姫路大手前・岡崎外科 消化器肛門クリニック ブログ・肛門科通信

姫路城が好きで姫路在住の消化器・肛門科医によるクリニックのブログです。胃腸肛門の情報あり、気軽にお越し下さい。

切れ痔(裂肛)の治療について模型で説明 岡崎外科姫路肛門科のブログ

2013-07-10 13:54:53 | 裂肛(切れ痔)
 裂肛治療の模型です。画面右側が、潰瘍切除・肛門ポリープ切除・皮垂(見張りいぼ・外痔核)切除による「裂肛根治術」後の状態です。深い傷の部分と奥の肛門ポリープ、外の皮垂を一緒に一つの傷として切除しているのがお分かりでしょうか。一つの傷として一期に切除しますので、術後の傷が切れ痔の傷よりも大きいものになっているのがお分かりでしょう。深い傷の部分は、硬化したり、治りにくくなっている不良な組織を取り除きますから、つるつるの治りやすい傷にはなっていますが、ある意味「大きな切れ痔を作る手術」でもあるのです。この傷がうまく治らなければ、切れ痔を繰り返すこともあります。ですから、必ず排便コントロールや、不適切な排便習慣を改善してからでないと「痛いだけ」の手術になる恐れがあります。ですから、当院ではしっかりそこを調整してから手術をするようにしています。
 画面左側はこの「裂肛根治術」を古典的手法で行っているものです。振分結紮術(ふりわけけっさつじゅつ)と言われている方法で、肛門ポリープ・裂肛潰瘍部分・皮垂までを2本の糸で結紮し、一期に切るのではなく、腐らせて脱落させる方法です。振分結紮術中に糸を縛りつつあるところを模型化しています。黒い線に見えているのが糸で、真ん中の裂肛の下を既に通してあります。この方法は通常の麻酔だけでは痛みが強くてできませんので、色々な工夫が同時に必要になります。一期的に切らないので、腐って脱落したあとの傷が大変柔らかく、また術直後の大出血のリスクも軽減できますので、大変よい方法です。状況に応じて使い分けておりますので、ご相談くださいね。


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