沖縄の果実シークヮーサーの果汁が肝機能改善に効果がある可能性が、北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団)、国立研究開発法人・産業技術総合研究所(産総研)などの研究で8日までに分かった。シークヮーサーは脂肪燃焼や血糖値低下などの効果がこれまでに確認されている。新たな付加価値が加わることになると関係者から期待が高まっている。
人間の細胞には、摂取した食べ物の成分など外からの刺激に応じて、さまざまな機能を入れたり切ったりするスイッチの役割を果たす「受容体」がある。試験では人間が持つ18種類の受容体にシークヮーサーの抽出液をかけたところ、肝臓内でアルコールなどの成分を解毒する能力を持つ受容体が活性化することが確認された。研究者らは「シークヮーサーに肝臓内の解毒作用を増強する効果がある」と見る。
従来からシークヮーサーの効果として確認されていた脂肪燃焼や血糖値の低下、血圧低下に関する仕組みも、人間の細胞で初めて解明した。
機能性の研究事業は県から委託を受けたJAおきなわと食品検査を行うクロックワークの共同事業体が担い、ノーステック財団と産総研に依頼していた。