日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(391) 「サンマは目黒が(は)美味い」の「述語論理」(Ⅱ)。

2019-11-12 10:55:06 | 象は鼻が長い、述語論理。

(01)
(ⅰ)
1  (1)サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。    A
1  (〃)∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)}  A
1  (2)   サンマa→(目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a)   1UE
 3 (3)   目黒a&サンマa                     A
 3 (4)   サンマa                         3&E
13 (5)        (目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a)   24MPP
13 (6)         目黒a→美味a                5&E
 3 (7)         目黒a                    3&E
13 (8)             美味a                7MPP
1  (9)   目黒a&サンマa→ 美味a                38CP
  ア(ア)  ~目黒a&サンマa                     A 
  ア(イ)   サンマa                         ア&E
1 ア(ウ)        (目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a)   2イMPP
1 ア(エ)                   ~目黒a→~美味a    ウ&E
  ア(オ)                   ~目黒a         ア&E
1 ア(カ)                        ~美味a    エオMPP
1  (キ)  ~目黒a&サンマa→~美味a                アカCP
1  (ク)   目黒a&サンマa→美味a&~目黒a&サンマa→~美味a  9キ&I
1  (ケ)∀x{目黒x&サンマx→美味x&~目黒x&サンマx→~美味x} クUI
1  (〃)目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。    クUI
(ⅱ)
1   (1)目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。    A
1   (〃)∀x{目黒x&サンマx→美味x&~目黒x&サンマx→~美味x} A
1   (2)   目黒a&サンマa→美味a&~目黒a&サンマa→~美味a  1UE
 3  (3)サンマa                            A
1   (4)   目黒a&サンマa→美味a                 2&E
  5 (5)   目黒a                          A
 35 (6)   目黒a&サンマa                     35&I
135 (7)            美味a                 46MPP
13  (8)   目黒a→美味a                      57CP
1   (9)                ~目黒a&サンマa→~美味a  2&E
   ア(ア)                ~目黒a            A
 3 ア(イ)                ~目黒a&サンマa       3ア&I
13 ア(ウ)                          ~美味a  9イMPP
13  (エ)                ~目黒a→~美味a       アウCP
13  (カ)        (目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a)   8エ&I
1   (キ)   サンマa→(目黒a→美味a)&(~目黒a→~美味a)   3カCP
1   (ク)∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)}  キUI
1   (〃)サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。    キUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)}
② ∀x{目黒x&サンマx→美味x&~目黒x&サンマx→~美味x}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xがサンマならば、xが目黒ならば美味く、xが目黒でないならば美味くない。
② すべてのxについて、xが目黒であってサンマならばxは美味く、xが目黒でなくてサンマであるならばxは美味くない。
に於いて、すなはち、
① サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。
② 目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
① サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。
② 目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。
といふことは、       
③ サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない
といふことである。
然るに、
(04)
① サンマは、目黒ならば美味く、目黒でないならば美味くない。
② 目黒のサンマならば美味く、目黒でないサンマは美味くない。
③ サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない
と言ふ場合は、
④ サンマは、目黒美味い。
と言ふのであって、
⑤ サンマは、目黒は美味い。
とは、言はない。
従って、
(04)により、
(05)
「番号」を付け直すと、
① サンマは、目黒は美味い=サンマは、目黒は美味い。
② サンマは、目黒美味い=サンマは、目黒は美味く、目黒以外は美味くない
といふことになる。
従って、
(02)(05)により、
(06)
「右辺」を「記号」で書くと、
① サンマは、目黒は美味い=∀x{サンマx→(目黒x→美味x)}。
② サンマは、目黒美味い=∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)}。
といふことになる。
然るに、
(07)
 三上章先生の説によると、
「Aは」は「主題は」であって、
「A」は「主格」である.
従って、
(08)
 三上章先生の説に従ふならば、
① サンマは、目黒は美味い。
② サンマは、目黒美味い。
といふ「日本語」には、それぞれ、
①「サンマ」といふ「主題1」と、「目黒」といふ「主題2」があり、
②「サンマ」といふ「主題1」と、「目黒」といふ「主格1」がある。
然るに、
(09)
おそらくは、三上先生は、
① サンマは、目黒は美味い=∀x{サンマx→(目黒x→美味x)}。
② サンマは、目黒美味い=∀x{サンマx→(目黒x→美味x)&(~目黒x→~美味x)}。
といふ「等式」に、気付いてはゐない。
(10)
③ サンマは魚である。⇔
③ ∀x(サンマx→魚x)⇔
③ すべてのxについて、xがサンマであるならば、xは魚である。
といふ「命題」は、「真(本当)」である。
(11)
{サンマ、象、自転車、PC}を{対象}とするならば、
④ サンマ魚である。⇔
④ ∀x(サンマx→魚x&~サンマx→~魚x)⇔
④ すべてのxについて、xがサンマであるならば、xは魚であり、xがサンマでないならば、xは魚ではない。
といふ「命題」も、「真(本当)」である。
然るに、
(12)
三上章先生の本(「象は鼻が長い」等)を読んでも、
③ AはBである。⇔ ∀x(Ax→Bx)。
④ ABである。⇔ ∀x(Ax→Bx&~Ax→~Bx)。
といふ点に言及してゐる箇所を、見付けることは、出来ない。