(01)
1 (1) ∃x(兎x&象x) A
1 (〃) ある兎は象である。 A
2 (2) 兎a&象a A(代表的選言項)
2 (3) 兎a 2&E
2 (4) 象a 2&E
5 (5) ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
5 (〃) 兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。 A
5 (6) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 5UE
25 (7) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 36MPP
25 (8) ∃y(耳ya&長y) 7&E
9 (9) 耳ba&長b A(代表的選言項)
9 (ア) 耳ba 9&E
9 (イ) 長b 9&E
25 (ウ) ∀z(耳za→~鼻za) 7&E
25 (エ) 耳ba→~鼻ba ウUE
259 (オ) ~鼻ba アエMPP
カ(カ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
カ(〃) 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。 A
カ(キ) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) カUE
2 カ(ク) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 4キMPP
2 カ(ケ) ∀z(~鼻za→~長z) ク&E
2 カ(コ) ~鼻ba→~長b ケUE
259カ(サ) ~長b オコMPP
259カ(シ) 長b&~長b イサ&I
259カ(ス) ∃y(長y&~長y) シEI
25 カ(セ) ∃y(長y&~長y) 89スEE
1 5 カ(ソ) ∃y(長y&~長y) 12セEE
5 カ(タ)~∃x(兎x&象x) 1ソRAA
5 カ(チ)∀x~(兎x&象x) タ量化子の関係
5 カ(ツ) ~(兎a&象a) チUE
5 カ(テ) ~兎a∨~象a ツ、ド・モルガンの法則
5 カ(ト) ~象a∨~兎a テ交換法則
5 カ(ナ) 象a→~兎a ト含意の定義
5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x) ナUI
(02)
{a、b、c}が「変域(domain)」であるとき、
① ∃xFx={Fa∨Fb∨Fc}={FaかFbかFc}
② ∀xFx={Fa&Fb&Fc}={FaでFbでFc}
然るに、
(03)
① ∃xFx={FaかFbかFc}であるならば、{Fa}だけでも、「真(本当)」であり、
② ∀xFx={FaでFbでFc}であるならば、{Fa}だけでは、「偽(ウソ)」である。
従って、
(03)により、
(04)
1 (1)∃xFx A
2(2) Fa A
1 (3) Fa 122EE
1 (4)∀xFx 3UI
(5)∃xFx ならば、∀xFx である。 15CP
といふ「推論」は、「妥当(valid)」ではない。
然るに、
(05)
1 (1)∃xFx A
2(2) Fa A
1 (3) Fa 122EE
1 (4)∃xFx 3EI
(5)∃xFx ならば、∃xFx である。 15CP
といふ「同義語反復」は、「妥当(valid)」である。
同様に、
(06)
1 (1)∃xFx A
2(2) Fa A
2(3)∃xFx 2EI
1 (4)∃xFx 123EE
(5)∃xFx ならば、∃xFx である。 15CP
といふ「同義語反復」も、「妥当(valid)」である。
然るに、
(07)
1 (1)∃xFx A
2(2) Fa A
1 (3) Fa 123EE
1 (4)∀xFx 3UI
UIの適用は正しい。なぜなら、1は「a」を含まないからである。しかし、EEの適用は正しくない。なぜならば、問題になる結論、
ここでは、Faは、「a」をふくんでいるからである。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、147頁)
従って、
(02)~(07)により、
(08)
1 (1)∃xFx A
2(2) Fa A
1 (3) Fa 123EE
までは、「妥当(valid)」であるが、
1 (4)∀xFx 3UI
が、加はった時点で、
1 (3) Fa 123EE
は、「妥当(valid)」ではない。
といふ、ことになる。
従って、
(08)により、
(09)
2(2) Fa A
1 (3) Fa 123EE
といふ「EE」自体は、「妥当(valid)」である。
従って、
(01)~(09)により、
(10)
259カ(シ) 長b&~長b イサ&I
259カ(ス) ∃y(長y&~長y) シEI
25 カ(セ) ∃y(長y&~長y) 89スEE
1 5 カ(ソ) ∃y(長y&~長y) 12セEE
といふ「4行」が、「妥当(valid)」である以上、
259カ(シ) 長b&~長b イサ&I
25 カ(ス) 長b&~長b 89シEE
1 5 カ(セ) 長b&~長b 12スEE
といふ「3行」も、「妥当(valid)」である。
然るに、
(11)
いづれにせよ、
1 5 カ(ソ) ∃y(長y&~長y) 12セEE
1 5 カ(〃) あるyは、長くて長くない。 12セEE
といふことは、「矛盾」であり、
1 5 カ(セ) 長b&~長b 12スEE
1 5 カ(〃) 任意のbは、長くて長くない。 12スEE
といふことは、「矛盾」である。
従って、
(01)(11)により、
(12)
1 5 カ(ソ)
といふ「3つの仮定」、すなはち、
1 (1) ∃x(兎x&象x) A
5 (5) ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
カ(カ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
といふ「3つの仮定」、すなはち、
1 (1) ある兎は象である。 A
5 (5) 兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。 A
カ(カ) 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。 A
といふ「3つの仮定」の内の、「1つ」は、「否定」されなければ、ならない。
従って、
(12)により、
(13)
1 (1) ある兎は象である。 A
5 (5) 兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。 A
といふ「2つの仮定」を、「否定しない」のであれば、「背理法(RAA)」により、
1 (1) ある兎は象である。
といふ「仮定」、すなはち、
1 (1) ∃x(兎x&象x) A
といふ「仮定」は、「否定」される。
従って、
(13)により、
(14)
1 (1) ∃x(兎x&象x) A
1 (1)あるxは、兎であって、象である。 A
といふ「命題」は、「偽(ウソ)」であり、 1ソRAA
5 カ(タ)~∃x(兎x&象x) 1ソRAA
5 カ(〃)あるxが、兎であって、象である。といふことはない。 1ソRAA
といふ「命題」が、「真(本当)」になる。
然るに、
(15)
5 カ(タ)~∃x(兎x&象x) 1ソRAA
5 カ(〃)あるxが、兎であって、象である。といふことはない。 1ソRAA
といふことは、
5 カ(タ)~∃x(兎x&象x) 1ソRAA
5 カ(〃)あるxが、象であって、兎である。といふことはない。 1ソRAA
といふことである。
然るに、
(16)
5 カ(タ)~∃x(兎x&象x) 1ソRAA
5 カ(〃)あるxが、象であって、兎である。といふことはない。 1ソRAA
といふことは、
5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x) ナUI
5 カ(〃)すべてのxについて、xが象ならば、xは兎ではない。 ナUI
5 カ(〃)象は兎ではない。 ナUI
といふことに、他ならない。
従って、
(01)~(16)により、
(17)
5 (5) ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
5 (〃)すべてのxについて{xが兎ならば、あるyはxの耳であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない}。 A
カ(カ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
カ (〃)すべてのxについて{xが象ならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。 A
といふ風に、「仮定」すると、
5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x) ナUI
5 カ(〃)すべてのxについて、xが象ならば、xは兎ではない。 ナUI
5 カ(〃)象は兎ではない。 ナUI
といふ「結論」を、得ることになる。
然るに、
(18)
9 (イ) 長b 9&E
259 (オ) ~鼻ba アエMPP
2 カ(ケ) ∀z(~鼻za→~長z) ク&E
2 カ(コ) ~鼻ba→~長b ケUE
259カ(サ) ~長b オコMPP
259カ(シ) 長b&~長b イサ&I
であるため、
2 カ(ケ) ∀z(~鼻za→~長z) ク&E
2 カ(コ) ~鼻ba→~長b ケUE
を「削除」した場合は、
5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x) ナUI
5 カ(ニ)すべてのxについて、xが象ならば、xは兎ではない。 ナUI
5 カ(〃)象は兎ではない。 ナUI
といふ「結論」を、得ることが、出来ない。
然るに、
(19)
1 (1) ∃x(兎x&象x) A
1 (〃) ある兎は象である。 A
2 (2) 兎a&象a A(代表的選言項)
2 (3) 兎a 2&E
2 (4) 象a 2&E
5 (5) ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
5 (〃) 兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。 A
5 (6) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 5UE
25 (7) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 36MPP
25 (8) ∃y(耳ya&長y) 7&E
9 (9) 耳ba&長b A(代表的選言項)
9 (ア) 耳ba 9&E
9 (イ) 長b 9&E
25 (ウ) ∀z(耳za→~鼻za) 7&E
25 (エ) 耳ba→~鼻ba ウUE
259 (オ) ~鼻ba アエMPP
カ(カ) ∀x{象x→ ∀z(~鼻zx→~長z)} A
カ(〃) 象は 、鼻以外は長くない。 A
カ(キ) 象a→ ∀z(~鼻za→~長z) カUE
2 カ(ク) ∀z(~鼻za→~長z) 4キMPP
2 カ(コ) ~鼻ba→~長b ケUE
259カ(サ) ~長b オコMPP
259カ(シ) 長b&~長b イサ&I
259カ(ス) ∃y(長y&~長y) シEI
25 カ(セ) ∃y(長y&~長y) 89スEE
1 5 カ(ソ) ∃y(長y&~長y) 12セEE
5 カ(タ)~∃x(兎x&象x) 1ソRAA
5 カ(チ)∀x~(兎x&象x) タ量化子の関係
5 カ(ツ) ~(兎a&象a) チUE
5 カ(テ) ~兎a∨~象a ツ、ド・モルガンの法則
5 カ(ト) ~象a∨~兎a テ交換法則
5 カ(ナ) 象a→~兎a ト含意の定義
5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x) ナUI
従って、
(19)により、
(20)
カ(カ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
といふ「 論理式 」から、 ∃y(鼻yx&長y)
といふ「命題関数」を「削除」したとしても、
5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x) ナUI
5 カ(〃)すべてのxについて、xが象ならば、xは兎ではない。 ナUI
5 カ(〃)象は兎ではない。 ナUI
といふ「結論」自体は、「変はらない」。
従って、
(01)~(20)により、
(21)
(Ⅰ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。然るに、
(Ⅱ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。故に、
(Ⅲ)∀x(象x→~兎x)。
といふ「推論(三段論法)」と、
(Ⅰ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。然るに、
(Ⅱ)∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}。故に、
(Ⅲ)∀x(象x→~兎x)。
といふ「推論(三段論法)」は、両方とも、「妥当(valid)」である。
従って、
(21)により、
(22)
(Ⅰ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。然るに、
(Ⅱ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。故に、
(Ⅲ)象は兎ではない。
といふ「推論(三段論法)」と、
(Ⅰ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。然るに、
(Ⅱ)象は、鼻以外は長くない。故に、
(Ⅲ)象は兎ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、両方とも、「妥当(valid)」である。
然るに、
(23)
「日本語」で、
① 象は鼻は長い。
といふのであれば、
① 象の「鼻以外」については、「何も述べてゐない」。
従って、
(23)により、
(24)
① 象は鼻は長い。
といふのであれば、
① 象の「鼻」だけでなく、
① 象の「耳」も、「長い」のかも知れない。
然るに、
(25)
② 象は鼻が長い。
といふのであれば、
② 象は「鼻以外」は長くない。
といふことになる。
然るに、
(26)
② 象は「鼻以外」は長くない。
といふのであれば、
② 象は鼻は長く「鼻以外」は長くない。
といふ風に、受け取るのが、「普通」である。
従って、
(25)(26)により、
(27)
② 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
② 象は「鼻以外」は長くない。
② 象は鼻は長く「鼻以外」は長くない。
といふ「意味」である。
従って、
(21)(22)(27)により、
(28)
② 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
② 象は「鼻以外」は長くない。
② 象は鼻は長く「鼻以外」は長くない。
といふ「意味」であって、
② 象は「鼻以外」は長くない。
② 象は鼻は長く「鼻以外」は長くない。
といふ「日本語」は、
② ∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(22)(28)により、
(29)
(Ⅰ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。然るに、
(Ⅱ)象は鼻が長い。故に、
(Ⅲ)象は兎ではない。
といふ「推論(三段論法)」が「妥当(valid)」である。
と認めるのであれば、その一方で、
(Ⅱ)象は鼻が長い。
といふ「日本語」が、
(Ⅱ)象は、 鼻以外は長くない=∀x{象x→ ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(Ⅱ)象は、鼻は長く鼻以外は長くない=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「意味」ではないと、することは、出来ない。
1 (1) ∃x(兎x&象x) A
1 (〃) ある兎は象である。 A
2 (2) 兎a&象a A(代表的選言項)
2 (3) 兎a 2&E
2 (4) 象a 2&E
5 (5) ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
5 (〃) 兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。 A
5 (6) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 5UE
25 (7) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 36MPP
25 (8) ∃y(耳ya&長y) 7&E
9 (9) 耳ba&長b A(代表的選言項)
9 (ア) 耳ba 9&E
9 (イ) 長b 9&E
25 (ウ) ∀z(耳za→~鼻za) 7&E
25 (エ) 耳ba→~鼻ba ウUE
259 (オ) ~鼻ba アエMPP
カ(カ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
カ(〃) 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。 A
カ(キ) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) カUE
2 カ(ク) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 4キMPP
2 カ(ケ) ∀z(~鼻za→~長z) ク&E
2 カ(コ) ~鼻ba→~長b ケUE
259カ(サ) ~長b オコMPP
259カ(シ) 長b&~長b イサ&I
259カ(ス) ∃y(長y&~長y) シEI
25 カ(セ) ∃y(長y&~長y) 89スEE
1 5 カ(ソ) ∃y(長y&~長y) 12セEE
5 カ(タ)~∃x(兎x&象x) 1ソRAA
5 カ(チ)∀x~(兎x&象x) タ量化子の関係
5 カ(ツ) ~(兎a&象a) チUE
5 カ(テ) ~兎a∨~象a ツ、ド・モルガンの法則
5 カ(ト) ~象a∨~兎a テ交換法則
5 カ(ナ) 象a→~兎a ト含意の定義
5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x) ナUI
(02)
{a、b、c}が「変域(domain)」であるとき、
① ∃xFx={Fa∨Fb∨Fc}={FaかFbかFc}
② ∀xFx={Fa&Fb&Fc}={FaでFbでFc}
然るに、
(03)
① ∃xFx={FaかFbかFc}であるならば、{Fa}だけでも、「真(本当)」であり、
② ∀xFx={FaでFbでFc}であるならば、{Fa}だけでは、「偽(ウソ)」である。
従って、
(03)により、
(04)
1 (1)∃xFx A
2(2) Fa A
1 (3) Fa 122EE
1 (4)∀xFx 3UI
(5)∃xFx ならば、∀xFx である。 15CP
といふ「推論」は、「妥当(valid)」ではない。
然るに、
(05)
1 (1)∃xFx A
2(2) Fa A
1 (3) Fa 122EE
1 (4)∃xFx 3EI
(5)∃xFx ならば、∃xFx である。 15CP
といふ「同義語反復」は、「妥当(valid)」である。
同様に、
(06)
1 (1)∃xFx A
2(2) Fa A
2(3)∃xFx 2EI
1 (4)∃xFx 123EE
(5)∃xFx ならば、∃xFx である。 15CP
といふ「同義語反復」も、「妥当(valid)」である。
然るに、
(07)
1 (1)∃xFx A
2(2) Fa A
1 (3) Fa 123EE
1 (4)∀xFx 3UI
UIの適用は正しい。なぜなら、1は「a」を含まないからである。しかし、EEの適用は正しくない。なぜならば、問題になる結論、
ここでは、Faは、「a」をふくんでいるからである。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、147頁)
従って、
(02)~(07)により、
(08)
1 (1)∃xFx A
2(2) Fa A
1 (3) Fa 123EE
までは、「妥当(valid)」であるが、
1 (4)∀xFx 3UI
が、加はった時点で、
1 (3) Fa 123EE
は、「妥当(valid)」ではない。
といふ、ことになる。
従って、
(08)により、
(09)
2(2) Fa A
1 (3) Fa 123EE
といふ「EE」自体は、「妥当(valid)」である。
従って、
(01)~(09)により、
(10)
259カ(シ) 長b&~長b イサ&I
259カ(ス) ∃y(長y&~長y) シEI
25 カ(セ) ∃y(長y&~長y) 89スEE
1 5 カ(ソ) ∃y(長y&~長y) 12セEE
といふ「4行」が、「妥当(valid)」である以上、
259カ(シ) 長b&~長b イサ&I
25 カ(ス) 長b&~長b 89シEE
1 5 カ(セ) 長b&~長b 12スEE
といふ「3行」も、「妥当(valid)」である。
然るに、
(11)
いづれにせよ、
1 5 カ(ソ) ∃y(長y&~長y) 12セEE
1 5 カ(〃) あるyは、長くて長くない。 12セEE
といふことは、「矛盾」であり、
1 5 カ(セ) 長b&~長b 12スEE
1 5 カ(〃) 任意のbは、長くて長くない。 12スEE
といふことは、「矛盾」である。
従って、
(01)(11)により、
(12)
1 5 カ(ソ)
といふ「3つの仮定」、すなはち、
1 (1) ∃x(兎x&象x) A
5 (5) ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
カ(カ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
といふ「3つの仮定」、すなはち、
1 (1) ある兎は象である。 A
5 (5) 兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。 A
カ(カ) 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。 A
といふ「3つの仮定」の内の、「1つ」は、「否定」されなければ、ならない。
従って、
(12)により、
(13)
1 (1) ある兎は象である。 A
5 (5) 兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。 A
といふ「2つの仮定」を、「否定しない」のであれば、「背理法(RAA)」により、
1 (1) ある兎は象である。
といふ「仮定」、すなはち、
1 (1) ∃x(兎x&象x) A
といふ「仮定」は、「否定」される。
従って、
(13)により、
(14)
1 (1) ∃x(兎x&象x) A
1 (1)あるxは、兎であって、象である。 A
といふ「命題」は、「偽(ウソ)」であり、 1ソRAA
5 カ(タ)~∃x(兎x&象x) 1ソRAA
5 カ(〃)あるxが、兎であって、象である。といふことはない。 1ソRAA
といふ「命題」が、「真(本当)」になる。
然るに、
(15)
5 カ(タ)~∃x(兎x&象x) 1ソRAA
5 カ(〃)あるxが、兎であって、象である。といふことはない。 1ソRAA
といふことは、
5 カ(タ)~∃x(兎x&象x) 1ソRAA
5 カ(〃)あるxが、象であって、兎である。といふことはない。 1ソRAA
といふことである。
然るに、
(16)
5 カ(タ)~∃x(兎x&象x) 1ソRAA
5 カ(〃)あるxが、象であって、兎である。といふことはない。 1ソRAA
といふことは、
5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x) ナUI
5 カ(〃)すべてのxについて、xが象ならば、xは兎ではない。 ナUI
5 カ(〃)象は兎ではない。 ナUI
といふことに、他ならない。
従って、
(01)~(16)により、
(17)
5 (5) ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
5 (〃)すべてのxについて{xが兎ならば、あるyはxの耳であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない}。 A
カ(カ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
カ (〃)すべてのxについて{xが象ならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。 A
といふ風に、「仮定」すると、
5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x) ナUI
5 カ(〃)すべてのxについて、xが象ならば、xは兎ではない。 ナUI
5 カ(〃)象は兎ではない。 ナUI
といふ「結論」を、得ることになる。
然るに、
(18)
9 (イ) 長b 9&E
259 (オ) ~鼻ba アエMPP
2 カ(ケ) ∀z(~鼻za→~長z) ク&E
2 カ(コ) ~鼻ba→~長b ケUE
259カ(サ) ~長b オコMPP
259カ(シ) 長b&~長b イサ&I
であるため、
2 カ(ケ) ∀z(~鼻za→~長z) ク&E
2 カ(コ) ~鼻ba→~長b ケUE
を「削除」した場合は、
5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x) ナUI
5 カ(ニ)すべてのxについて、xが象ならば、xは兎ではない。 ナUI
5 カ(〃)象は兎ではない。 ナUI
といふ「結論」を、得ることが、出来ない。
然るに、
(19)
1 (1) ∃x(兎x&象x) A
1 (〃) ある兎は象である。 A
2 (2) 兎a&象a A(代表的選言項)
2 (3) 兎a 2&E
2 (4) 象a 2&E
5 (5) ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
5 (〃) 兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。 A
5 (6) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 5UE
25 (7) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 36MPP
25 (8) ∃y(耳ya&長y) 7&E
9 (9) 耳ba&長b A(代表的選言項)
9 (ア) 耳ba 9&E
9 (イ) 長b 9&E
25 (ウ) ∀z(耳za→~鼻za) 7&E
25 (エ) 耳ba→~鼻ba ウUE
259 (オ) ~鼻ba アエMPP
カ(カ) ∀x{象x→ ∀z(~鼻zx→~長z)} A
カ(〃) 象は 、鼻以外は長くない。 A
カ(キ) 象a→ ∀z(~鼻za→~長z) カUE
2 カ(ク) ∀z(~鼻za→~長z) 4キMPP
2 カ(コ) ~鼻ba→~長b ケUE
259カ(サ) ~長b オコMPP
259カ(シ) 長b&~長b イサ&I
259カ(ス) ∃y(長y&~長y) シEI
25 カ(セ) ∃y(長y&~長y) 89スEE
1 5 カ(ソ) ∃y(長y&~長y) 12セEE
5 カ(タ)~∃x(兎x&象x) 1ソRAA
5 カ(チ)∀x~(兎x&象x) タ量化子の関係
5 カ(ツ) ~(兎a&象a) チUE
5 カ(テ) ~兎a∨~象a ツ、ド・モルガンの法則
5 カ(ト) ~象a∨~兎a テ交換法則
5 カ(ナ) 象a→~兎a ト含意の定義
5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x) ナUI
従って、
(19)により、
(20)
カ(カ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
といふ「 論理式 」から、 ∃y(鼻yx&長y)
といふ「命題関数」を「削除」したとしても、
5 カ(ニ)∀x(象x→~兎x) ナUI
5 カ(〃)すべてのxについて、xが象ならば、xは兎ではない。 ナUI
5 カ(〃)象は兎ではない。 ナUI
といふ「結論」自体は、「変はらない」。
従って、
(01)~(20)により、
(21)
(Ⅰ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。然るに、
(Ⅱ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。故に、
(Ⅲ)∀x(象x→~兎x)。
といふ「推論(三段論法)」と、
(Ⅰ)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。然るに、
(Ⅱ)∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}。故に、
(Ⅲ)∀x(象x→~兎x)。
といふ「推論(三段論法)」は、両方とも、「妥当(valid)」である。
従って、
(21)により、
(22)
(Ⅰ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。然るに、
(Ⅱ)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。故に、
(Ⅲ)象は兎ではない。
といふ「推論(三段論法)」と、
(Ⅰ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。然るに、
(Ⅱ)象は、鼻以外は長くない。故に、
(Ⅲ)象は兎ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、両方とも、「妥当(valid)」である。
然るに、
(23)
「日本語」で、
① 象は鼻は長い。
といふのであれば、
① 象の「鼻以外」については、「何も述べてゐない」。
従って、
(23)により、
(24)
① 象は鼻は長い。
といふのであれば、
① 象の「鼻」だけでなく、
① 象の「耳」も、「長い」のかも知れない。
然るに、
(25)
② 象は鼻が長い。
といふのであれば、
② 象は「鼻以外」は長くない。
といふことになる。
然るに、
(26)
② 象は「鼻以外」は長くない。
といふのであれば、
② 象は鼻は長く「鼻以外」は長くない。
といふ風に、受け取るのが、「普通」である。
従って、
(25)(26)により、
(27)
② 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
② 象は「鼻以外」は長くない。
② 象は鼻は長く「鼻以外」は長くない。
といふ「意味」である。
従って、
(21)(22)(27)により、
(28)
② 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
② 象は「鼻以外」は長くない。
② 象は鼻は長く「鼻以外」は長くない。
といふ「意味」であって、
② 象は「鼻以外」は長くない。
② 象は鼻は長く「鼻以外」は長くない。
といふ「日本語」は、
② ∀x{象x→∀z(~鼻zx→~長z)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(22)(28)により、
(29)
(Ⅰ)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。然るに、
(Ⅱ)象は鼻が長い。故に、
(Ⅲ)象は兎ではない。
といふ「推論(三段論法)」が「妥当(valid)」である。
と認めるのであれば、その一方で、
(Ⅱ)象は鼻が長い。
といふ「日本語」が、
(Ⅱ)象は、 鼻以外は長くない=∀x{象x→ ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(Ⅱ)象は、鼻は長く鼻以外は長くない=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「意味」ではないと、することは、出来ない。