秋が来たかと思ったら、急に朝晩、冷え込むようになって
大人でも、風邪をひいている人をよく見かける今日この頃、
赤ちゃんも、鼻水がでたり、胸がぜいぜいするなど、風邪を
ひきやすくなっていますね。一日単位で気温がちがうので
衣服の調節もむずかしいのですが、あたたかい時は、汗ばんで
いないか、寒い時は、手足は冷た過ぎないか、顔色はどうかなど
赤ちゃんの様子に気を配ってあげてくださいね。
さて、もう冬が目の前ですが、

冬の季節、子どもや赤ちゃんがかかる病気に
ウイルス性の胃腸炎があります。急な下痢とおう吐で、びっくり
しますが、どんな症状かわかっていた方が、
あわてずにすむと思うので、この胃腸炎について、
書いてみたいと思います。
ロタウイルスによる胃腸炎
白色便性下痢症または、乳児おう吐下痢症と呼ばれる。
【潜伏期間】 2~3日
【症状】 突然のおう吐からはじまり、はげしくおう吐する。
発熱を伴う場合もある。
白っぽいこめのとぎ汁のような水溶性の下痢をする。
下痢は、一日10数回続くこともある。
【感染経路】 感染した人の唾液や便を介してうつる。
発症して3~4日ごろが、一番感染しやすい。
症状がおさまった後も、一週間くらいは、便から
ウイルスが排出されることがある。
【診断】 迅速診断キットで、すぐに診断がつく。
【注意したい症状】 けいれんをおこすことがある。
激しい下痢と、おう吐のため、しばしば
脱水症状をおこすことがある。
ノロウイルスによる胃腸炎
【潜伏期間】 1~2日
【症状】 ロタウイルスと同じように、突然のおう吐ではじまり
半日~1日おう吐が続き、ついで、水溶性下痢が、
1~3日続く。熱はあっても微熱程度で、ロタウイルス
より、軽くすむ。
【感染経路】 調理従事者の手指を介して、汚染された
食品を食べた場合や、汚染された貝類を
十分加熱せずに食べた場合に感染する。
症状がおさまっても、3~5日間は、便に
ウイルスが含まれていることもある。
【診断】 ノロウイルスの迅速診断キットは現時点では、
保健適用外なので、簡単に行うことができず
周囲の流行状況や、症状などで、判断する。
【お医者さんに、ウンチの様子を見せたい時】
吐物や、うんちの様子を、デジカメや、携帯電話のカメラに
とっていくと、現物を持参しなくても、大丈夫です
【脱水症状を疑って、すぐに受診した方がいいと思われる症状】
おしっこが、半日以上出ていない。
皮膚がかさかさになって目が落ちくぼんでいる。
ぐったりして、意識がもうろうとしている。
【薬で無理に下痢をとめないほうが良い】
下痢は、体内に入ったウイルスを外に排出するための
体の防御反応です。2歳以下の赤ちゃんは、腸の運動を
抑制する下痢止めを使って、腸の動きを止めると
腸閉塞を起こしやすくなるそうです。そのため、下痢に
対しては、整腸剤を使うくらいとのことです。
【脱水症状の予防について】
吐き気が強い時は、水分を与えても、吐いてしまい、
余計に脱水症状を進ませてしまうので、要注意です
吐き気がおさまり、1~2時間おう吐が起こらないようなら、
スプーン1~2杯からはじめます。
与えるのは、経口補液水 (水分と電解質を素早く補給できる
ように、電解質[ナトリウムとカリウム] の濃度を調整した飲料)
で、調剤薬局で購入できますが、家でも作れるそうです。
*経口補液水の作り方・・・大人用のイオン飲料の
500mlに対して、1g弱くらいの割合で、
食塩を加え、よく振って混ぜ合わせます。
なめてみると、ちょっとしょっぱい感じがする
くらいで良いそうです。冷やすと口当たりがよく
なります。少しずつ与えるので、下痢には、
影響ないそうです。
最初にスプーンで1~2杯飲ませても吐かないようなら、20~30分
間隔で、同じ量を何回か与えて少しずつ量を増やしていきます。
母乳は、吐かなければ、原則的に与えてかまわないそうです。
ミルクは、スプーン1~2杯からはじめて徐々に量を増やし
通常量にもどします。
離乳食は、食欲が出てきたら、おもゆ、おかゆ、ぱんがゆ
うどんなど、消化のよいものを少しづつ様子を見ながら
与えましょう。


ウイルス性の胃腸炎は、感染力が、強いので、
家族への2次感染にも注意しましょう!
下痢のついたオムツや吐物はすぐにかたずけ、吐物を
拭いたぞうきんもいっしょに、ビニール袋に入れて密封して
捨てます。便や吐物の処理をしたあとは、念入りに手洗い
することが大切です。消毒液に頼らずに、流水でしっかり
洗いましょう


赤ちゃんの体調が急にわるくなってしまうと心配ですが、
あわてないで、対応してあげてくださいね。