(01)
1 (1)サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。 A
1 (〃)∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)} A
2 (2)あるサンマは日本橋であって目黒ではない。 A
2 (〃)∃x(サンマx&日本橋x&~目黒x) A
1 (3)サンマa→(目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 1UE
4(4)サンマa&日本橋a&~目黒a A
4(5)サンマa 4&E
1 4(6) (目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 35MPP
1 4(7) ~目黒a→~美味a 6&E
4(8) ~目黒a 4&E
1 4(9) ~美味a 78MPP
4(ア) 日本橋a 4&E
1 4(イ)サンマa&日本橋a 5ア&I
1 4(ウ)サンマa&日本橋a&~美味a アイ&I
1 4(エ)∃x(サンマx&日本橋a&~美味a) ウEI
12 (オ)∃x(サンマx&日本橋a&~美味a) 24エEE
12 (〃)あるサンマは日本橋であって美味くない。 24エEE
従って、
(01)により、
(02)
(1)サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。然るに、
(2)あるサンマは日本橋であって目黒ではない。故に、
(オ)あるサンマは日本橋であって美味くない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(03)
日本橋魚河岸から取り寄せた新鮮なさんまが、家臣のいらぬ世話で醍醐味が台なしにされて不味くなった。食したさんまが不味いので「いずれで求めたさんまだ」と殿さまが尋ねると、家臣は「はい、日本橋魚河岸で求めてまいりました」答えた。殿さまは「ううむ。それはいかん。さんまは目黒に限る」と、海と無縁な場所である目黒で捕った魚が美味いと信じて断言する、というくだりが落ちである(ウィキペディア:目黒のさんま)。
然るに、
(04)
① さんまは目黒に限る。
といふことは、
② サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。
といふことである。
然るに、
(05)
① サンマは目黒に限る。⇔
② サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。
とい言ふ場合に、
③ サンマは目黒が美味い。
とは言っても、
④ サンマは目黒は美味い。
とは言はない。
然るに、
(06)
② サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。
といふことは、
② サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない。
といふことである。
従って、
(05)(06)により、
(07)
③ サンマは、目黒が美味い。
② サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない。
に於いて、
③=② である。
従って、
(07)により、
(08)
③ Aは、BがCである。
② Aは、BはCであり、B以外はCではない。
に於いて、
③=② である。
従って、
(08)により、
(09)
③ 象は、鼻が長い。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
に於いて、
③=② である。
(01)
(ⅰ)
1 (1) ∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} A
1 (2) 象a→[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)] 1UE
3 (3) 象a&[∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)] A
3 (4) 象a 3&E
3 (5) [∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)] 3&E
6 (6) ∃y(鼻ya&長y) A
36 (7) ∃z(~鼻za& 長z) 56MPP
8(8) ~鼻ba& 長b A
8(9) ~~(~鼻ba& 長b) 8DN
8(ア) ~(~~鼻ba∨~長b) 9ド・モルガンの法則
8(イ) ~(~鼻ba→~長b) ア含意の定義
8(ウ) ∃z~(~鼻za→~長z) イEI
36 (エ) ∃z~(~鼻za→~長z) 78ウEE
36 (オ) ~∀z(~鼻za→~長z) エ含意の定義
13 (カ) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 24MPP
13 (キ) ∀z(~鼻za→~長z) カ&E
136 (ク) ~∀z(~鼻za→~長z)&∀z(~鼻za→~長z) オキ&I
13 (ケ) ~∃y(鼻ya&長y) 6クRAA
13 (コ) ∃y(鼻ya&長y) カ&E
13 (サ) ~∃y(鼻ya&長y)&∃y(鼻ya&長y) ケコ&I
1 (シ) ~{象a&[∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)]} 3サRAA
1 (ス)∀x~{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]} シUI
1 (セ)~∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]} ス量化子の関係
(ⅱ)
1 (1)~∃x{象x&[ ∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]} A
1 (2)∀x~{象x&[ ∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]} 1量化子の関係
1 (3) ~{象a&[ ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)]} 2UE
1 (4) ~{象a&[~∃y(鼻ya&長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)]} 3含意の定義
1 (5) ~象a∨~[~∃y(鼻ya&長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)] 4ド・モルガンの法則
1 (6) 象a→~[~∃y(鼻ya&長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)] 5含意の定義
7 (7) 象a A
17 (8) ~[~∃y(鼻ya&長y)∨ ∃z(~鼻za& 長z)] 67MPP
17 (9) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za& 長z) 8ド・モルガンの法則
17 (ア) ~∃z(~鼻za& 長z) 9&E
17 (イ) ∀z~(~鼻za& 長z) ア量化子の関係
17 (ウ) ~(~鼻ba& 長b) イUE
17 (エ) ~~鼻ba∨~長b ウ、ド・モルガンの法則
17 (オ) ~鼻ba→~長b エ含意の定義
17 (カ) ∀z(~鼻za→~長z) オUI
17 (キ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
17 (ク) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) オキ&I
1 (ケ) 象a→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} 7クCP
1 (コ) ∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]} ケUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
② ~∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
② あるxが象であって、あるyがxの鼻であって長いならば、あるzがxの鼻でなくて、長い。といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
② あるxが象であって、あるyがxの鼻であって長いならば、あるzがxの鼻でなくて、長い。といふことはない。
といふことは、
③ 象(x)は、鼻(y)は長く、鼻以外(z)は長くない。
といふことである。
然るに、
(04)
③「私はあなた以外は好きではない。」と言ふのであれば、
③「私はあなたが好きです。」と、言ふのであって、
④「私はあなたは好きです。」とは言はない。
(05)
③「日本は東京以外は首都ではない。」と言ふのであれば、
③「日本は東京が首都です。」と、言ふのであって、
④「日本は東京は首都です。」とは言はない。
従って、
(04)(05)により、
(06)
③「象は鼻以外は長くない。」と言ふのであれば、
③「象は鼻が長い。」と、言ふのであって、
④「象は鼻は長い。」とは言はない。
従って、
(02)(03)(06)により、
(07)
① ∀x{象x→[∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)]}
② ~∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}
③ 象は鼻が長い(象は鼻は長く、鼻以外は長くない)。
に於いて、
①=②=③ である。