おせっちゃんの今日2

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父と母の花合戦

2022-09-09 14:07:03 | わが家の話

まっしぐらとは行きませんが季節は秋に進んでいます。夕暮れが随分早くなりました。今年は蝉の合唱が物足りませんでしたが、それでもつくづく法師の声が夏休みの宿題やったかとせかせるように鳴きますし,夜はそれに代わって虫の声が耳に心地よく響くようになってきていました。
超強力台風と言われていた11号、幸いふるさと山口にはほとんど悪影響なく通り過ぎたようです。

東京にも雨が恵まれました。娘のMaとは違って、花の世話の下手な私ですが、、雨の恵みで「玉すだれ」が一斉に蕾を伸ばし、開きました。父がこの花を好んでいました。

実家は60メートルほどの山の中腹にあって、瀬戸内海を見下ろせました。食糧難の時代、山を兄たちが開墾したりしましたので、ミカン畑、野菜畑、など地所はかなり広かったのです。花畑もありました。

その花畑の周りぐるりを父はこの玉すだれで囲っていました。母は戦後の苦しい生活の中で、どう工面したのかと思うのですが、ボタンの苗木を求めてきて、花畑のいい位置に植え付けていました。可愛がって育てたからでしょうか、年々大きくなって、見事なピンクの花をつけるご自慢の花でした。

ここまでお読みになった方、いい夫婦だとお思いでしょう。ところが父母は凸凹夫婦でした。体格的にも、趣味でも、全く合致しないのでした。
父は花バサミをもって見回るのです。父の玉すだれに、母のボタンが枝を伸ばすのです。母はその伸びる枝につく蕾を今か今かと待っているのです。父は「こりゃあ邪魔、俺の玉すだれが陰になる」とか何とか云いながら、遠慮会釈もなく、パチンパチンと切ってしまうのです。「まあ、折角のボタンを切ってしまって。野草に近い玉すだれは、少々陰になっても枯れはせん、折角のボタンを切ってしまって。野草に近い玉すだれは、少々陰になっても枯れはせん」。とうとう母が爆発してしまったことがありました。
どちらも結構我儘な、我を通す人でした。私とらい太、夫婦げんかにすくみ上って、半泣きになって固まっていたのでした。

さて、今あの世で二人、出会っているでしょうか。どんな顔をしてこのブログを読んでくれているでしょうか。