こうして離れ離れになって、毎日携帯で連絡しあっていると、忘れかけていた思いやりや愛情が蘇ってきます。40年も昔の気持ちを思い起こさせてくれるようで、これもお互い病気になったことの賜物でしょうか。
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「お母さんへ」
朝から雨が降って、肌寒いよ。暖房がいるね。
いつも外出は少ないけど、今日は多分一歩も出ないだろうね。マイントピアへ行くくらいかな。
ラヴには悪いが散歩も休むよ。
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主な予定だけ書き込める、あの小さな手帳しかもっていなかったんだけどね、左側の
きのう本屋で見つけた4月始まりのちょっと大きめの手帳を買ったよ。
お母さんの治療記録や先生の説明など書き込める記入欄の多いのをね。
1時間もかけて、3月からのこと、前の手帳から転記したよ。
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テラスの桜の緑をバックに写メール送るね。
どうも自分の写真はみっともなくて見られないよ、
携帯は近接だから顔が膨らんで写るんだよ。
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「パパへ」
写メールありがとう。桜の新緑がきれいね。
パパはカッコイイよ、65才にはみえない素敵だよ。
世界一素晴らしいよ。だからどうか元気でいてね。
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病気になつて人の優しいさや温かさを改めて感じます。
だから自分も落ち込んでいてはだめよね。
毎日、小さなことでもいいから、楽しいこと、嬉しいこと、感動することを見つけ、
そして感謝していれば、この狭い病室、ベットの上の生活も楽しいよ。
大丈夫、へこんでないよ。
そうだね、マイントピアへ行くときも鍵を渡す時黙ったままではだめだよ、 受付の人に、「おはよう、こんにちは」「こんばんは」。帰る時は「ありがとう」と言ってますか?それだけで口も動かせ、言葉も話せる。それがきっかけでコミュニケーションがとれるよ。
ありがとうね、大好きなパパ。今日もいい日でありますように