(01)
(ⅰ)
1 (1)サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。 A
1 (〃)∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)} A
1 (2) サンマa→(目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 1UE
3 (3) 目黒a&サンマa A
3 (4) サンマa 3&E
13 (5) (目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 24MPP
13 (6) 目黒a→美味a 5&E
3 (7) 目黒a 3&E
13 (8) 美味a 7MPP
1 (9) 目黒a&サンマa→ 美味a 38CP
ア(ア) ~目黒a&サンマa A
ア(イ) サンマa ア&E
1 ア(ウ) (目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 2イMPP
1 ア(エ) ~目黒a→~美味a ウ&E
ア(オ) ~目黒a ア&E
1 ア(カ) ~美味a エオMPP
1 (キ) ~目黒a&サンマa→~美味a アカCP
1 (ク) 目黒a&サンマa→美味a&~目黒a&サンマa→~美味a 9キ&I
1 (ケ)∀x{目黒x&サンマx→美味x&~目黒x&サンマx→~美味x} クUI
1 (〃)目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。 クUI
(ⅱ)
1 (1)目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。 A
1 (〃)∀x{目黒x&サンマx→美味x&~目黒x&サンマx→~美味x} A
1 (2) 目黒a&サンマa→美味a&~目黒a&サンマa→~美味a 1UE
3 (3)サンマa A
1 (4) 目黒a&サンマa→美味a 2&E
5 (5) 目黒a A
35 (6) 目黒a&サンマa 35&I
135 (7) 美味a 46MPP
13 (8) 目黒a→美味a 57CP
1 (9) ~目黒a&サンマa→~美味a 2&E
ア(ア) ~目黒a A
3 ア(イ) ~目黒a&サンマa 3ア&I
13 ア(ウ) ~美味a 9イMPP
13 (エ) ~目黒a→~美味a アウCP
13 (カ) (目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 8エ&I
1 (キ) サンマa→(目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a) 3カCP
1 (ク)∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)} キUI
1 (〃)サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。 キUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)}
② ∀x{目黒x&サンマx→美味x&~目黒x&サンマx→~美味x}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xがサンマならば、xが目黒ならば美味く、xが目黒でないならば美味くない。
② すべてのxについて、xが目黒であってサンマならばxは美味く、xが目黒でなくてサンマであるならばxは美味くない。
に於いて、すなはち、
① サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。
② 目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
① サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。
② 目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。
といふことは、
③ サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない。
といふことである。
然るに、
(04)
① サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。
② 目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。
③ サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない。
と言ふ場合は、
④ サンマは、目黒が美味い。
と言ふのであって、
⑤ サンマは、目黒は美味い。
とは、言はない。
従って、
(04)により、
(05)
「番号」を付け直すと、
① サンマは、目黒は美味い=サンマは、目黒は美味い。
② サンマは、目黒が美味い=サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない。
といふことになる。
従って、
(02)(05)により、
(06)
「右辺」を「記号」で書くと、
① サンマは、目黒は美味い=∀x{サンマx→(目黒x→美味x)}。
② サンマは、目黒が美味い=∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)}。
といふことになる。
然るに、
(07)
三上章先生の説によると、
「Aは」は「主題は」であって、
「Aが」は「主格が」である.
従って、
(08)
三上章先生の説に従ふならば、
① サンマは、目黒は美味い。
② サンマは、目黒が美味い。
といふ「日本語」には、それぞれ、
①「サンマ」といふ「主題1」と、「目黒」といふ「主題2」があり、
②「サンマ」といふ「主題1」と、「目黒」といふ「主格1」がある。
然るに、
(09)
おそらくは、三上先生は、
① サンマは、目黒は美味い=∀x{サンマx→(目黒x→美味x)}。
② サンマは、目黒が美味い=∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)}。
といふ「等式」に、気付いてはゐない。
(10)
③ サンマは魚である。⇔
③ ∀x(サンマx→魚x)⇔
③ すべてのxについて、xがサンマであるならば、xは魚である。
といふ「命題」は、「真(本当)」である。
(11)
{サンマ、象、自転車、PC}を{対象}とするならば、
④ サンマが魚である。⇔
④ ∀x(サンマx→魚x&~サンマx→~魚x)⇔
④ すべてのxについて、xがサンマであるならば、xは魚であり、xがサンマでないならば、xは魚ではない。
といふ「命題」も、「真(本当)」である。
然るに、
(12)
三上章先生の本(「象は鼻が長い」等)を読んでも、
③ AはBである。⇔ ∀x(Ax→Bx)。
④ AがBである。⇔ ∀x(Ax→Bx&~Ax→~Bx)。
といふ点に言及してゐる箇所を、見付けることは、出来ない。