(01)
1 (1) P→ Q A
2 (2) P A
3(3) ~Q A
12 (4) Q 12MPP
123(5) ~Q&Q 34&I
1 3(6)~P 25RAA
1 (7)~Q→~P 36CP
然るに、
(02)
(01)に於いて、
P=~Q
Q=~P
といふ「代入(Replacement)」を行ふと、
1 (1) ~Q→ ~P A
2 (2) ~Q A
3(3) ~~P A
12 (4) ~P 12MPP
123(5) ~~P&~P 34&I
1 3(6)~~Q 25RAA
1 (7)~~P→~~Q 36CP
1 (8) P→ Q 7DN
従って、
(01)(02)により、
(03)
① P→ Q
② ~Q→~P
といふ「対偶(Contraposition)」に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
① P → [Q]
② ~[Q]→~ P
に於いて、
Q=Q&R
といふ「代入(Replacement)」を行ふと、
① P → [Q&R]
② ~[Q&R]→~ P
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
(a)
1 (1)~[Q&R] A
2 (2) Q A
3(3) R A
23(4) Q&R 23&I
123(5)~[Q&R]
[Q&R] 14&I
12 (6) ~R 35RAA
1 (7) Q→~R 26CP
(b)
1 (1) Q→~R A
2(2) Q& R A
2(3) Q 2&E
2(4) R 2&E
12(5) ~R 13MPP
12(6) R&~R 45&I
1 (7)~[Q& R] 26RAA
従って、
(05)により、
(06)
② ~[Q& R]
③ [Q→~R]
といふ「含意の定義」に於いて、
②=③ である。
従って、
(04)(06)により、
(07)
① P→[Q&R]
② ~[Q& R]→~ P
に於いて、
①=② であって、尚且つ、
② ~[Q& R]
③ [Q→~R]
に於いて、
②=③ である。
従って、
(07)により、
(08)
① P→[Q&R]
② ~[Q& R]→~P
③ [Q→~R]→~P
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(08)により、
(09)
① P→[Q&R]
② ~[Q& R]→~P
③ [Q→~R]→~P
に於いて、
P=象x
Q=∃y(鼻yx&長y)
R=∀z(~鼻zx→~長z)
といふ「代入(Replacement)」を行ふと、
① 象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]
② ~[∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)]→~象x
③ [∃y(鼻yx&長y)→~∀z(~鼻zx→~長z)]→~象x
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(10)
(a)
1 (1)~∀z( ~鼻zx→~長z) A
1 (2)∃z~( ~鼻zx→~長z) 1量化子の関係
3(3) ~( ~鼻cx→~長c) A
3(4) ~(~~鼻cx∨~長c) 3含意の定義
3(5) ~( 鼻cx∨~長c) 4DN
3(6) ~鼻cx&~~長c 5ド・モルガンの法則
3(7) ~鼻cx& 長c 6DN
3(8) ∃z(~鼻zx& 長z) 7EI
1 (9) ∃z(~鼻zx& 長z) 138EE
(b)
1 (1) ∃z(~鼻zx& 長z) A
2 (2) ~鼻cx& 長c A
3 (3) ∀z( ~鼻zx→~長z) A
3 (4) ~鼻cx→~長c 3UE
5 (5) 長c A
5 (6) ~~長c 5DN
35 (7) ~~鼻cx 46MTT
35 (8) 鼻cx 7DN
3 (9) 長c→ 鼻cx 58CP
2 (ア) 長c 2&E
23 (イ) 鼻cx 9アMPP
2 (ウ) ~鼻cx 2&E
23 (エ) ~鼻cx&鼻cx イウ&I
2 (オ)~∀z( ~鼻zx→~長z) 3エRAA
1 (カ)~∀z( ~鼻zx→~長z) 12オEE
従って、
(10)により、
(11)
③ ~∀z(~鼻zx→~長z)
④ ∃z(~鼻zx& 長z)
において、
③=④ である。
従って、
(09)(11)により、
(12)
① 象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]
② ~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]→~象x
③ [∃y(鼻yx&長y)→~∀z(~鼻zx→~長z)]→~象x
に於いて、
①=②=③ であって、尚且つ、
③ ~∀z(~鼻zx→~長z)
④ ∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
③=④ である。
従って、
(12)により、
(13)
① 象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]
② ~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]→~象x
③ [∃y(鼻yx&長y)→~∀z(~鼻zx→~長z)]→~象x
④ [∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]→~象x
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(13)により、
(14)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ ∀x{[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]→~象x}。
に於いて、
①=④ である。
従って、
(14)により、
(15)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ ∀x{[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]→~象x}。
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについてzがxの鼻でないならば、zは長くない}。
④ すべてのxについて{[あるyがxの鼻であって、yが長いとしても、あるzがxの鼻ではなくて、長いならば]xは象ではない}。
に於いて、
①=④ である。
従って、
(15)により、
(16)
1 (1)∀x{[ ∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]→~象x} A
1 (〃)すべてのxについて{[あるyがxの鼻であって、yが長いとしても、あるzがxの鼻ではなくて、長いならば]xは象ではない}。 A
1 (〃)鼻が長くとも、鼻以外も長いならば、象ではない。 A
1 (2) [ ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)]→~象a 1UE
1 (3) [~∃y(鼻ya&長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)]→~象a 2含意の定義
4 (4) 象a A
4 (5) ~~象a 4DN
14 (6) ~[~∃y(鼻ya&長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)] 34MTT
14 (7) ~~∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za& 長z) 6ド・モルガンの法則
14 (8) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za& 長z) 7DN
14 (9) ~∃z(~鼻za& 長z) 8&E
14 (ア) ∀z~(~鼻za& 長z) 9量化子の関係
14 (イ) ~(~鼻ba& 長b) アUE
14 (ウ) ~~鼻ba∨~長b イ、ド・モルガンの法則
14 (エ) ~鼻ba→~長b ウ含意の定義
14 (オ) ∀z(~鼻zx→~長z) エUI
14 (カ) ∃y(鼻ya&長y) 8&E
14 (キ) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻zx→~長z) オカ&I
1 (ク) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻zx→~長z) 4キCP
1 (ケ)∀x{象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻zx→~長z) クUI
1 (〃)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについてzがxの鼻でないならば、zは長くない}。 A
1 (〃)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
コ (コ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
コ (〃)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyはxの耳であって、yは長いものの、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの耳ではない}。 A
コ (〃)兎の耳は長いものの、兎の耳は、鼻ではない。
サ (サ)∃x(兎x&象x) A
サ (〃)あるxは兎であって象である。 A
サ (〃)ある兎は象である。 A
然るに、
(17)
サ (〃)ある兎は象である。 A
の「続き」は、これ迄に、何度も示した通り、
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 1UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 47MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
2 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ(オ) 耳ba&長b A
1 6 (カ) ∀z(~鼻za→~長z) 9&E
1 6 (キ) ~鼻ba→~長b カUE
2 6 (ク) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ケ) 耳ba→~鼻ba クUE
オ (コ) 耳ba オ&E
2 6オ (サ) ~鼻ba ケコMPP
12 6オ (シ) ~長b キサコMPP
オ (ス) 長b オ&E
12 6オ (セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b ウオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ナUI
12 (〃)兎は象ではない。 ナUI
従って、
(15)(16)(17)により、
(18)
(Ⅰ)∀x{[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]→~象x}。然るに、
(Ⅱ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。故に、
(Ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「三段論法」、すなはち、
(Ⅰ)「鼻が長くとも、鼻以外も長いならば、象ではない。」然るに、
(Ⅱ)「兎は耳が長いが、兎の耳は鼻ではない。」故に、
(Ⅲ)「兎は象ではない。」
といふ「三段論法(推論)」は、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(19)
(Ⅰ)「鼻が長くとも、鼻以外も長いならば、象ではない。」といふのであれば、
(〃)「象は、鼻以外は長くない。」といふことであって、
(〃)「象は、鼻以外は長くない。」と、言ふのであれば、
(〃)「象は、鼻は長い。」とは、言はずに、
(〃)「象は、鼻が長い。」といふ風に、言ふはずである。
従って、
(15)~(19)により、
(20)
① 象は鼻が長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ ∀x{[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]→~象x}。
に於いて、
① といふ「日本語」は、
② といふ「論理構造」をしてゐて、尚つ、
② といふ「論理構造」は、
③ といふ「論理構造」に、「等しい」。
といふ、ことになる。
然るに、
(21)
伝統的論理学を清水滉『論理学』(1916年)で代表させよう。わたしのもっているのが四十三年の第十九冊の一冊で、なお引き続き刊行だろうから、前後かなり多くの読者をもつ論理学書と考えられる。新興の記号論理学は、沢田允茂『現代論理学入門』(1962年)を参照することにする(三上章、日本語の論理、1963年、4頁)。
然るに、
(22)
「伝統的論理学」は、「文の内部構造」を「分析」できず、それ故、「伝統的論理学」は、例へば、
(Ⅰ)「鼻が長くとも、鼻以外も長いならば、象ではない。」然るに、
(Ⅱ)「兎は耳が長いが、兎の耳は鼻ではない。」故に、
(Ⅲ)「兎は象ではない。」
といふ「推論」の「妥当性(Validity)」を、「証明」できない。
然るに、
(23)
沢田允茂『現代論理学入門』(1962年)は、言はば、「現代論理学」の「解説書」であって、「練習問題」も、一切、載っていない。
従って、
(24)
『沢田允茂、現代論理学入門、1962年』を読んだとしても、例へば、
1 (1)吾輩は猫であるが、吾輩に、名前はない。 A
1 (〃) ∃x{吾輩x&猫x& ~∃y(名前yx)} A
2 (2) 吾輩a&猫a& ~∃y(名前ya) A
2 (3) 吾輩a 2&E
2 (4) 猫a 2&E
2 (5) ~∃y(名前ya) 2&E
6 (6) ∃x{タマx& ∃y(名前yx)} A
7(7) タマa& ∃y(名前ya) A
7(8) タマa& 7&E
7(9) ∃y(名前ya) 7&E
2 7(ア) ~∃y(名前ya)&∃y(名前ya) 59&I
26 (イ) ~∃y(名前ya)&∃y(名前ya) 67アEE
2 (ウ)~∃x{タマx& ∃y(名前yx)} 6イRAA
2 (エ)∀x~{タマx& ∃y(名前yx)} ウ量化子の関係
2 (オ) ~{タマa& ∃y(名前ya)} エUE
2 (カ) ~タマa∨ ~∃y(名前ya) オ、ドモルガンの法則
2 (キ) ~∃y(名前ya)∨~タマa カ交換法則
2 (ク) ∃y(名前ya)→~タマa キ含意の定義
2 7(ケ) ~タマa 9クMPP
2 7(コ) 吾輩a&~タマa 3ケ&I
2 7(サ) 吾輩a&~タマa&猫a 4コ&I
2 7(シ) ∃x(吾輩x&~タマx&猫x) サEI
26 (ス) ∃x(吾輩x&~タマx&猫x) 67シEE
1 6 (セ) ∃x(吾輩x&~タマx&猫x) 12スEE
1 6 (〃)あるxは、吾輩であって、タマではなく、猫である。 セ翻訳
1 6 (〃)吾輩は、タマではないが、猫である。 ソ翻訳
といふ「述語計算」を、自分でもやってみよう、といふ気に、なるわけではない。
然るに、
(25)
Primary an exercise book ― with exersises ranging from the simple to challenging(簡単なそれから、さうでないものまでを含む、練習帳)。
とあるやうに、『論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年』の方は、「練習問題帳」である。
然るに、
(26)
日常言語の文から述語計算の文への翻訳のためには、一般にあたまが柔軟なことが必要である。なんら確定的な規則があるわけではなく、量記号に十分に馴れるまでは、練習を積むことが必要である(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、130頁)。Flexibility of mind is generally required for translating from ordinary speech into sentences of the predicate calculs. No firm rules can be given, and practice is needed before full familiarity with quantifires is reached(E.J.Lemmon, Beginning Logic).
従って、
(22)~(26)により、
(27)
『沢田允茂、現代論理学入門1963年』といふ「それ(解説書)」をいくら、丁寧に読んでみたとしても、「量記号」に十分に馴れるまで、「十分な練習」を積まなければ、
(Ⅰ)∀x{[∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]→~象x}。然るに、
(Ⅱ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。故に、
(Ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「述語計算(Predicate calculus)」が出来るやうにならないのは、「練習」を積まなければ、
例題1
(x2+xy+y2+2x-y+3)(xy+x-2y+2)(x2+y2+x+y+1)
の展開式における2次の項と、3次の項を計算せよ。
答え 2次:17x2-xy+2y2、3次:12x3-3x3-3x2y+9xy2-6y2
(科学振興社、モノグラフ 1、式の計算、1990年、9頁)
といふ「計算」ができないことと、「同じ」である。
従って、
(21)(27)により、
(28)
『三上章、日本語の論理、1963年』の中で、記号論理学は、沢田允茂『現代論理学入門』(1962年)を参照することにすると、書いた時点に於ける、三上先生は、その実、『述語論理(現代論理学)』に関しては、ほとんど、何も知らなかったと、言ふべきである。
仮に、
(29)
55年前の、三上章先生が、
(Ⅰ)「鼻が長くとも、鼻以外も長いならば、象ではない。」然るに、
(Ⅱ)「兎は耳が長いが、兎の耳は鼻ではない。」故に、
(Ⅲ)「兎は象ではない。」
といふ「推論(三段論法)」を、自分自身で、「述語論理」に「翻訳」しようとして、『述語論理(現代論理学)』を学ばれたとすれば、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ ∀x{[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]→~象x}。
から、「論理式」から、
① ∀z(~鼻zx→~長z)
④ ∃z(~鼻zx& 長z)
を「除去(elimate)」してまへば、
(Ⅰ)「鼻が長くとも、鼻以外も長いならば、象ではない。」然るに、
(Ⅱ)「兎は耳が長いが、兎の耳は鼻ではない。」故に、
(Ⅲ)「兎は象ではない。」
といふ「推論(三段論法)」は、成り立たない。といふことに、気付かれたはずである。
然るに、
(30)
55年前の、三上章先生ほどの大先生が、『三上章、日本語の論理、1963年』の中で、仮に、
(Ⅰ)∀x{[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]→~象x}。然るに、
(Ⅱ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。故に、
(Ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「論理式」に、言及してゐたのであれば、
① 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、少なくとも、「述語論理的」には、
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。⇔
③ ∀x{[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]→~象x}。
といふ「構造(シンタックス)」をしてゐる。といふことが、知れ渡ってゐたと、思はれます。
(31)
「が」は複数の主語候補を同時に意識させ、「集合」としての主語を提示する。
*「集合構造」:主語は集合で、他の主語候補を義務的に意識させる(淺山友貴、現代日本語における「は」と「が」の意味と機能、2004年、154頁)。
に於ける、「集合構造」といふのは、
② ∀z(~鼻zx→~長z)
③ ∃z(~鼻zx& 長z)
に於ける、「鼻と、鼻以外の、集合」のことを、言ふ。
1 (1) P→ Q A
2 (2) P A
3(3) ~Q A
12 (4) Q 12MPP
123(5) ~Q&Q 34&I
1 3(6)~P 25RAA
1 (7)~Q→~P 36CP
然るに、
(02)
(01)に於いて、
P=~Q
Q=~P
といふ「代入(Replacement)」を行ふと、
1 (1) ~Q→ ~P A
2 (2) ~Q A
3(3) ~~P A
12 (4) ~P 12MPP
123(5) ~~P&~P 34&I
1 3(6)~~Q 25RAA
1 (7)~~P→~~Q 36CP
1 (8) P→ Q 7DN
従って、
(01)(02)により、
(03)
① P→ Q
② ~Q→~P
といふ「対偶(Contraposition)」に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
① P → [Q]
② ~[Q]→~ P
に於いて、
Q=Q&R
といふ「代入(Replacement)」を行ふと、
① P → [Q&R]
② ~[Q&R]→~ P
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
(a)
1 (1)~[Q&R] A
2 (2) Q A
3(3) R A
23(4) Q&R 23&I
123(5)~[Q&R]
[Q&R] 14&I
12 (6) ~R 35RAA
1 (7) Q→~R 26CP
(b)
1 (1) Q→~R A
2(2) Q& R A
2(3) Q 2&E
2(4) R 2&E
12(5) ~R 13MPP
12(6) R&~R 45&I
1 (7)~[Q& R] 26RAA
従って、
(05)により、
(06)
② ~[Q& R]
③ [Q→~R]
といふ「含意の定義」に於いて、
②=③ である。
従って、
(04)(06)により、
(07)
① P→[Q&R]
② ~[Q& R]→~ P
に於いて、
①=② であって、尚且つ、
② ~[Q& R]
③ [Q→~R]
に於いて、
②=③ である。
従って、
(07)により、
(08)
① P→[Q&R]
② ~[Q& R]→~P
③ [Q→~R]→~P
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(08)により、
(09)
① P→[Q&R]
② ~[Q& R]→~P
③ [Q→~R]→~P
に於いて、
P=象x
Q=∃y(鼻yx&長y)
R=∀z(~鼻zx→~長z)
といふ「代入(Replacement)」を行ふと、
① 象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]
② ~[∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)]→~象x
③ [∃y(鼻yx&長y)→~∀z(~鼻zx→~長z)]→~象x
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(10)
(a)
1 (1)~∀z( ~鼻zx→~長z) A
1 (2)∃z~( ~鼻zx→~長z) 1量化子の関係
3(3) ~( ~鼻cx→~長c) A
3(4) ~(~~鼻cx∨~長c) 3含意の定義
3(5) ~( 鼻cx∨~長c) 4DN
3(6) ~鼻cx&~~長c 5ド・モルガンの法則
3(7) ~鼻cx& 長c 6DN
3(8) ∃z(~鼻zx& 長z) 7EI
1 (9) ∃z(~鼻zx& 長z) 138EE
(b)
1 (1) ∃z(~鼻zx& 長z) A
2 (2) ~鼻cx& 長c A
3 (3) ∀z( ~鼻zx→~長z) A
3 (4) ~鼻cx→~長c 3UE
5 (5) 長c A
5 (6) ~~長c 5DN
35 (7) ~~鼻cx 46MTT
35 (8) 鼻cx 7DN
3 (9) 長c→ 鼻cx 58CP
2 (ア) 長c 2&E
23 (イ) 鼻cx 9アMPP
2 (ウ) ~鼻cx 2&E
23 (エ) ~鼻cx&鼻cx イウ&I
2 (オ)~∀z( ~鼻zx→~長z) 3エRAA
1 (カ)~∀z( ~鼻zx→~長z) 12オEE
従って、
(10)により、
(11)
③ ~∀z(~鼻zx→~長z)
④ ∃z(~鼻zx& 長z)
において、
③=④ である。
従って、
(09)(11)により、
(12)
① 象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]
② ~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]→~象x
③ [∃y(鼻yx&長y)→~∀z(~鼻zx→~長z)]→~象x
に於いて、
①=②=③ であって、尚且つ、
③ ~∀z(~鼻zx→~長z)
④ ∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
③=④ である。
従って、
(12)により、
(13)
① 象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]
② ~[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]→~象x
③ [∃y(鼻yx&長y)→~∀z(~鼻zx→~長z)]→~象x
④ [∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]→~象x
に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(13)により、
(14)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ ∀x{[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]→~象x}。
に於いて、
①=④ である。
従って、
(14)により、
(15)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ ∀x{[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]→~象x}。
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについてzがxの鼻でないならば、zは長くない}。
④ すべてのxについて{[あるyがxの鼻であって、yが長いとしても、あるzがxの鼻ではなくて、長いならば]xは象ではない}。
に於いて、
①=④ である。
従って、
(15)により、
(16)
1 (1)∀x{[ ∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]→~象x} A
1 (〃)すべてのxについて{[あるyがxの鼻であって、yが長いとしても、あるzがxの鼻ではなくて、長いならば]xは象ではない}。 A
1 (〃)鼻が長くとも、鼻以外も長いならば、象ではない。 A
1 (2) [ ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)]→~象a 1UE
1 (3) [~∃y(鼻ya&長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)]→~象a 2含意の定義
4 (4) 象a A
4 (5) ~~象a 4DN
14 (6) ~[~∃y(鼻ya&長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)] 34MTT
14 (7) ~~∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za& 長z) 6ド・モルガンの法則
14 (8) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za& 長z) 7DN
14 (9) ~∃z(~鼻za& 長z) 8&E
14 (ア) ∀z~(~鼻za& 長z) 9量化子の関係
14 (イ) ~(~鼻ba& 長b) アUE
14 (ウ) ~~鼻ba∨~長b イ、ド・モルガンの法則
14 (エ) ~鼻ba→~長b ウ含意の定義
14 (オ) ∀z(~鼻zx→~長z) エUI
14 (カ) ∃y(鼻ya&長y) 8&E
14 (キ) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻zx→~長z) オカ&I
1 (ク) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻zx→~長z) 4キCP
1 (ケ)∀x{象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻zx→~長z) クUI
1 (〃)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについてzがxの鼻でないならば、zは長くない}。 A
1 (〃)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
コ (コ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
コ (〃)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyはxの耳であって、yは長いものの、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの耳ではない}。 A
コ (〃)兎の耳は長いものの、兎の耳は、鼻ではない。
サ (サ)∃x(兎x&象x) A
サ (〃)あるxは兎であって象である。 A
サ (〃)ある兎は象である。 A
然るに、
(17)
サ (〃)ある兎は象である。 A
の「続き」は、これ迄に、何度も示した通り、
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 1UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 47MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
2 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ(オ) 耳ba&長b A
1 6 (カ) ∀z(~鼻za→~長z) 9&E
1 6 (キ) ~鼻ba→~長b カUE
2 6 (ク) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ケ) 耳ba→~鼻ba クUE
オ (コ) 耳ba オ&E
2 6オ (サ) ~鼻ba ケコMPP
12 6オ (シ) ~長b キサコMPP
オ (ス) 長b オ&E
12 6オ (セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b ウオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ナUI
12 (〃)兎は象ではない。 ナUI
従って、
(15)(16)(17)により、
(18)
(Ⅰ)∀x{[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]→~象x}。然るに、
(Ⅱ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。故に、
(Ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「三段論法」、すなはち、
(Ⅰ)「鼻が長くとも、鼻以外も長いならば、象ではない。」然るに、
(Ⅱ)「兎は耳が長いが、兎の耳は鼻ではない。」故に、
(Ⅲ)「兎は象ではない。」
といふ「三段論法(推論)」は、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(19)
(Ⅰ)「鼻が長くとも、鼻以外も長いならば、象ではない。」といふのであれば、
(〃)「象は、鼻以外は長くない。」といふことであって、
(〃)「象は、鼻以外は長くない。」と、言ふのであれば、
(〃)「象は、鼻は長い。」とは、言はずに、
(〃)「象は、鼻が長い。」といふ風に、言ふはずである。
従って、
(15)~(19)により、
(20)
① 象は鼻が長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ ∀x{[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]→~象x}。
に於いて、
① といふ「日本語」は、
② といふ「論理構造」をしてゐて、尚つ、
② といふ「論理構造」は、
③ といふ「論理構造」に、「等しい」。
といふ、ことになる。
然るに、
(21)
伝統的論理学を清水滉『論理学』(1916年)で代表させよう。わたしのもっているのが四十三年の第十九冊の一冊で、なお引き続き刊行だろうから、前後かなり多くの読者をもつ論理学書と考えられる。新興の記号論理学は、沢田允茂『現代論理学入門』(1962年)を参照することにする(三上章、日本語の論理、1963年、4頁)。
然るに、
(22)
「伝統的論理学」は、「文の内部構造」を「分析」できず、それ故、「伝統的論理学」は、例へば、
(Ⅰ)「鼻が長くとも、鼻以外も長いならば、象ではない。」然るに、
(Ⅱ)「兎は耳が長いが、兎の耳は鼻ではない。」故に、
(Ⅲ)「兎は象ではない。」
といふ「推論」の「妥当性(Validity)」を、「証明」できない。
然るに、
(23)
沢田允茂『現代論理学入門』(1962年)は、言はば、「現代論理学」の「解説書」であって、「練習問題」も、一切、載っていない。
従って、
(24)
『沢田允茂、現代論理学入門、1962年』を読んだとしても、例へば、
1 (1)吾輩は猫であるが、吾輩に、名前はない。 A
1 (〃) ∃x{吾輩x&猫x& ~∃y(名前yx)} A
2 (2) 吾輩a&猫a& ~∃y(名前ya) A
2 (3) 吾輩a 2&E
2 (4) 猫a 2&E
2 (5) ~∃y(名前ya) 2&E
6 (6) ∃x{タマx& ∃y(名前yx)} A
7(7) タマa& ∃y(名前ya) A
7(8) タマa& 7&E
7(9) ∃y(名前ya) 7&E
2 7(ア) ~∃y(名前ya)&∃y(名前ya) 59&I
26 (イ) ~∃y(名前ya)&∃y(名前ya) 67アEE
2 (ウ)~∃x{タマx& ∃y(名前yx)} 6イRAA
2 (エ)∀x~{タマx& ∃y(名前yx)} ウ量化子の関係
2 (オ) ~{タマa& ∃y(名前ya)} エUE
2 (カ) ~タマa∨ ~∃y(名前ya) オ、ドモルガンの法則
2 (キ) ~∃y(名前ya)∨~タマa カ交換法則
2 (ク) ∃y(名前ya)→~タマa キ含意の定義
2 7(ケ) ~タマa 9クMPP
2 7(コ) 吾輩a&~タマa 3ケ&I
2 7(サ) 吾輩a&~タマa&猫a 4コ&I
2 7(シ) ∃x(吾輩x&~タマx&猫x) サEI
26 (ス) ∃x(吾輩x&~タマx&猫x) 67シEE
1 6 (セ) ∃x(吾輩x&~タマx&猫x) 12スEE
1 6 (〃)あるxは、吾輩であって、タマではなく、猫である。 セ翻訳
1 6 (〃)吾輩は、タマではないが、猫である。 ソ翻訳
といふ「述語計算」を、自分でもやってみよう、といふ気に、なるわけではない。
然るに、
(25)
Primary an exercise book ― with exersises ranging from the simple to challenging(簡単なそれから、さうでないものまでを含む、練習帳)。
とあるやうに、『論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年』の方は、「練習問題帳」である。
然るに、
(26)
日常言語の文から述語計算の文への翻訳のためには、一般にあたまが柔軟なことが必要である。なんら確定的な規則があるわけではなく、量記号に十分に馴れるまでは、練習を積むことが必要である(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、130頁)。Flexibility of mind is generally required for translating from ordinary speech into sentences of the predicate calculs. No firm rules can be given, and practice is needed before full familiarity with quantifires is reached(E.J.Lemmon, Beginning Logic).
従って、
(22)~(26)により、
(27)
『沢田允茂、現代論理学入門1963年』といふ「それ(解説書)」をいくら、丁寧に読んでみたとしても、「量記号」に十分に馴れるまで、「十分な練習」を積まなければ、
(Ⅰ)∀x{[∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]→~象x}。然るに、
(Ⅱ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。故に、
(Ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「述語計算(Predicate calculus)」が出来るやうにならないのは、「練習」を積まなければ、
例題1
(x2+xy+y2+2x-y+3)(xy+x-2y+2)(x2+y2+x+y+1)
の展開式における2次の項と、3次の項を計算せよ。
答え 2次:17x2-xy+2y2、3次:12x3-3x3-3x2y+9xy2-6y2
(科学振興社、モノグラフ 1、式の計算、1990年、9頁)
といふ「計算」ができないことと、「同じ」である。
従って、
(21)(27)により、
(28)
『三上章、日本語の論理、1963年』の中で、記号論理学は、沢田允茂『現代論理学入門』(1962年)を参照することにすると、書いた時点に於ける、三上先生は、その実、『述語論理(現代論理学)』に関しては、ほとんど、何も知らなかったと、言ふべきである。
仮に、
(29)
55年前の、三上章先生が、
(Ⅰ)「鼻が長くとも、鼻以外も長いならば、象ではない。」然るに、
(Ⅱ)「兎は耳が長いが、兎の耳は鼻ではない。」故に、
(Ⅲ)「兎は象ではない。」
といふ「推論(三段論法)」を、自分自身で、「述語論理」に「翻訳」しようとして、『述語論理(現代論理学)』を学ばれたとすれば、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ ∀x{[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]→~象x}。
から、「論理式」から、
① ∀z(~鼻zx→~長z)
④ ∃z(~鼻zx& 長z)
を「除去(elimate)」してまへば、
(Ⅰ)「鼻が長くとも、鼻以外も長いならば、象ではない。」然るに、
(Ⅱ)「兎は耳が長いが、兎の耳は鼻ではない。」故に、
(Ⅲ)「兎は象ではない。」
といふ「推論(三段論法)」は、成り立たない。といふことに、気付かれたはずである。
然るに、
(30)
55年前の、三上章先生ほどの大先生が、『三上章、日本語の論理、1963年』の中で、仮に、
(Ⅰ)∀x{[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]→~象x}。然るに、
(Ⅱ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。故に、
(Ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「論理式」に、言及してゐたのであれば、
① 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、少なくとも、「述語論理的」には、
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。⇔
③ ∀x{[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]→~象x}。
といふ「構造(シンタックス)」をしてゐる。といふことが、知れ渡ってゐたと、思はれます。
(31)
「が」は複数の主語候補を同時に意識させ、「集合」としての主語を提示する。
*「集合構造」:主語は集合で、他の主語候補を義務的に意識させる(淺山友貴、現代日本語における「は」と「が」の意味と機能、2004年、154頁)。
に於ける、「集合構造」といふのは、
② ∀z(~鼻zx→~長z)
③ ∃z(~鼻zx& 長z)
に於ける、「鼻と、鼻以外の、集合」のことを、言ふ。