大川原有重 春夏秋冬

人は泣きながら生まれ幸せになる為に人間関係の修行をする。様々な思い出、経験、感動をスーツケースに入れ旅立つんだね

宮城県、原発防災訓練を縮小 自治体に配慮し想定甘め

2014-01-13 15:26:21 | 原子力関係
河北新報
 宮城県は29日、東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の事故に備えた原子力防災訓練を実施する。東日本大震災後初となるが、規模は大幅に縮小する。復旧途上にある沿岸自治体の負担を回避するため、災害想定も甘めの設定となった。

 訓練は、放射能漏れを伴う重大事故に備えるのが目的。原発の立地自治体に加え、半径30キロ圏にある登米、東松島両市、涌谷、美里、南三陸各町が初参加する。テレビ会議システムを使った情報伝達訓練や放射線の観測準備を実施する。
 福島第1原発事故を教訓に、国は大地震や津波対策を重視している。東北電は既に震度6レベルの地震に対応する訓練を実施しているが、県の訓練は震度5弱の設定で津波到達も想定しない。参加規模も震災前の約2000~3000人から百数十人程度に縮小する。
 被害想定について、県原子力安全対策課は「大地震や津波を盛り込むと訓練手順や内容が複雑になる」と説明。「まずは情報伝達をしっかり確認したい」と話す。
 訓練が限定的な内容にとどまる背景には、沿岸被災地の事情もある。非常時に使う道路が未整備だったり、住民の避難計画そのものが整っていなかったりするためだ。
 30キロ圏にある南三陸町の防災担当者は「地震・津波を想定した町独自の防災訓練も年1回行っている。原子力事故への備えも重要だが、町民の負担も考慮しなければいけない」と明かす。
 東洋大社会学部の関谷直也准教授(災害社会学)は「現状では宮城県の対応はやむを得ない。再稼働が現実味を帯びた場合、津波などさまざまな事態を想定した訓練が必要になる」と指摘する。

[原子力防災訓練] 宮城県は地域防災計画に基づき、女川原発事故を想定した訓練を毎年度実施してきた。周辺住民の避難、地元病院での被ばく医療訓練なども盛り込んでいたが、2011、12年度は実施を見送った。

◎住民参加独自に/美里町、原発30キロ圏内

 宮城県の原子力防災訓練に合わせ、宮城県美里町は独自に住民参加型の訓練を実施する。原発の半径30キロ圏に入る小島行政区(約30世帯)を対象に、自宅などへの屋内退避を呼び掛ける。
 県の訓練シナリオで原発事故情報を受信した後、町の防災行政無線を通じて、ガムテープで窓の隙間や換気扇をふさぐなどの外気遮断も求める。訓練後には、町の防災担当者が原子力防災について講話する。
 美里町の佐々木功悦町長は「原発再稼働には反対だが、住民参加の訓練は不可欠。県は厳しい事故想定に基づき、本格的な内容で実施するべきだ」と話している。


2014年01月13日月曜日

旧騎西高で双葉町民ら新年祝う 避難所 最後の餅つき

2014-01-13 15:25:21 | 原子力関係
東京新聞
2014年1月13日


 東京電力福島第一原発事故で福島県双葉町の避難所がある加須市の旧騎西高校で十二日、町民の自治会主催の餅つき大会が開かれた。同校避難所は先月二十七日で全員が退所したが、「町民が集まって正月を迎える場を」と自治会が呼び掛けた。市内や周辺で避難生活を送る町民約五十人やボランティアが参加し、新年を祝った。 (石井宏昌)
 午前十時ごろ、市内外のボランティアが集まって餅をつき、町民と一緒に雑煮やきな粉餅、あんこ餅などにして会食した。
 町は避難所を三月末までに閉鎖する方針を示している。
 参加した町民の男性(67)は「避難所での餅つき大会はこれで最後だろう。閉鎖後も、また別の場所で町民がこうして集まれるようになればいいが…」と不安を漏らした。
 市内に避難する別の男性(84)は「町も、町民が気兼ねなく交流できるような場所を設けるというが、早くつくってほしい」と期待した。

福島の米農家グループ 八王子の園児と餅つき交流

2014-01-13 15:24:38 | 原子力関係
東京新聞
2014年1月13日
放射能汚染ゼロを目標に米作りに苦闘する姿がドキュメンタリー映画になった福島県天栄(てんえい)村の農家グループが、八王子市のみどり幼児園(裏高尾町)で餅つきイベントを開き、園児と保護者ら約六十人と交流した。映画は各地で上映され、彼らの活動に少しずつ理解の輪が広がっている。 (阿部博行)
 農家グループは「天栄米栽培研究会」(会員二十一人)。同村産業振興課長で事務局担当の吉成邦市(よしなりくにいち)さん(54)が、一昨年から交流のある斎藤弥生園長に「おいしくて安全なお米を子どもたちに食べてもらいたい」と餅つきを提案し、十一日に実現した。
 天栄村から岡部政行会長(63)と吉成さんら四人が、臼やきねを車に積んで園まで運び、新米のもち米三十キロを蒸して餅つきがスタート。「ヨイショ、ヨイショ」。子どもたちは歓声を上げて餅つきを体験した後、つきたての餅をあんこやきな粉を付けて味わった。
 岡部会長は「餅つきは日本の文化であり、喜んでもらえて良かった。風評はなかなか無くならないが、こうした顔の見える地道な活動が、消費者と生産者を結ぶ力になる」と言葉に力を込めた。
 斎藤園長は「あれだけの大事故だったので放射能ゼロなんてありえないと思っていた自分の考えが、映画を見ること、直接対話することで覆された。彼らの真摯(しんし)な姿勢には学ぶことが多い」と話した。
 天栄村は、東京電力福島第一原発事故で田畑が放射性物質の影響を受けた。研究会は「あきらめず未来に向かおう」と実証実験を重ね、土壌の放射性セシウムを稲が吸収しないよう力を尽くした。米のおいしさを競うコンクールでは事故前と同様に金賞を受賞した。
 風評被害とも闘い、吉成さんらは科学的な検査データを携えて消費者と対話するため全国各地を回っている。みどり幼児園でも一二年夏、ドキュメンタリー映画「天に栄える村」を制作中だった原村政樹監督の紹介で吉成さんが講演し、その様子も映画のワンシーンになっている。
 映画は各地で自主上映会などが開かれている。問い合わせは桜映画社配給部=電03(3478)6110=へ。

被爆2世の画家が作品展 「核絶対否定」アートで訴え

2014-01-13 15:22:39 | 原子力関係
東京新聞
2014年1月13日
 「核絶対否定」を唱える被爆2世の画家ガタロさん(64)=本名・福井英二、広島市在住=の絵画展「ヒロシマ 美しき清掃の具」が14日から、練馬区栄町9の「ギャラリー古藤(ふるとう)」で開かれる。普段使っている清掃道具や原爆ドームを描いた作品など60数点を展示。東京電力福島第一原発事故での汚染水漏れを予見したような作品もある。 (編集委員・土田修)
 ガタロさんの作品展が首都圏で開かれるのは初めて。「ガタロ」は川の底に沈んだごみを掃除する河童(かっぱ)や河太郎の意味だ。市営アパートのショッピングセンターの清掃を三十年近く続けているガタロさんの最大のテーマは、雑巾やモップなど掃除道具。「汚れても周囲を磨き明るくきれいにしてくれる」というのがその理由という。
 日雇い労働や食肉加工の仕事を経験し、原爆ドームを一年間描き続けた。「核絶対否定」を唱えた故森滝市郎広島大学名誉教授の訴えに共感し、原爆慰霊碑前での座り込みや勉強会にも参加した。
 今回展示する「豚児の村」(一九八五年)は横二・七メートル、縦一・八メートルの大作で、「拝金主義への怒り」が込められている。作品右下に描かれた豚の「米吉」は福島第一原発事故後に加筆した。環太平洋連携協定(TPP)で「コメ」が問題になっていることや、日本に原爆を投下し原子炉を導入した「米国」などへの批判と皮肉が込められている。
 作品右上には傾いた原子炉建屋から放射能汚染水が垂れ流される様子が描かれている。制作翌年にはチェルノブイリ原発事故がおこった。二〇一一年には福島第一原発事故が起きている。作品は原発事故による汚染水漏れを予見した作品として話題を呼んだ。
 ギャラリー古藤の担当者は「ガタロさんは絵画の裏側に『高邁(こうまい)な芸術思潮は役に立たない。民衆は背後にあること。そのことでダイナミズムが生まれる』と書いている。ゴッホらの影響を受けながら独自の作風を確立したガタロさんの深いまなざしに触れてほしい」と話している。
 二十七日まで。問い合わせは、同ギャラリー=電03(3948)5328=へ。二十九日~二月九日には、横浜市青葉区あざみ野一のスペースナナ=電045(482)6717=でも同様の作品展が開催される。

脱原発の争点化けん制 東京都知事選で首相

2014-01-13 15:20:38 | 原子力関係
東京新聞
2014年1月13日 11時43分
 【マプト共同】安倍晋三首相は12日午後(日本時間13日未明)、訪問先のモザンビークで同行記者団に対し、東京都知事選に立候補する意向を固めた細川護熙元首相が小泉純一郎元首相と連携し脱原発を争点に掲げる構えを見せていることをけん制した。「都知事としての課題についてバランス良く議論されるべきだ」と指摘した。細川氏の出馬自体に関しては「いろんな人の名前があがってきた。都民の関心が高まるのはいいことだ」と強調した。首相は「エネルギー政策は国民みんなの課題だ」と述べ、国政課題だとの認識を示した。

高浜原発3、4号審査、夏までに 再稼働に「大きな障害ない」

2014-01-13 08:13:17 | 原子力関係

高浜原発3、4号審査、夏までに 再稼働に「大きな障害ない」
(2014年1月9日午前7時20分)


関西電力高浜原発の現地調査をする原子力規制委の更田豊志委員(左から2人目)=8日、福井県高浜町(代表撮影)

 原子力規制委員会の更田豊志委員は8日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)が新規制基準に適合しているかの審査について「大きな障害はない」と安全性に一定のお墨付きを与え、審査は夏までに終わるとの見通しを示した。関電が求める夏までの再稼働も「不可能な目標ではない」と語った。同原発を現地調査した後、記者団に語った。

 更田氏が担当する重大事故対策について「事前の印象より対策の取りやすい原子炉。施設や設備に対する指摘はほぼ終えている。今後、計画通り工事や整備が進められれば大きな障害なく淡々と進む」と強調。「よほどのことがない限り、夏にまだ審査をやっているということにはならない」と述べた。

 政府は規制委が安全審査で安全性を確認した原発は再稼働させる方針だが、新基準を満たした後も、地元の同意や長期停止に伴う機器の点検、使用前検査などに一定期間かかるとみられる。地元同意を得る手続きも決まっていない。

 関電は高浜3、4号機と大飯3、4号機の再稼働に向け、新基準が施行された昨年7月に安全審査を申請。八木誠社長は両原発の4基を、電力需給が厳しくなる夏までに再稼働させたい意向を表明している。

 規制委の調査団はこの日、津波に対する防護施設や可搬式電源車、低圧注水ポンプなどの設置状況、空冷式非常用発電装置が迅速に起動するかなどを確認した。

 9日は大飯3、4号機を調査する。福井新聞

北陸電力社長、志賀再稼働へ意欲 出力大きい2号機から

2014-01-13 08:12:08 | 原子力関係
北陸電力社長、志賀再稼働へ意欲 出力大きい2号機から
(2014年1月9日午後5時51分)


志賀原発などについて話す北陸電力の久和社長(左)と永原会長=9日、福井新聞社

 北陸電力(本店富山市)の永原功会長と久和進社長が9日、年頭あいさつのため福井新聞社を訪れ、吉田真士社長らと懇談した。長期停止中の志賀原発(石川県志賀町)について、久和社長は「原子力規制委員会の安全審査が早く行われるよう、万全の体制を整えたい」と述べ、あらためて早期再稼働を進める考えを示した。

 久和社長は「景気が上向いており、全国的に電力需給は厳しい」と強調。安全が確認された原発から順次再稼働させ、国内で最低2基は夏までに運転している必要があると語った。志賀原発は「1号機でも稼働から20年と新しい。安全性を高めながら利用していく」とし、再稼働については出力の大きい2号機から進めると話した。

 坂井市三国町の風力発電所建設に向けては、環境影響評価(アセスメント)を年内に終えたいとした。

 北陸経済連合会会長を務める永原氏は、北陸新幹線の整備について「北陸一体で40年かけ、開業へ向けた運動を進めてきたので、利益は全体が受ける必要がある」とした上で、「一年でも早い敦賀開業へ全力を尽くす」と述べた。福井新聞

大飯原発も夏までに審査終了 規制委が現地調査

2014-01-13 08:11:13 | 原子力関係
大飯原発も夏までに審査終了 規制委が現地調査
(2014年1月10日午前7時03分)


緊急時に格納容器などを冷却するために使う注水ポンプを確認する原子力規制委の更田委員(中央)=9日、大飯原発(代表撮影)

 原子力規制委員会の更田豊志委員らは9日、再稼働の前提となる新規制基準への適合性を審査している関西電力大飯原発3、4号機を現地調査し、高浜3、4号機と同様に審査が夏までに終わるとの見通しを示した。ただ地震・津波対策の審査次第では長引く可能性があると付け加えた。

 審査は九州電力玄海3、4号機(佐賀県)と川内1、2号機(鹿児島県)が先行しているが、更田氏は関電の4基を含めた全国6原発10基について「今の時点でどこが早く審査終了になるのか、明確な差があるとは思えない」と強調。重大事故対策に関しては「新基準に不適合な原発が出てくることは想像していない」と踏み込んだ。

 大飯と高浜の比較では「大きな印象だと進み具合はほぼ同様。津波対策の難しさがない分、大飯の方がやや先行している」とした。

 大飯の再稼働時期は「自治体はじめ地元の理解と判断があり、申し上げることはない」とした上で「審査を夏になってまだやっているとは想像していない」と述べた。

 規制委の調査団はこの日、事故時の対応拠点となる緊急時対策所などを確認。不要な機器を撤去しスペースが確保されていること、防音対策などが施された点に触れ「かなり工夫されており、改善が見られた」と関電の対応を評価した。福井新聞

「再生エネ」人材育成へ補助制度 県内学生を受け入れ

2014-01-13 08:06:27 | 学習

「再生エネ」人材育成へ補助制度 県内学生を受け入れ
 郡山市に今春、福島再生可能エネルギー研究所を開設し県内大学との連携強化を検討する産業技術総合研究所(産総研、茨城県つくば市)は新年度、連携先として福島大や日大工学部などを視野に入れ、再生可能エネルギー研究所が行う最先端研究に学生を研究室単位で受け入れる。学生の研究参画を促すため、交通費や滞在費などの補助制度創設も検討、本県の産業復興の柱となる再生可能エネルギー分野で人材育成を支援する。
 福島再生可能エネルギー研究所は開所後、太陽光発電で福島大と、地中熱利用などで日大工学部などと再生可能エネルギー関連10テーマについて共同研究を計画する。大学の研究室で学ぶ学生を、研究所の研究グループなどで受け入れ、共同研究を活性化させる考えだ。
 会津大やいわき明星大などの県内大学や福島高専との連携も模索している。東北大など県外の大学からも人材を受け入れる方針。また、学生のインターン研修を積極的に受け入れたり、研究員による県内大学への定期的な出張講義も行ったりできるよう、各大学と調整している。
(2014年1月12日 福島民友ニュース)

伊藤さん最優秀 福島牛調理コンテスト

2014-01-13 08:04:38 | 学習


伊藤さん最優秀 福島牛調理コンテスト

最優秀賞に選ばれた伊藤さんの「福島牛のさっぱりれんこんハンバーグ」
 県の「うまい!『福島牛』コンテスト」の調理審査会は9日、福島市の県学校給食会で開かれ、最優秀賞に同市の自営業伊藤明美さんの「福島牛のさっぱりれんこんハンバーグ」が選ばれた。
 コンテストは、県が福島牛のおいしさをアピールするために初めて企画した。県内から77点の応募があり、審査会には1次審査を通過した10人が臨んだ。
 菅野和彦県農林水産部次長や菅野喜代治料理研究会クラブグーテ悟地良代表ら7人が独創性や作りやすさなどをポイントに審査した。最優秀賞のほか、優秀賞4点を選んだ。
 22日午前11時から市内の福島グリーンパレスで福島牛料理メニュー発表会を開く。最優秀賞と優秀賞の表彰や試食を行う。
 最優秀賞以外の受賞者は次の通り。
 ▽優秀賞=佐竹三枝(福島)鈴木潤(須賀川)三瓶和恵(本宮)黒沢俊光(猪苗代)
 ▽優等賞=室井つな子(会津美里)小島真吾、伊藤久(いわき)高橋健次(伊達)井上幸司(郡山)

(2014/01/10 11:12福島民報)
放射性廃棄物を料理する?コンテスト!

【坂本龍一×東京新聞】 対談<上>原発神話をぶっ壊せ

2014-01-13 08:02:21 | 原子力関係


【坂本龍一×東京新聞】

対談<上>原発神話をぶっ壊せ

2013年12月26日



 「これからの震災・原発と報道」をテーマに、坂本龍一さん(61)と本紙記者約100人が対談を行った。19日に東京新聞(東京都千代田区)で開かれ、デモ、環境問題、被災地支援などについて約2時間、活発な意見を交換した。
 -先ほど、坂本さんが話した「間違った、誤解したイメージを持つ読者へのアプローチ」というのが一番の悩み。見せ方、語りかけ方はどうやっていけばいいのか。
 深刻な問題をしかめっ面で言われると、大事な問題でも心を閉じてしまう。伝え方によって受け取る側はずいぶん変わる。同じ内容でも、昔ながらの市民運動型がたくさんある。事故前に原発の集会に行ったことがあるが、僕も引いてしまった。紙面もそうかもしれない。同じ内容を伝えるのでも、相手が心を開くような伝え方を、僕もいつも心がけている。
 たとえば、デモについても、気持ちを一番訴えたい人たちは誰か。福島の人たちでしょ。でも、ほとんどデモに参加できない。今はサウンドデモ(2)というのがあるが、福島のじいちゃん、ばあちゃんたちが入れるような形を考えないと。
 フランスやドイツ、米国のデモのやり方は参考になる。二〇〇三年のイラク侵攻前日に世界中で大きなデモがあって、ロンドンで二百万人、ニューヨークで五十万人が集まった。僕も参加したけど、ものすごく気楽に歩いている(3)。本当にぶらぶら歩いているだけで気が抜けてしまうけど、乳母車を押して参加した人もいた。いろいろな人が勝手気ままに主張して、多様性がある。
 -本紙に足りないものは。
 「左翼紙」などというくくりで見られてしまって、真剣に読んでくれない人がいると損。書き方や見せ方、アプローチのやり方に気をつけないと。「正しいことを言っているんだから聞けよ」という態度だとダメですね。従来の市民運動にもそういう人が多く見られ、僕も嫌だなと思う。
 -原発推進派は、再処理工場さえうまくいけば問題が解決すると信じている人が大半。誤ったビジネス優先の報道を信じ込んでいるな、と感じる。
 人は信じたい方を信じる。資本主義社会で、貧乏と金持ちの道が分かれていたら、金持ちの方を選ぶ。昨日と同じように仕事したいと思えば、同じように電力を供給せよとなる。「電力=原発」という神話は、あれだけの原発事故の後も根強い。それを皆さんの力でぶっ壊してほしい。人類史上最悪の原発事故がまだ収束していない。
 少しは社会が変わるかと期待したが、前より悪くなりつつある。官邸前のデモに出てくる人の数は減ったかもしれないが、出てこないだけであって、関心が薄くなったということはない。非常に強い関心を持っているが、声を発しない人はたくさんいる。
 -各地でお母さんたちが、子どもを守ろうと会をつくった。その続きで福島の親子に関心を持って、特定秘密保護法の問題にも関心を持ち始めた。でも、一人一人はどうやって声を上げていいのか分からない。
 本当に小さい、いろいろな根は地方にもたくさんある。そういう人たちがデモに行くかというと、行っていないかもしれない。関心が薄くなっているわけではなくて、問題意識は保持したまま、新しい生活をつくっていくことを一生懸命やっている人はけっこういる。小さい話でもそういうものを取材してもらえれば、勇気になるかもしれない。
 -官邸前デモが盛り上がった理由は、変えられるという手応えがあったと思う。ところが、総選挙を経て、政権が代わって、変わるという感じが全くなく、むしろ逆。そういうときにどうやって説得力を持って語るか。
 自分たちは言っているつもりでも、届いていない現実がある。原発の危険性を正しく理解していない人が、まだまだいると思う。だから「電力=原発」じゃないんだということは、繰り返し言わないといけない。リスクや悪い面ばかり言うと人間は暗くなっちゃうから、良いビジョンを示す。十年、二十年後、日本がこっちに行くとこうなるよ、とビジョンを示せば行きたくなる。そのために今どうすればいいか。
 -原発を今すぐ止めなければという意見があるが、原発関連で生きている人たちに大きな影響がある。その手当てまで考えないと、説得力がない。
 雇用の問題は大きい。福島から出たくても出られない最大の悩みは雇用。避難先で職があるかどうか分からないし、実際にないケースが多い。だから、お父さんだけ福島に残るケースも多い。青森県六ケ所村も、今や再処理工場になんらかの形でかかわっている人が村の九割。一度あきらめると、推進派になる精神は理解できる。
 -新潟では、政府や東電が、柏崎刈羽原発を再稼働させたいと思っている。
 再稼働は新潟の話で、自分には関係ないと思っている都民は多い。福島だってそう。でも、原発事故が起きれば、その電力の恩恵を受けていないのに被害を受ける。それはちゃんと書いて、都民に知らせた方がいい。
 都知事選で自民党の息のかかった知事になれば、推進派は都合がいい。原発推進でない都知事になった方がいいと思うが、難しいですよね。でも、必ず脱原発派が出るだろうから、僕は応援したい。
(2)【サウンドデモ】
 脱原発イベントでは、おなじみになった新しいデモの形。音楽機材や巨大スピーカーを搭載した車からダンスミュージックを流したりバンド演奏をする。それに合わせてデモ参加者が踊る。若者が関わりやすくなった、と評価する声もある一方、高齢者には入っていきにくい面もある。
(3)【歩くデモ】
 坂本さんは「気楽に参加できるデモ」の大切さを語っている。イラク戦争開戦直前の2003年3月、米ミズーリ州コロンビアで行われた平和行進では「おしっこをかけるため、ブッシュ(前大統領)を捜しています」と書かれた“服”を愛犬に着せる参加者の姿も見られた。

【坂本龍一×東京新聞】 <ポイント解説>核のゴミ

2014-01-13 08:01:55 | 原子力関係


【坂本龍一×東京新聞】

<ポイント解説>核のゴミ

2013年12月26日



ガラスで固めた高レベル放射性廃棄物を貯蔵する施設。黄色いフタの下で空冷されている=青森県六ケ所村で
 「原発ゼロへ」と行動する原点が、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場だったと坂本さんは語った。
 再処理工場は各原発から出た核燃料からプルトニウムとウランを取り出して再利用するための施設で、核燃料サイクルの要だ。しかし1993年に着工され、約2兆2000億円を投じながらトラブル続きで20年後の今も完成していない。
◆再稼働すれば数年で満杯
 さらに新しい規制基準を受け、事業者の日本原燃は過酷事故や地震対策の追加工事を行う。完成時期は来年10月に延期されたが、安倍政権は早期の稼働を待ち望んでいる。
 国内には使用済み核燃料が約1万7000トンあり、再処理工場と原発全体の冷却プールの7割が埋まる。原発を順次再稼働しても数年後にプールが満杯となれば原発を動かせない。それだけに年間約800トンの再処理さえ行われれば…と原発推進派は六ケ所頼みなのだ。
◆「1日原発1基1年分」放出
 一方で、再処理の危険性や環境汚染が心配されている。核燃料を処理する際に放射性物質が大気や海に放出され、その量は「1日で原発1基の1年間分」と指摘される。分離したプルトニウムの大量保管は国際社会の疑念を生む。高レベル放射性廃液をガラスで固めた核のゴミの最終処分先も決まっていない。
 国は300メートル以深に埋める地層処分を決定。02年から候補自治体を公募してきたが進展していない。今後は国が前面に出て火山活動や活断層、地下水の影響が少ない地域を複数選定していく方針だ。
 とはいえ、日本は「地震・火山列島」だ。放射能の減衰は10万年にわたり、大地震や火山爆発による地層の変動がないことが建設適地の前提だが、日本学術会議は昨年9月、「万年単位の将来を確実に予測することは困難」と表明。地層に最終処分場を造ることの危険性を訴えている。
 世界の国々も頭を悩ませている。英国やドイツは候補地が白紙撤回され、米国も凍結状態だ。唯一、フィンランドが地層処分場を建設中。再処理はせずに直接、金属製容器で収蔵する。日本のように地震はない岩盤だ。
 国内処分が八方ふさがりのなか、核のゴミを地中でいつでも取り出し可能な状態で厳重に管理したり、地上の中間貯蔵施設で保管したりする議論も出ている。これらの候補地も難航は必至だが、地層処分よりは現実的だ。
 もはや後始末に道筋を付けることなく、原発政策を維持することは許されない。全量再処理しない選択肢を含め、国主導によらない国民的な議論が急がれる。 (前特別報道部、千葉支局・野呂法夫)

【坂本龍一×東京新聞】 僕はこう考える

2014-01-13 08:00:10 | 原子力関係


【坂本龍一×東京新聞】

僕はこう考える

2013年12月26日


 みなさま初めまして、坂本です。今日はお役に立てるかどうか分かりませんが、自由に討論できればと思います。
 (3・11以降)地方紙といわれるものが、とても頑張っているという印象があるんですよね。全部が全部ではないと思いますが、割と歯に衣(きぬ)着せぬ感じでずばっと言っている感じがします。東京新聞ももちろんそうですし、北海道新聞とかも、結構しっかり言ってるなという感じがします。
 僕らの周りの、同じ、原発問題に関心ある友人たちもそのように言ってますね。全国紙の原発報道は及び腰というか、たまに面白い記事がある割にはすぐまた腰砕け。東京新聞はとても真摯(しんし)に扱ってくれてるなという感じ。僕らも大体情報っていうのはネット上で得ることが多いんですけども、いわゆる既成のメディア、紙媒体の中では東京新聞は非常に信用されています。たくさんの人に。
 それは原発報道だけじゃなくて、昨今の政治的な報道もそうですけども。
 一つ心配なのは、事故前に原発について述べたりする僕のような人間がそうであったように、左翼とかね、そういうようなくくりで非難されてるわけなんですけど、そういうイメージというか、くくりで見られちゃうのは損だなと。
 だから、東京新聞もなるべく公平に中立性を保ちながら、真実を報道しながら、何とか一派のように見られない工夫っていうんですかね、そういうことをしたほうが僕はいいと思っているわけです。あとは、部数を増やすっていうことですかね(笑)。
 僕らもそうなんですけど、狭いところでいろいろな情報をメールやフェイスブックで共有するようなグループをつくって、いろいろな意見交換などをしていますけども、そこに集まってくる人はもうほとんどみんな知ってるのね。意見を言ってもみんな大体同じような意見なんですよね。
 で、もしかしたら、東京新聞を購読している方たちもそうなのかもしれない。要は分かっていない人、そういう情報に普段から接していない人が想像以上にたくさんいると僕は思ってるんですね。そういう人にどうリーチし(届け)ていくか。それから、間違った、誤解したイメージを持っている人に、どう誤解を解いていくかということが大事。
 皆さんも当然、そういうことは毎日のように話されていると思うが、ぼくらにとっても共通の課題のような気がします。
 それを最初に痛切に感じたのはですね、2006年でした。(青森県)六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場の問題。僕は不勉強でそれまでよく知らなかったんですけども、再処理工場が六ケ所村にあるということをある日、ウェブで知りまして、とても驚きまして、「ストップ・ロッカショ」(1)というウェブ上のキャンペーンを始めました。
 キャンペーンとしては成功したと思うんですね。海外のアーティストや、主に僕の友達のクリエーターとかデザイナーとかイラストレーター、写真家など、ふだん原発問題とか、ましてや再処理の問題ということに全く触れたことのない人たちに随分そのことが行き渡ってよかったと思ってはいるんですけど、そのとき、ウェブ上から情報を日常的に得ている人と、得ていない人たちのギャップというのはとても大きいということを痛切に感じました。
 大きいなと思うのは、例えば、僕も福島に何度か足を運んでいますけども、やはり高齢者の方々は、ネットからの情報を日常的に得るというよりかは、既存メディア、紙媒体とかテレビ、そういうものから情報を得ている人が圧倒的に多いように見受けられます。
 どこかの新聞のアンケートでしたか。日本人と他国の人の比較をして、マスメディアを信用している人のパーセンテージっていうのがありましたけど、フランス人は4割くらいだそうですね。見てはいても信用してないってことですよね。
 日本人は7割ぐらいだそうです。ですから東京新聞とか、新聞メディアというものも、とても大きな存在意義があるし、現在、東京新聞から情報を得てない人にリーチしていくことに、とても大きな意味があると僕は思っています。
(1)【ストップ・ロッカショ】
 使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の放射能汚染に危機感を抱いた坂本さんが2006年に立ち上げた反原発プロジェクト。英グラフィックデザイナー、ジョナサン・バーンブルック氏をはじめ国内外の著名な芸術家や音楽家らが共鳴し、さまざまな活動を展開している。

坂本龍一×東京新聞 原発・環境・報道 いっしょに考えてみました。

2014-01-13 07:59:44 | 原子力関係


坂本龍一×東京新聞 原発・環境・報道 いっしょに考えてみました。
 東京新聞では「坂本龍一プロジェクト」と題し、音楽家の坂本龍一さん(61)と紙面を作りました。互いに意見を交換し、より幅広い読者に届く報道について考えた紙面です。
 坂本さんは世界的な音楽家であると同時に、脱原発や環境問題について、積極的な活動を続けてきました。その取り組みに関心を持った本紙が編集への協力を提案し、実現したものです。これから東日本大震災から丸三年を迎える二〇一四年三月に向け、随時紙面化していく予定です。
 十九日には第一弾として、坂本さんを東京新聞(東京都千代田区)に招き、震災・原発と報道をテーマに、本紙記者約百人と対談を行いました。本日の特集面に掲載しています。次回は来年一月に識者、本社論説委員と座談会を行います。

 坂本龍一(さかもと・りゅういち)

 世界的に活躍する音楽家。1952年、東京都生まれ。幼児期からピアノを学ぶ。都立新宿高校時代は多数のデモに参加。東京芸術大学大学院修士課程修了後、テクノバンド「YMO」を結成し、国内外でブームを巻き起こす。映画「戦場のメリークリスマス」や「ラストエンペラー」の音楽も手掛け、米アカデミー賞など数々受賞。

 90年にニューヨークへ移住、2001年、米中枢同時テロ(5)を身近に体験。グローバリズムや人間社会を根源的に問い直す中で、環境、原発問題への造詣を深めてきた。東日本大震災後は、さまざまな方法で被災地を支援。昨年7月の「さようなら原発10万人集会」(東京・代々木公園)では原発に頼らない社会づくりを呼び掛けた。脱原発を志向するアーティストが結集した音楽フェスティバル「NO NUKES」も2年連続で開催した。

(5)【米中枢同時テロ】 航空機が突っ込み、炎と黒煙を上げる米ニューヨークの世界貿易センタービル。2001年9月11日に起きた米中枢同時テロは世界を震撼させた。

 その衝撃を目の前にした坂本さんは、米の報復戦争を批判する「非戦」を監修した。

民主、細川氏実質支援を確認 都知事選

2014-01-13 07:57:59 | 学習
民主、細川氏実質支援を確認 都知事選
2014年1月11日 21時00分
 民主党東京都連は11日、選対会議を党本部で開き、細川護熙元首相(75)が立候補する意向を固めた都知事選(23日告示、2月9日投開票)への対応に関し、細川氏の実質支援に向け調整を続ける方針を確認した。かつて細川氏の秘書を務めた日本維新の会国会議員団の松野頼久幹事長は同日、個人的に支援する考えを表明した。
 民主党都連会長の松原仁国対委員長は会議で「政策面でどのような関係をつくるかを詰めたい」と述べ、政策の擦り合わせを進める意向を示した。民主党は、細川氏が無所属で立候補する構えであることから、推薦などを出さずに「勝手連」として支援する方向で調整に入っている。
(共同)