久しぶりのテント泊 テント場に下山途中 振り返るとまだ残る針葉樹の紅葉と硫黄岳
「予測不可能な未来社会」について、世界経済フォーラムは、その一旦を「未来の仕事2020」の中で次のようにレポートしているようだ。(参照にしたのはこのサイトです。)
・労働の自動化は予想よりも急速に進みつつあり、5年後までに8,500万人が仕事を失うと予測されています。
・ロボット革命により、9,700万人分の新たな仕事が創出される一方、ディスラプション(創造的破壊)により最もリスクに晒されるコミュニティに対する企業や各国政府の支援が必要です。
・2025年には、分析思考力や創造性、柔軟性といったスキルの需要が大きく高まり、データやAI(人工知能)、コンテンツ創造、クラウドコンピューティングといった職種の求人が増加するとみられています。
・将来最も競争力の高い企業として生き残るための条件は、現在の従業員のリスキリング(再訓練)やスキル向上への投資となっていくでしょう。
仕事の内容が変化し、失業と新たな仕事への適応がもとめられること、その中で当然取り残される形になる企業やコミュニティーは政府なりの支援が必要であること、そして、新しい産業構造に直結した学び直しを働きながらすること(リスキリング)が重要だと言っている。
このことについて、佐藤さんはもっと踏み込んで、この会議での内容を読み解いている。
激変する社会で失業しないためには、すべての労働者が2022年までの2年間に「101日分の学習を」を行う必要があるというのです。わずか2年間で「101日分の学習」行うことが、すべての労働者に可能でしょうか。その可否はともあれ、第四次産業革命は、労働と同等に学習を遂行する「学び続ける労働者」を必要とします。第四次産業革命は、今後少なくとも15年は進行します。「未来の仕事2020」で提示された労働の変化と学習の必要がいっそう強まるとすれば、将来の労働者は学習を仕事の中心とする働き方へと変化することが想定されます。
この対応として、佐藤さんは、今日の大学教育のあり方はリスキリングの場として懸念しているのだが、ここには第四次産業革命と呼ばれる社会の大きな変化の中で、絶えず繰り返される技術革新とそれを追いかけ適合せざるをえない労働者(当然、学生)の姿が浮かぶ。
また、技術に追いつくための学習がスキリングという見新しい概念で言い換えられてしまうことに違和感もある。
似た感情を持ちながら佐藤は、描きにくい子ども達の未来を次のように著す。
第四次産業革命によって、現在12歳の子どもが大人になって就職する仕事の65%は今存在していない仕事になると言われています。今まだ存在してない仕事ですから、それがどのような仕事になるのかほとんど分かっていません。しかし、それらの大半がAIやロボットでは代替できない仕事であることだけは確かです。12歳の子どもが大学を卒業する10年後の状況を具体的に考えていましょう。スーパーや小売店の店員はほとんどいなくなっているでしょう。タクシーやバスやトラックの運転手も15年先には98%が職を失うと予想されています。すでにメガバンクの人員削減は開始されていますが、銀行員もほとんどいなくなるでしょう。銀行の支店は残るでしょうしょうが、新しい支店はすでに支店長1人になっています。
空港もすでに様変わりしています。人とバッゲージのチェックインはすでに無人化しています。飲食店も今後AIとロボットで営業されるようになるでしょう。医療も変化ています。腕時計が一人ひとりの健康をチェックし、そのデータによって薬は自動的に支給されることになります。弁護士の仕事もその多くがビックデータの処理による情報サービスで置き換わるでしょう。
農業も変化しています。ドイツでは牛を100頭以上飼育し、その飼料も自作し、飼料の茎や葉と牛糞で発電して、牛乳と牛肉と電力を出荷している中規模農家(日本では大規模農家)の仕事のすべてが2人以下で担われています。飼料の農作もその畑の耕作も、100頭を超える牛の飼育も健康管理も搾乳も、肉牛の精肉も牛乳と牛肉の出荷も、そして牛糞と飼料の茎や葉による発電と電力の出荷も、ほとんどがAIとロボットで行われています。
この新しい社会に対応するためには、どのような教育と学びが必要なのでしょうか。それが「学びのイノベーション」です。
こうした近未来の予兆の具体例をふまえて、先に述べた世界経済フォーラムでは、「未来の学校-第四次産業革命のための新しい教育モデルを定義する」を発表し小学校教育、中学校教育が重要だとした上で、8点の重要課題を提示し、後述する経産省の提案する「未来の教室」構想のビジョンにもなっているらしい。
① グローバル・シティズンシップのスキル(世界とその持続性への関心、グローバル共同体への積極的参加)
② イノベーションと創造性のスキル
③ テクノロジーのスキル
④ 対人関係のスキル(情動的関係、共感、協力と交渉、リーダーシップ)
⑤ 個人化された自分のペースの学習
⑥ アクセスによる包括的学習(校舎内に留まらない学習)
⑦ 問題解決中心の協同学習
⑧ 生涯にわたる主体的な学習
このレポートはこの8つの重点課題は相互に関連しあっており総合的に探求することが必要であると述べており、佐藤さんもこの8つの重点課題は妥当だとしている。
「今後少なくとも15年は進行」する社会の大きな変化と、この誰も異論はない8つのビジョンからどんな具体的政策が進行しつつあるか、次回は改めてこの視点でそれを見てみたい。
「予測不可能な未来社会」について、世界経済フォーラムは、その一旦を「未来の仕事2020」の中で次のようにレポートしているようだ。(参照にしたのはこのサイトです。)
・労働の自動化は予想よりも急速に進みつつあり、5年後までに8,500万人が仕事を失うと予測されています。
・ロボット革命により、9,700万人分の新たな仕事が創出される一方、ディスラプション(創造的破壊)により最もリスクに晒されるコミュニティに対する企業や各国政府の支援が必要です。
・2025年には、分析思考力や創造性、柔軟性といったスキルの需要が大きく高まり、データやAI(人工知能)、コンテンツ創造、クラウドコンピューティングといった職種の求人が増加するとみられています。
・将来最も競争力の高い企業として生き残るための条件は、現在の従業員のリスキリング(再訓練)やスキル向上への投資となっていくでしょう。
仕事の内容が変化し、失業と新たな仕事への適応がもとめられること、その中で当然取り残される形になる企業やコミュニティーは政府なりの支援が必要であること、そして、新しい産業構造に直結した学び直しを働きながらすること(リスキリング)が重要だと言っている。
このことについて、佐藤さんはもっと踏み込んで、この会議での内容を読み解いている。
激変する社会で失業しないためには、すべての労働者が2022年までの2年間に「101日分の学習を」を行う必要があるというのです。わずか2年間で「101日分の学習」行うことが、すべての労働者に可能でしょうか。その可否はともあれ、第四次産業革命は、労働と同等に学習を遂行する「学び続ける労働者」を必要とします。第四次産業革命は、今後少なくとも15年は進行します。「未来の仕事2020」で提示された労働の変化と学習の必要がいっそう強まるとすれば、将来の労働者は学習を仕事の中心とする働き方へと変化することが想定されます。
この対応として、佐藤さんは、今日の大学教育のあり方はリスキリングの場として懸念しているのだが、ここには第四次産業革命と呼ばれる社会の大きな変化の中で、絶えず繰り返される技術革新とそれを追いかけ適合せざるをえない労働者(当然、学生)の姿が浮かぶ。
また、技術に追いつくための学習がスキリングという見新しい概念で言い換えられてしまうことに違和感もある。
似た感情を持ちながら佐藤は、描きにくい子ども達の未来を次のように著す。
第四次産業革命によって、現在12歳の子どもが大人になって就職する仕事の65%は今存在していない仕事になると言われています。今まだ存在してない仕事ですから、それがどのような仕事になるのかほとんど分かっていません。しかし、それらの大半がAIやロボットでは代替できない仕事であることだけは確かです。12歳の子どもが大学を卒業する10年後の状況を具体的に考えていましょう。スーパーや小売店の店員はほとんどいなくなっているでしょう。タクシーやバスやトラックの運転手も15年先には98%が職を失うと予想されています。すでにメガバンクの人員削減は開始されていますが、銀行員もほとんどいなくなるでしょう。銀行の支店は残るでしょうしょうが、新しい支店はすでに支店長1人になっています。
空港もすでに様変わりしています。人とバッゲージのチェックインはすでに無人化しています。飲食店も今後AIとロボットで営業されるようになるでしょう。医療も変化ています。腕時計が一人ひとりの健康をチェックし、そのデータによって薬は自動的に支給されることになります。弁護士の仕事もその多くがビックデータの処理による情報サービスで置き換わるでしょう。
農業も変化しています。ドイツでは牛を100頭以上飼育し、その飼料も自作し、飼料の茎や葉と牛糞で発電して、牛乳と牛肉と電力を出荷している中規模農家(日本では大規模農家)の仕事のすべてが2人以下で担われています。飼料の農作もその畑の耕作も、100頭を超える牛の飼育も健康管理も搾乳も、肉牛の精肉も牛乳と牛肉の出荷も、そして牛糞と飼料の茎や葉による発電と電力の出荷も、ほとんどがAIとロボットで行われています。
この新しい社会に対応するためには、どのような教育と学びが必要なのでしょうか。それが「学びのイノベーション」です。
こうした近未来の予兆の具体例をふまえて、先に述べた世界経済フォーラムでは、「未来の学校-第四次産業革命のための新しい教育モデルを定義する」を発表し小学校教育、中学校教育が重要だとした上で、8点の重要課題を提示し、後述する経産省の提案する「未来の教室」構想のビジョンにもなっているらしい。
① グローバル・シティズンシップのスキル(世界とその持続性への関心、グローバル共同体への積極的参加)
② イノベーションと創造性のスキル
③ テクノロジーのスキル
④ 対人関係のスキル(情動的関係、共感、協力と交渉、リーダーシップ)
⑤ 個人化された自分のペースの学習
⑥ アクセスによる包括的学習(校舎内に留まらない学習)
⑦ 問題解決中心の協同学習
⑧ 生涯にわたる主体的な学習
このレポートはこの8つの重点課題は相互に関連しあっており総合的に探求することが必要であると述べており、佐藤さんもこの8つの重点課題は妥当だとしている。
「今後少なくとも15年は進行」する社会の大きな変化と、この誰も異論はない8つのビジョンからどんな具体的政策が進行しつつあるか、次回は改めてこの視点でそれを見てみたい。