とあるスナックで
小林
この本の中で、「債務貨幣制度」の欠点についてズバリ書かれていますね。
p-237
債務貨幣の本質その1
マネーストックM3=国内総債務(=民間と政府による銀行からの債務合計)
政府の債務総額1000兆円のうち民間からの債務を差し引いた銀行からの債務は700兆円(1000兆円-300兆円)であり、これと民間の債務700兆円を合計した1400兆円の債務総額が日本のマネーストックM3と等しくなっている。すでに第一章で実証的に分析したとおり、「あなたのお金は誰かの借金」である。すなわち、債務貨幣とは誰か(民間と政府)が借金をすることによって無から利付けで創造されるお金なのである。逆にいうと、だれも借金をしなければ経済活動に必要なお金は創造されないのであり、借金が完済されれば、お金は消えて無くなり、経済活動はストップする。
債務貨幣の本質その2
金融純資産合計=日銀(0)+銀行(0)+政府(ー1000)+民間(+1000)=0兆円
日本経済全体の金融純資産の合計は0兆円となる。
すなわち、債務貨幣システムを金融資産および負債に純化したバランスシートで裸にすれば、債務貨幣システムとは誰かの金融資産が誰かの金融負債となる膨大なゼロサムゲームであるという実態が浮かび上ってくる。
そして、日銀・銀行部門の純資産(利子所得)が増えれば増えるほど、民間の純資産が税金徴収で減少する仕組み(システムデザイン)となっている。
MMT(現代貨幣理論)を徹底批判した第3章で詳述したが、MMT論者は、政府(彼ら)が借金をすればするほど民間(我々)の金融純資産(預金)は同額だけ増加するので、政府に国債をジャンジャン刷らせて借金をさせればさせるほど我々は豊かになると主張する。このMMTの主張が虚偽・暴論であることは、経済全体の金融バランスシートで眺めれば金融純資産の合計はゼロとなり、全く増加しないことからも明白である。民間部門の金融純資産が1000兆円と増加するということは、政府の金融純資産がマイナス1000兆円と債務超過になることなのである。それ以上でもそれ以下でもない。第1章でみてきた「失われた30年」では政府のみがこのようにして借金を増やして日本のマネーストックを下支えしてきた。その結果、膨大な政府債務の利息が民間の純資産から政府によって徴税され、銀行家(1%)の手元に強制移転させられた。債務貨幣システムとは、以上述べたような2つの本質を抱えるゼロサムゲームなのであり、必然的に所得格差・貧富を拡大させるシステムなのである。
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コー
そうなんだな。まずこのことを理解することから始まるんだと思う。
なかなか難しい。
そして次はどうすればいいか、この本はズバリそのことが書かれている。