姫路大手前・岡崎外科 消化器肛門クリニック ブログ・肛門科通信

姫路城が好きで姫路在住の消化器・肛門科医によるクリニックのブログです。胃腸肛門の情報あり、気軽にお越し下さい。

質問いただきました 妊娠中の裂肛について 姫路の肛門科岡崎外科のブログです

2014-10-15 19:21:06 | 妊娠・出産と痔
質問いただきました。妊娠後期のかたで、「切れ痔」で困っておられます。月に2回くらい便の「出始めが硬い」時に切れるとのこと。肛門科では「狭窄になっていない」と軟膏を処方されたとのこと。婦人科でも軟膏を処方されています。肛門科にいくべきか、婦人科でこのままかと悩んでおられます。

確かに妊娠中の手術は避けるべきでしょう。妊娠中でも、嵌頓や、出血、膿瘍などの場合は緊急手術になることがありますが、裂肛で緊急手術は考えにくいです。主体は軟膏治療になるかと思います。軟膏はボラザなどの妊娠中でも安心な痛み止めである局所麻酔の成分、つまりリドカインの入ったものが有効でしょう。もう一つ、排便コントロールは大切です。ほんの少々便を柔らかくするだけでも楽になることがあります。下剤ではなく、マグネシウム製剤などの、便を柔らかくするもので調整するのも有効な治療です。ご参考になれば。

お知らせです。当院初診の方はかならずお薬手帳と最近の検診結果をご持参くださいね。状況により当日の処置も可能な場合があります。お薬手帳を薬局ごとにお持ちになっていると、医薬分業の利点は全くありません。1冊にまとめましょう。当院では微妙な使い分けの軟膏などが多いため、院内処方としています。ですから他院からの処方を全て把握しています。必ずお薬手帳をお持ちください。そのかわり、院外処方の場合と比べて、自己負担分は少ないと思います。


医療情報をご希望の方へ。携帯でアクセスの方は「アーカイブ」、PCの方は左の「カテゴリー」から項目を選んで読むことができます。アーカイブ、カテゴリーはいっぱいあるので、下の方まで見てくださいね。携帯向けHPはこちらです。パソコン向けHPはこちらです
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質問いただきました。肛門皮垂およびALTA後の出血

2010-10-18 18:25:34 | 妊娠・出産と痔
質問いただきました。
出産時に「すごい辛い目にあい」、その後いつの間にか傷は治り、痛みもなくなっていたとのことです。が、鏡でみてびっくりされ、ネットで調べると「肛門皮垂」のようだとのこと。見た目がひどく、気になるとのこと。手術は怖いですが、手術で出産前のような肛門に戻りますか?とのことです。

まずは診察が必要です。症状のない、病的な意味のない「皮垂」なのか、内痔核と連続した病変なのか、など診断しましょう。皮垂の場合も切除可能です。できるかぎり形成外科的に切除できますが、肛門は術後に安静に出来る場所ではありません。できるかぎり出産前の状態に戻すのが目標ですが、赤ちゃんのお尻にもどせるかというとそこは「?」です。詳しく診断後、説明いたします。皮垂の部分は感覚が敏感ですから、持続麻酔なども考慮すべきでしょうね。(赤ちゃんのおしりにできます!という肛門外科医はさすがにいないと思いますよ)

次の質問:ALTA治療後1ヶ月ほどでの出血。再発を心配しておられます。

ジオン注治療後1ヶ月ころに出血する例があります。通常術後1ヶ月目は受診されると思いますが、主治医の診察をお受けください。ジオンのパンフレットにも1~3ヶ月目に出血することのあることが説明されています。潰瘍が出来ていないか、再発ではないか、排便コントロールは十分か、いろいろなことが考えられます。再発と決めつけずに是非受診されてくださいね。
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ヨーロッパからご質問:姫路肛門科岡崎外科ブログ

2010-05-20 20:19:21 | 妊娠・出産と痔
質問いただきました。ヨーロッパ在住の妊娠初期の方からです。9週目で痔になり、以前「いぼ痔」の診断で処方されたプロクトセディル坐剤を使用していいかどうか、とのご質問です。

添付文書を調べたところ妊娠中禁忌にはなっておりませんので、使用可です。しかし処方薬は医師の診断のもとに使うのが原則ですので、その点ご注意いただきます。妊娠中の薬については、私は患者さんに「おくすり110番」というHPをよく紹介しています。薬の添付文書は「ハイパー薬辞典」で見ることができますし、「妊娠とくすり」についても妥当に記載されています。ご覧になってください。

ところで、まだ診断はついていませんね。「いぼ痔」と言っても、血栓性外痔核もあれば、脱出する内痔核もあります。肛門ポリープが脱出しているのかもしれませんね。いずれにも多少は効果があるかと思われます。くわしい症状についてさらにコメントしたいただければ、もう少し診断に近づけるかと思います。海外では本当に大変です。私はアメリカに在住歴がありますが、だいたいドラッグストアの「浣腸」からして日本と同じ成分がないのです、アドバイスしかできませんが、参考になれば幸いです。
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キシロカインゼリーについての質問

2009-09-01 17:39:47 | 妊娠・出産と痔
キシロカインゼリーについての質問を頂きました。
妊娠8週で、排便時に出血があり、自宅にあったキシロカインゼリーをお使いになり、その後胎児への影響について心配されています。

お答えいたします。まず心配ないと思います。ただ詳しい状況が不明ですので、一般論としてご理解ください。下記をしっかりお読みください。
ところで、キシロカインゼリーが手元にあるのはなぜでしょう?キシロカインゼリーは表面麻酔用の局所麻酔薬です。おそらく痛みに対して使ってよい、と処方されたのでしょうか。排便時に肛門上皮が切れてしまい、その痛いところに少しつけただけであれば、まず影響はないと思われます。妊婦さんでもけがをすることはあり、その際は局所麻酔の注射としてキシロカインを使うことはあります。局所麻酔剤中毒がおこるほどの使用量でなければ、まず問題なく使うことができます。ただ、傷の部分や、肛門管の奥の直腸の部分からは吸収がよいので、注意が必要です。わたくしは、たとえ切れる「裂肛」の場合でも、局所へキシロカインゼリーをつけることは指示しませんし、「治す」という意味からは無意味だと思っています。妊娠中は、やはり手元にあるからと使用されず、処方医や産婦人科主治医とご相談ください。また、出血については、チェックも必要です。一度肛門科・肛門外科専門医にご相談くださいね。
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2回目の妊娠は大丈夫?

2009-07-27 00:00:02 | 妊娠・出産と痔
「これまでのブログで、妊娠中に痔が悪くなる理由は分かりましたが、2回目の妊娠出産でまた悪くなるでしょうか」という質問をいただきました。
結論から言いますと、Yesです。もちろん妊娠中の体重管理などを前回より厳密にできれば症状が軽く済ませることができます。薬を使うことで一時的に良くする(いぼ痔の程度:参照)ことができますが、永続性はありません。授乳が済んだ時点でALTA療法などでいぼ痔を治しておくことをお奨めします。出産後、自然に治ったなあ、と思った時が実は肛門科受診のタイミングなのです。困っておられる方は、もちろん妊娠中から相談にのります!妊娠出産と痔を参照ください。
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出産後のよくある質問

2009-07-12 09:34:45 | 妊娠・出産と痔
出産後のおしりの疑問で、よくあるのは、「妊娠中は、排便のときに何か出てくるようでした。産後は出なくなりましたが、おしりの縁(ふち)に何か出たままになりました」というものです。(何人かのご意見、質問をミックスしました)

まず、妊娠中にそれまで小さくて症状のなかった内痔核が、妊娠によって一時的に悪くなったものと考えられます。1度の内痔核が2~3度になって脱出することが多いです。内痔核(いぼ痔)の程度についてを参考にしてください。
産後は、妊娠中に内痔核が腫れることで外痔核まで腫れがすすみ、「内外痔核」になったか、妊娠中に気がつかないうちに血栓性外痔核を起こして、それが「ひだ」になって残っているものと思われます。

以上一番よくあるパターンの説明でした。これらは、一度の診察で、診断がつきます。気になる「ひだ」も相談できますよ。
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妊娠中に痔が悪くなる理由(2)

2009-07-06 00:12:57 | 妊娠・出産と痔
妊娠中はホルモンの変化の影響で、便秘になりやすい状態です。また「つわり」の時には、食べる量が減り、便の量も減るのでさらに便秘になりやすいのです。おしりがうっ血しやすい状態に加えて便秘があると、妊娠前にあったけれど気がつかなかった内痔核が、症状を出し始めます。うっ血状態で「いきむ」(りきむ、とも)と生じやすい「血栓性外痔核」は、ある日突然発症します。内痔核(いぼ痔)、外痔核、裂肛(切れ痔)・・・およそ痔瘻以外の「痔」は妊娠中に起こりやすくなっているといえます。
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妊娠とくすり

2009-07-05 02:17:22 | 妊娠・出産と痔
妊娠中は薬について敏感になりますね。当然だと思います。しかも最近はPL法(製造者の責任についての法律)の影響で、製薬会社が自己防衛に走るあまり、妊婦に使える薬が少なくて困ります。そういうときに、冷静な判断の助けになるのが、おくすり110番というサイトの妊娠とくすりです。冷静に良く書けていますので、このサイトを読んでもらうことが多いです。どうぞ参照してみてください。妊娠・出産の持つリスクを自覚した上で、つらさを解消するための薬は、遠慮なく使いましょう。でもリスクとのつきあい方は人それぞれ。ここでも自分自身の判断が必要なのです。その手助けは遠慮なくいたします。
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産後と痔

2009-07-04 05:59:53 | 妊娠・出産と痔
当院に初めて受診される方の、一番多い年齢層・性別はお分かりですか?

正解は30歳代の女性です。この年代の女性は、私が本当に救いたいと思っている人たちなのです。事前の告知や、HP、ブログの効果によって、本当にこの人たちに良く来ていただいています。さ、貴方も勇気を出して来てみませんか。

出産を経験されていても、いなくてもとても元気な力のある年代です。今まさに時代は貴方たちのためにあるなんて、そんな感じ。受診されるときはドキドキでも、帰りはきっと笑顔なのもこの方たちです。妊娠出産の時に悪かったけど、今はちょっと楽になっている、とか、以前は便秘で良く「切れていた」けど、今は結構いい感じ、という方!本格的に安心してみませんか?
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妊娠中に痔が悪くなる理由

2009-07-03 07:13:57 | 妊娠・出産と痔
妊娠中は、体の中を流れている血液の量(循環血液量といいます)が増えるので、体がむくみやすい(浮腫が起こりやすい)状態です。痔も同じこと。痔もむくんで、腫れやすい状態になります。さらに大きくなった子宮が圧迫するので、お尻の周辺はうっ血しやすい状態になります。それで妊娠中はおしりのトラブルに見舞われやすいものなのです。
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