じいじのひとりごと

高齢者の悲哀と愚痴を綴っています
唯一の相棒、mシュナウザーのベルが残り人生を伴走してくれます

カーバイドの匂い

2011年10月04日 | 日々のこと

今はどこもコンクリートでがっちりとかためられた農業用水路ですが、

私が子供の頃は、恐らくは江戸時代から導かれたような一見のどかな小川でした。

それは農業用のみならず飲み水、炊事・洗濯、風呂と、欠かせない命の水でしたね。

崖っぷちを掘り延々と等高線沿いに集落のある下流まで導かれ、所々にトンネルや放水口や堰が造られていました。

先人の汗と知恵の賜物、年中涸れることがありませんでしたね。

  

堰のことを「どんどろ」と呼んでいましたが、その下は小さな滝壺のような深みが出来ていて、魚や川蟹の絶好の棲家でしたね。

川沿いは自然土や石垣積みで、固めるには最小限の石灰土を使っていたように思います。

石垣積みの穴にはドンコやナマズやウナギも居ましたよ。

  

すぐ上の兄(今も家を継いでいる)は、子供の頃からウナギ取りの名人でしたね。

竹筒やウナギ針にドジョウを餌にして一晩置いて早朝行ってはよく捕ってきていました。

  

田植え前の時期に水を止めて「川ざらえ」という、農家総出の賦役がありました。

また川の補修などで、年に2,3回 上流で水を堰き止め(別水路へ放流し)、水路の手入れをしていましたね。

  

流れを止めても完全に干上がるわけではなくて、チョロチョロと流れているし、

堰の下や窪みに水は少しずつ残っています。

偉いもので魚や蟹はちゃんとそういう場所に避難しているのです。

  

子供達はこの日が楽しみでしてね、

日が暮れるのを待って中学生くらいの男子をリーダーにして川狩りに出かけます。

懐中電灯なんて無い時代でした。

カーバイドランプといって、アセチレンガスに火を灯して川伝いに遡上していくと、昼間は隠れていたナマズやモズク蟹がうようよと一杯いて、面白いほど捕れていました。

ウナギなど見つけると歓声を上げて・・・・

  

また稲が稔る今頃の季節でしたが、竹筒のカーバイド砲でスズメ追いも懐かしい。

カーバイドの匂いとともに、忘れられない楽しい年中行事でしたね。

最近のことはすぐに忘れるが、子供の頃のことは鮮明に思い出されます、歳ですね。

  

  

川向こうからの風景

昨日干上がって大量の魚が死んだ後、今日はこの流れです。

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コメント (2)
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