や興味関心事、日々のNewsや出来事などを記憶のあるうちに記録しています。

🅼-62.LIFE SPAN 老いなき世界(2/2)~老いを防ぐ方法

2023-01-21 07:00:00 | 🅼医療・健康本~本要約

 どうすれば老化が防ぐことができるか。ここでもう一つ出てくるキーワードがサーチュインです。サーチュインは長寿遺伝子と呼ばれたりもしています。これは、遺伝情報の損傷を修復する役割を持つ遺伝子です。遺伝情報の損傷を検知してはその修復に駆けつけ、私たちの身体が正常に機能し続けられるように活躍しています。ですが、あちこちで損傷が起きてしまうと修復が追いつかなくなってしまい、老化が進行することになります。そして、このサーチュインは、その働きを活性化させることで記憶力や運動持久力を高めることにも効果があることがマウスを用いた研究からわかっています。 
 老化を防ぐ方法はこのサーチュインを活性化させることです。
このサーチュインは、適度なストレスをかけ、毒にならない程度の刺激を与えることで活性化することがでることがわかっていて、そういった刺激効果をもつサーチュイン活性化化合物も研究により解明されてきているという。

 その中でも、NADという物質は7種類存在するサーチュイン遺伝子の全てを活性化できることが明らかになっています。つまり、サーチュインにとっての燃料のような存在であるNADを増やすことが老化防止のポイントとなるわけですが、本書でも、NADを増やすことが期待されている方法が紹介されているので取り上げたいと思います。

❶ 栄養制限
 現代人は基本的に食べ過ぎ老化を防ぐという観点では、適度な飢餓状態にしておき、体に備わっている「サバイバルスイッチ」をオンにさせることが効果的であるという。具体的には、食事の回数は多くても1日2食にし、かつ一食の量もギリギリまで減らすべきだと。さらに、ときどき断食することも効果が期待できるまた、食事については量と回数を減らすだけでなく、その内容も変えるべき肉や卵、乳製品、魚といった動物性タンパク質は避け、できるだけ植物性タンパク質を摂取することが推奨されています。

適度な運動をする
 栄養制限と同じく、運動によっても「サバイバルスイッチ」をオンにすることができます。そういうと、かなり負荷をかけ追い込む必要がある気がしますが、そんな必要はなく、程度としては、1日10~15分のジョギングやウォーキングが推奨されています。

❸ 暑さと寒さに身をさらす
暑さ、寒さといった過酷な気温に身体をさらすことでもNADが作り出され、サーチュイン遺伝子が活性化されるそうです。その方法として、サウナと水風呂のセットが最高だと思います。

❹ NADを摂取する
 また、これらの方法の他、このNADは外から摂取する形で補うこともできるそうです。NADそのものを細胞に取り入れるのは難しいとされているものの、体内でNADに変換されるNMNという物質が発見されていて、すでにサプリメントとして市販されています。実際に、著者は毎朝1gのNMNを摂取しているそうです。ビタミン剤と同じように一般的なサプリメントですので、アマゾンでも購入することができるが、数千円/gもするような高価なもので、誰でも気軽に取り入れられるかというと少し難しいのかなという気がします。ちなみに、NMNは枝豆やアボカド、トマト、ブロッコリーなど一部の野菜やフルーツにも含まれています。

 こういったNMNの摂取や、食事や運動といったちょっとした生活の工夫によって、老化防止、さらには若返りができると思うと、意識的に生活を変えていく価値があるのかなと思います。また、ここまで、サーチュインを活性化させるための、NADを増やす方法を紹介してきましたが、そもそもDNAの損傷を最小限にし、サーチュインに無駄働きさせないことも重要であることそのために、身体に悪いとわかっていることはやめなくてはならない。例えば、タバコは絶対に身体を壊すものだと断言していますし、過度な紫外線も避けるべきだといっています。どんなにNADを増やす努力をしても、それ以上にDNAを損傷させてしまっては元も子もないので、そういった習慣がある人は、その見直しから初めて見てもいいかもしれません。

終わりに
 今回は、「老化は病気であり治療ができるため老いなき世界がやってくる」という著者の主張、そして老化のメカニズムと老化を防ぐ方法を解説しました。本書では、さらに、「老いなき世界」によって未来に起きる、人口増加や格差拡大の社会課題などを取り上げて論じており、人生120年時代の未来を考えるきっかけを与えてくれています。

コメント

🅼‐61.LIFE SPAN 老いなき世界 (1/2)~筆者の主張(ダビット・A・シンクレア著)

2023-01-20 07:00:00 | 🅼医療・健康本~本要約

 LIFE SPAN(ライフスパン) 「 老いなき世界」
ハーバード大学医学大学院 教授  ダビット・A・シンクレア著

~誰もが人生120年時代を若く生きられる! 
~人類の若さを左右する長寿遺伝子とは?
~いつまでも若く健康でいるために今すぐできることとは?
~山中伸弥教授の発見が、なぜ若返りを可能にするのか?

~「病なき老い、老いなき世界」における人生戦略とは?


📺本書を知ったのは、2020年1月に見たTVでした。「人生120年時代」を予感させる「LIFESPAN 老いなき世界」には、「誰もが人生120年時代を若く生きられる!」「老いは病気。だから治療できる」など、衝撃的な内容が書かれています。

 筆者ダビット・A・シンクレア氏は、老化の原因と若返りの方法に関する研究の第一人者



 科学的な研究結果に基づいて展開される著者の主張は、「老いなき世界」が本当に来るかもしれないと思わせてくれます。人生のゴールが見えてきた自分にとって、大変興味をそそられましたので、早速購入し一読。600Pに及ぶ長文ですので、要約するにも多くのページを必要ですので、ここでは、主に、「筆者の主張」と、私たちが一番知りたい「老化を防ぐ方法」についてどのよなことが書かれているか触れたいと思います。

 筆者の主張
 それは、「老化現象は病気である。だから、治療することができるさらに医学・医療が発展していくと、22世紀が幕を開ける頃には120才は長寿ではなくなっているし、われわれは100歳になっても現在50歳の人と同じように生き生きと活動的に生活できるという。

 「老化が病気である」という論理は、私たちの常識とは異なるので、抵抗がある主張です。老化は自然の摂理であって避けられるものではなく、当たり前に受け入れなければいけないものと考えています。確かに、これまで医療の発展によって人類の平均寿命は伸びてきましたが、人は老化を遅らすことはできても避けることができず、人間の寿命は多くて120歳程度から伸ばすことができないという話は聞いていました。

 平均寿命が長くなった一方で、支援・介護の生活が長く続き、晩年は薬や手術といった苦痛の期間を過ごすようになっていることも現実です。年老いていくことで身体が弱くなっていき、心疾患やがん、アルツハイマーなどといった様々な病気になり、モグラ叩きのように治療を繰り返し、最期の時を迎えることになる。それが私たちの共通認識だと思います。

 この現代の常識!に対して著者は、疑問を感じ、そもそも老化とは何なのか?を研究しはじめ、その結果行き着いたのが「老いは病気というもの。研究を通して老化のメカニズムが明らかになっていくにつれ,「老いは病気である」としか言いようがなく、晩年患う様々な病気は、老化という病気による個々の症状で、老化さえ治すことができれば、それらの症状は発症しないという考えに。そして、病気であるならば、治療も可能であると主張しています。   



 下記は目次の羅列ですが、これをキーワードとしてつないでいくと述べられている骨子がある程度わかると思います。

  •  はじめにーいつまでも若々しくありたいという願い
    • 「いい人生」を教えてくれた祖母の晩年
    • 死を迎えるということ
    • 時が過ぎていくことを気に病まなくていい人生
    • 老化の根源を追い求めて
    • 私たちはすでに長く生きすぎているのか 
    • 健康なまま120歳まで生きられる時代へ

  • 第1部 私たちは何を知っているのか(過去)
    • 第1章  老化の唯一の原因ーー原初のサバイバル回路
      • 生命の誕生
      • 生殖か、修復かー厳しい環境を生き残るための仕組み
      • 老化の原因に注目すべき理由
      • なぜ生物には寿命があるのか
      • 老化を説明する統合理論の確立に向けた努力
      • 遺伝子変異が老化の原因ではない証拠
      • 老化の唯一の原因は存在しないという玉虫色の見解
      • 私の考える「老化の情報理論」ー老化とはエピゲノム情報の喪失である
      • 劣化したアナログ情報は回復できる
      • 明らかになっている「長寿遺伝子」の存在とその役割
      • 生殖とDNA修復を調節しているサーチュイン
      • サーチュイン以外の長寿関連遺伝子ーーTOR、AMPK
      • 適度なストレスが長寿遺伝子を働かせる

    • 第2章  弾き方を忘れたピアニスト
      • なぜ「老化遺伝子」は存在しないのか
      • 酵母研究から始まった「老化の情報理論」への道のり
      • 酵母が老化する謎を解けなければ、人間の老化の秘密は暴けない
      • 遺伝子操作によって酵母を老化させる実験の成功
      • エピゲノムの変化が老化の原因だ!
      • 遺伝子のスイッチを調整するエピゲノムのメカニズム
      • ピアノ(ゲノム)を弾くピアニスト(エピゲノム)のミスタッチ
      • 酵母を使った「老化の情報理論」の検証
      • ドリームチームによる数々の発見
      • サバイバル回路におけるサーチュインの役割
      • サーチュインが酷使されると何が起きるのか
      • サバイバル回路に負荷をかけることでマウスを老化させる実験
      • 何が老化時計を早めているのか
      • 老化を寄せつけない、あるいは信じがたいほど長寿な生き物たち
      • あらゆる生物がほぼ同じ長寿遺伝子を持つのに、老化のペースが異なるのはなぜか
      • 細胞の役割を決める「エピジェネティック地形」
      • アナログ情報であるエピゲノムは不安定
      • エピゲノムを安定させれば若返りも不可能ではないー走るのをやめない高齢のマウス

    • 第3章  万人を蝕む見えざる病気
      • 「老化は疾患」であるという王立協会の会合の主張
      • 老化を死因とは認めない社会
      • 加齢と「人間の死亡率の法則」
      • 老化ほど危険な病気はないーー無視されている老化のリスク
      • 老化は身体機能を衰えさせ、生活の質を落とす
      • 高齢になればなるほど怪我や病気からの回復が遅れる
      • 現代のモグラ叩き式の医療の問題点
      • 個々の病気を治療するだけでは健康寿命は伸ばせない
      • さまざまな病気の唯一のリスク要因
      • 老化を病気と認めれば老化との戦いには勝利できる
      • 老化を病気と認めるための思考実験
      • 「老化の情報理論」から始まる老化との戦い

  • 第二部 私たちは何を学びつつあるのか(現在)
    • 第4章  あなたの長寿遺伝子を今すぐ働かせる方法
      • 健康長寿のために誰もが取り組めること
      • 間違いなく確実な方法食べる量を減らせ
      • 食事制限の科学的研究の始まり
      • 人間を対象とした観察でわかったこと
      • 効果はありそうだが、万人向けではない手段
      • 間欠的断食ー画期的な健康増進法
      • 間欠的断食の方法はいくつもある
      • アミノ酸を制限するーなぜ肉は危険なのか
      • mTORを活性化させるアミノ酸の摂取量を控える
      • 運動をする人ほどテロメアが長い理由
      • 理想の運動強度はどれくらいか
      • 寒さに身をさらして長寿遺伝子を働かせる
      • 褐色脂肪細胞による熱の算出を再現する脱共役剤
      • 褐色脂肪は「寒さ」でも活性化される
      • サウナの効果ーー高温は人体にプラスか
      • タバコや有害な化学物質、放射線は老化を早める

    • 第5章  老化を治療する薬
      • 分子レベルで見れば生命の仕組みは単純
      • 死は必然であるとする法則はない
      • イースター島に由来するラパマイシンの長寿効果
      • TOR阻害分子のもつ可能性
      • 糖尿病治療薬として手頃な価格で処方されるメトホルミン
      • メトホルミンが持つ健康長寿効果の発見
      • 「抗老化薬」としてのメトホルミンの未来
      • サーチュインを活性化させる化学物質の発見
      • Sir2酵素を活性化させるレスベラトロール
      • レスベラトロールの効果を検証する
      • サーチュインの燃料となるNAD
      • NADを増加させるNRとNMN
      • NAD増強分子による生殖能力回復の可能性
      • 老化研究にとって卵巣機能の回復が意味するもの
      • メトホルミンとNMNを摂取している父親に起きた変化
      • さらなる老化の治療薬の発見に向けて

    • 第6章  若く健康な未来への躍進
      • 問題が何かを理解すれば、老化と戦うのはがんと戦うより優しい
      • 未来の選択①老化細胞を除去する
      • 老化細胞によるダメージのメカニズム
      • 私たちの体が老化細胞を始末しない理由
      • 老化細胞除去薬「セノリティクス」
      • 未来の選択肢②レトロトランスポゾンを封じ込める
      • 未来の選択肢③免疫系を活用するワクチンを使う
      • 老化の予防接種は自然に反する行為のか
      • 未来の選択肢④細胞のリプログラミング
      • 老化はリセットできる
      • シャノンの通信理論と私の老化理論の類似性
      • 山中伸弥が突き止めた老化のリセット・スイッチ
      • 未来の私たちが享受しよる夢の若返り治療薬
      • マウスの視神経を再生させ、マウスの視力回復にも成功するという快挙
      • リプログラミングのメカニズムを探る
      • リプログラミングは老化研究の次のフロンティア
      • リプログラミング技術の倫理問題に取り組む
      • 科学会はなぜ「デザイナーベビー」を否定したか

    • 第7章  医療におけるイノベーション
      • 個人に特化した精密医療へ
      • 新しいオーダーメイドのがん治療法
      • 自分の遺伝子を知ることで可能となること
      • 遺伝子が異なれば薬への反応も異なる
      • ゲノムの情報をもとに症状の先回りをする
      • センサーの活用
      • パーソナル・バイオセンサーの時代へ
      • バイオモニターが生活習慣についての決断を助ける
      • バイオトラッキングによって突然死を防ぐ
      • 「バイオクラウド」データとDNA解析を使って感染症の世界的大流行を阻止する
      • 個人情報を明け渡すことへの懸念
      • 病原体のDNAを解析して迅速に診断を下す
      • ワクチン開発のミニ・ルネサンス
      • 臓器移植のドナー問題
      • 異種多種と臓器印刷の可能性
      • 革新の時代はかならずやってくる

  • 第3部  私たちはどこへ行くのか(未来)
    • 第8章未来の世界はこうなる
      • 健康寿命がどこまで延びるのか計算してみよう
      • 科学技術は想像を超える速さで進歩する
      • 長寿社会に対して誰もが抱く不安
      • 地球が抱えきれる人口ー「100年以内に人類は滅亡する」という警告
      • 大量消費・大量廃棄という問題
      • 100年辞めない政治家が牛耳る世界
      • 社会保障の危機
      • かつてないほど広がる格差
      • 過去から学べることー人口過密都市ロンドンが経験したコレラの大流行
      • ロンドンにおける公衆衛生の改革
      • 人口が多いからこそロンドンは繁栄した
      • 人類は限界を超えることができるー地球で生きていける人口に上限などない
      • 寿命を延ばすことは「不自然」なのか
      • 人口増加のペースは着実に落ちている
      • 人口が増加したこの世界での暮らしは確実に良くなっている
      • 高齢者が活躍できる社会へ
      • 高齢者の能力は非常に高い
      • 高齢の労働者が労働市場を圧迫するという誤った考え
      • いつまでも働き続けられれば経済のあり方は根本から変わる
      • 老化を遅らせることによる経済効果
      • 医療費の削減で浮いた予算を科学研究や教育に回す
      • 一番重要なことー長い人生がもたらす人間らしさ

    • 第9章  私たちが築くべき未来
      • 科学者による未来予測
      • 来る健康長寿社会に向けてなすべきこと
      • 医学研究に公的資金が欠かせない理由
      • なぜ老化研究に割かれる予算は少ないのか
      • 今すぐ国は老化研究に資金を投じるべきだ
      • 高齢者差別の上に築かれた医療制度
      • 個々の病気を治療するコストとどうかを治療するコストの比較
      • オーストラリアにおける健康保険・医療サービス制度の成功
      • 健康保険制度が不十分なアメリカでは平均寿命が短い
      • 誰もが等しく医療を受けられるようにすべきである
      • 人生の終え方を考える
      • 自ら尊厳のある死を迎えられるようにする
      • 大量消費の問題を技術革新で解決する
      • 遺伝子組み換え作物に対する風当たり
      • CRISPR作物に対する時代遅れの規制
      • 人類は創意工夫で困難を乗り越えられる
      • 健康長寿社会に向けて働き方を考え直す
      • 孫の孫にも会える社会における責任とモラル

  • おわりにー世界を変える勇気をもとう
    • 気鋭の研究者たちの取り組み
    • 思い込みを超えて
    • 私が実践していること
    • 大切な家族とずっと一緒に入るために
    • ブッシュウォーキングに出かけようー変えられない未来などない
コメント

🅿-40.反復文様下絵付変形長角皿 4点

2023-01-19 07:00:00 | 🅿My陶芸作品&手法

 エッシャーの「だまし絵」の手法を使い描きました。ゴスで骨描きした後、ダミをさしています。粘土は白信楽粘土、焼成は酸化焼成(1250℃/19h30’)です。


 ① 反復文様下絵付変形長角皿     高2、26.5×14.7


 ② 反復文様下絵付変形長角皿    高2、26.5×14.7


 ③ 反復文様下絵付変形長角皿    高2、26.5×14.7


 ④ 反復文様下絵付変形長角皿    高2、26.5×14.7

③④は、エッシャーの作品の中でも比較的簡単なデザインですが、複雑なものになると「よくこんなことが考えることができるなあ」と感心します。

コメント

🅿-39.織部文様絵付花器 4点

2023-01-18 07:00:00 | 🅿My陶芸作品&手法

 鉄絵で描いた織部文様の花器です。タタラ機で7mmのタタラを作り、型紙通りに切り取った粘土板を張り合わせて作成しました。中央部に描いた絵柄は、織部文様をアレンジしたものです。粘土は信楽白粘土、焼成は酸化焼成(1250℃/19h30’)です。


 ① 織部文様絵付花器       高9、底辺16×3

 ② 織部文様絵付花器       高9、底辺16×3 


 ③ 織部文様絵付花器        高9、底辺16×3


 ④ 織部文様絵付花器      高12、底辺22.5×3

この花器は中に剣山を入れ、単独で使うこともできるし、更にいくつかの花器と組み合わせてお花を生ける方法もあると思います。

コメント

🅿-38.ただ今、メンテ中

2023-01-17 07:00:00 | 🅿My陶芸作品&手法

 鉄絵で描いたところに、ピンホールができた器をメンテする作業をしました。内容としては、ピンホールの場所に透明釉を筆で塗りもう一度焼成するためです。このことは、経済的にも時間的にも大変なロスになりましたが、よりよい作品作りのために不可欠な作業ととらえています。

 黒い葉や紡錘形の部分は鉄絵で描いたところです。
その中にポツポツあるのがピンホールです。

 透明釉の中に、釉薬接着剤(グレーズバインダー)を3~5%添加し、
よく撹拌し適当の濃さに整えます。

 塗るときはピンホールを見落とさないように、一つ一つ
ていねいに塗り、気になるところも一応塗っておきます。
このように2回焼くとピンホールがなくなるのですがー。 

原因と対策  一般に、鉄絵が濃い部分で起きる傾向があります。しかし、濃くなければ鉄絵が薄茶色になり効果的でないジレンマがあります。透明釉にはCMCという糊剤を添加しており、釉薬を掛けた後手で軽くこすり付けるようにしています。なお本焼きは、電気窯による酸化焼成(1250℃、19.5h)です。

コメント

🅿-37.鉄絵下絵付あゆ皿 7点

2023-01-16 07:00:00 | 🅿My陶芸作品&手法

 既成のあゆ皿石膏型で型起こししたあゆ皿です。粘土はブレンド土、焼成は電気窯による酸化焼成(1250℃/19h30’)です。



 ① 鉄絵下絵付あゆ皿        高1.1、25×10.5


 ② 鉄絵下絵付あゆ皿        高1.1、25×10.5


 ③ 鉄絵下絵付あゆ皿       高1.1、25×10.5


 ④ 鉄絵下絵付あゆ皿       高1.1、25×10.5


 ⑤ 鉄絵下絵付あゆ皿        高1.1、25×10.5


 ⑥ 鉄絵下絵付あゆ皿        高1.1、25×10.5


 ⑦ 鉄絵下絵付あゆ皿       高1.1、25×10.5

作り方:乾燥した作品を素焼きした後、寒冷紗で化粧土を掛け、再焼成します。その後、下絵で鉄絵(黒い部分)で模様を描き本焼きします。次に、上絵付(色のついている部分)をし、再焼成したものです。

コメント

🅰-4.上川神社へ初詣~”願いごと”いっぱい!

2023-01-15 07:00:00 | 🅰‐旭川の寸描/暮らし

 1/9、神楽岡公園内の上川神社へ初詣に行った時のことですこの神社は、1893年(M26年)創建され、1924年(大正13年)上川離宮の建設が計画された現在地に移転されたものです。⛩


徒歩の人は鳥居をくぐって上がってきます。


  階段を上がった左側にリスの餌場がいます。


 これがエゾリスの餌場。


 エゾリスは不在でした。ドングリやヒマワリが豊富にー。
野生の動物にエサを与えることは、賛否のあることですね。
  別な場所の看板には、「エサをやらないでください!」とー。


ハクセキレイが数羽、エサのおこぼれをー。


近くに、一匹のエゾリスがいました。


 この鳥居の向こうに本殿があります。


 この場所はもと上川離宮予定地だったとのことー。


旭川天満宮~祭神;菅原道真公。ガラス張りの建物です。
学問、芸術、文化の神様で受験合格などにもご神徳ありーと。


 この青銅の牛の像は、旭川天満宮前前にあります。
これは、菅原道真公が乙丑まれであったり、牛に命を救って
もらったとか牛との関わりがあるので、奉納されています。
なでるとご利益あり!とのことですのでなでてきましたが。



 上川神社本殿です。参拝者はマ・バ・ラ。


願いごとは何? 一人一人ゆっくりお参りできました。


 少ないお賽銭で、たくさん神頼み!をー。



 雪をかぶった狛犬。ちょっとモヒカン刈りに似ているネ。


 ちょっぴり面白い光景でしたのでー。


 神社の敷地向こうは神楽岡公園です。


鳥居は神様と人間が住む世界に一線を引くもののようです。


 この建物で御神籤などを買うことができます。


 netで”上川神社”と検索すると、「芸能人も多く参拝!商売繫盛・金運上昇のパスポ」と。それぞれの神社でキャッフレーズ的な宣伝文言が並んでいます。 「さて⁉」と思いながらも参拝してきました。 ま、神社やお寺、教会、モスクなど、宗派に関係なく建物の外観や内部の様子を見学することは好きな方です。 ✋

コメント

Ⓕ-4.スイセンノウを「下絵具文様船形花器」に 2022.7.1

2023-01-14 07:00:00 | Ⓕ身近な素材de生花

 7/1の朝のこと。旭川の予想最高気温は28℃で、降水確率10/10%とのことです。今日は午後から来客の予定です。庭には花材もたくさんあり、心と体が動いた!のでWELCOME用のお花を生けることにしました。どのように生けるか⁉、その構想のために、少なくなってきた脳細胞!をフル回転をさせながらー。

~花材~ 


スイセンノウ~ナデシコ科センノウ属


シモツケ バラ科シモツケ属


アジサイ~アジサイ科アジサイ属


ラベンダー シソ科ラヴァンドラ属



👇

こんな感じに生けました(^^♪=  


庭から見たところ。ここを正面としてー。


庭に向かって


 左側面から


 右側面から


正面やや斜め上から

  4種類の花材を使い、自作の花器に生けることにしました。花器には、剣山を2つと中央にオアシスを使い花を固定することにしました。現在、スイセンノウはどんどん咲いてきましたので数としては十分あります。また、この赤~ピンクの色合いも背丈も、花材としてはお好みです。この色に対してラベンダーの紫色は、スイセンノウの色ととても相性がいいと思い、調和するように生けました。なお、小型のアジサイ5本は右側にかためて生けてあります。
 形状は、頂点が左端によったトライアングル(=三角形)とし、左側に重心をかけるようにしました。バランスを保つために、右端のスイセンノウを横に突き出すようにしてあります。さてー。

~花器~




下絵具文様船形花器   H11.0、13.0×38.0

コメント

Ⓕ‐3.「伊羅保釉船形花器」に華やかに 2022.6.27

2023-01-13 07:00:00 | Ⓕ身近な素材de生花

 午前中は、時折小雨がパラついたり、太陽が顔を出すといった不安定な天気でした。バレリーナ(バラの仲間)が満開になったり、スイセンノウが次から次に咲いてきています。それが、歩き道にはみ出てきたり、成長に伴って庭が窮屈になってきています。そこで、主にそういう場所の花を摘んで花を生けることにしました。

~花材~ 


スイセンノウ ナデシコ科センノウ属


 バレリーナ バラ科バラ属


ヒトリシズカの葉 センリョウ科チャラン属


マルバダケブキ(丸葉岳蕗)の葉 キク科メタカラコウ属


サルビア・ネモローサ シソ科サルビア属


リナリア・パープル ゴマノハグサ科リナリア属
👇

こんな感じに生けました(^^♪=  


庭から見たところ。ここを正面としてー。


庭に向かって


 左側面から


 右側面から



正面やや斜め上から

  6種類の花材を使い、舟型をした花器に生けることにしました。中に剣山3つを使用し花を固定しています。全体の形状は、シンメトリー(=対称性)でなく、スイセンノウをやや左斜めに配置し重心をかけるようにし、バランスを保つために右側下のヒトリシズカの葉にボリュウムをもたせました。あわせて、左側には葉物は使わないようにしました。次に、右側に紫のサルビア・ネモローサを短く切り、斜め右側に少し引っ張り上げるように生けました。なお、その上部に空間をつくることを意識しました。さてー。


~花 器~




伊羅保釉船形花器   H11.0、16.1×42.6

コメント

⒲‐4.冬季、オホーツク沿岸やってくる「流氷」

2023-01-12 07:00:00 | Ⓝ自然界の現象と災害

冬季間、オホーツク海沿岸に接岸する「流氷」の話題です。
海水が凍結してできた海で見られる全ての氷のことを「海氷」、
風まかせで”漂流”している氷のことを「流氷」と呼んでいます。



オホーツク海では、例年、1月半ばになると流氷がやってきて、2月
にはオホーツク海の海岸線は氷で埋め尽されることがあります。し
かし、近年は気候変動の変化か期待通りの流氷が見れない年もー。


  流氷の起源は、アムール川にあります。アムール川は、全長4400
kmもある大河で、シベリアからオホーツク海に流れています。

~流氷のでき方~
① 第一の条件は、シベリアからの厳しい寒気があることです。この
シベリアの寒気は、氷点下40℃にも。1902(Ⅿ33).1/25、旭川で
氷点下41.0℃になり、 「日本の最低気温」 を記録しましたがー。

② 次の条件は、オホーツク海の表面に低塩分水の層(薄い海水)があり
  アムール川から流れ込む水により、塩分濃度が極端に低い層てお
おわれ、その部分が寒気によって冷やされます。そのため、冷た
  い水は密度が大きいので沈み、それより下の暖かい水と入れ替わ
る現象(=対流)が起きます。しかし、低塩分水は冷えても、高塩分
(濃い海水)よりは重くならないため、二つの層の境よりは下に沈
  むことはなく、この低塩分水の層だけで急速に凍っていきます。
  
※海水の凍結温度は水(0℃)より低く-1.8℃ですが、薄い海水に
 なると水の凍結温度に近くなり、氷やすくなるということです。
 
③ 三つ目の条件は、オホーツク海の地形
にあります。オホーツク
  海は千島列島、カムチャツカ半島、ユーラシア大陸、サハリン等
に囲まれ、太平洋や日本海との間で海水の出入りが少ないこと
  が考えられます。そのため、低塩分水の層と高塩分の層のバラン
  スが壊されにくくなっているという。更に発達した氷の塊は、太
陽光を反射するため一層寒冷化進み、氷域が拡大し続け、それ
  が風によって南下し、流氷として北海道に接近・接岸します。

流氷を見るには、旭川からは
近い所でも紋別市(139Km=札
幌とほぼ同距離)まで行かなくてはなりません。そこには、「ネジ
  を廻すと前に進む」というアルキメデスのねじの原理を利用した流
氷観光船”ガリンコ号Ⅱ(150t)”があり、流氷の状況によって運航
しています。流氷は風向によって移動しますので、流氷をぜひ見
 たい!人は、流氷情報がHPにありますので参考にしてください。


(※写真はTVより引用)

 私の流氷見学初体験はウンと若いときで、2月上旬だったでし
   ょうか、網走市の”帽子岩”の見える海岸です。真っ白い(ある氷は
青く見える)大小様々な氷の塊りが接岸し、延々と海を埋め尽く
  していました。太陽が眩しい寒い日でしたが、自然の作り出す造
形美、そのパノラマのスケールの大きさ、そしてそれを造りあげ
 た自然のパワーに圧倒されたことを今でも時折思い出します。    
コメント