久しぶりのテント泊 天狗岳と夏沢峠間 アイゼン不要、綺麗な雪道。
今回は「風」シリーズから離れます。
音楽の本から引用します。
趣味の話のようですが、これは学校などヒューマンサービスの現場に立つリーダーの在り方にも通じのではないかと思います。
音楽で、良い演奏というは実際にある。
あるが、その良いに定義はないし、それに向かう確固としたhow-toはないらしい。
先輩指揮者に習いにいくと「教えられるものじゃない」といわれるらしい。
私たちの仕事ヒューマンサービス業にも、もちろん、その場による良し悪しはある。
あるけど、どうしてそれが生じるのか、これも確固としたことは言えない。
数値みたいなころではもちろんない。
だから、現場のリーダーは“あの先輩とは性格も違うし…”、などと悩むのが普通であろう。
確固としていない成果のために何をどうするか、見えないhow-toを現場のリーダーが求めるのはむずかしい。
そこである。その掴みきれない感じをどうするか、”指揮者の現場”を聞いてみよう。
今回は「風」シリーズから離れます。
音楽の本から引用します。
趣味の話のようですが、これは学校などヒューマンサービスの現場に立つリーダーの在り方にも通じのではないかと思います。
音楽で、良い演奏というは実際にある。
あるが、その良いに定義はないし、それに向かう確固としたhow-toはないらしい。
先輩指揮者に習いにいくと「教えられるものじゃない」といわれるらしい。
私たちの仕事ヒューマンサービス業にも、もちろん、その場による良し悪しはある。
あるけど、どうしてそれが生じるのか、これも確固としたことは言えない。
数値みたいなころではもちろんない。
だから、現場のリーダーは“あの先輩とは性格も違うし…”、などと悩むのが普通であろう。
確固としていない成果のために何をどうするか、見えないhow-toを現場のリーダーが求めるのはむずかしい。
そこである。その掴みきれない感じをどうするか、”指揮者の現場”を聞いてみよう。
参考になれば、です。
35歳の指揮者のコメントである(インタビューの中で)
(大指揮者 朝比奈隆にレッスンを受けた時) 面白かったのは、とにかく「振りすぎだ、振りすぎだ」て言われたこと。「左手いらないからポケットに突っ込んでおけ」と言われて、右手だけで振ると、また「振りすぎ!」。そう言われて、暴れるような動作が少なくなってくると耳がどんどん開いてくるから、ピアノの演奏が聞こえてくるんです。それをおっしゃりたかったんじゃないかなと思うんです。オーケストラが聞こえてないと指揮はできないんだ、風景が見えないと運転出来ないのと同じことなんだと。
指揮者 下野竜也さんが、若手で様々なオーケストラと演奏を重ね始めたころのコメントである。「運転ありきではなく、まずは風景を見よ」と大先輩の話を捉えた。
そう、引用元は
近藤憲一「知ってるようで知らない指揮者おもしろ雑学辞典」ヤマハミュージックメディア 2006年発行 から。
下野さんのWikipediaは、ここ。
つづける。
自分の考えていた通り、勉強してきた通りにオーケストラが動いて、音が出るようにしなきゃいけない、そのたびに手を振る。すぐに動かないかもしれないけど、動いてくれる部分もある、と最初はそう思ってたんです。でも、違うんです。オーケストラは最初は僕が思った通りの音を出してくれているんです。
つまりオーケストラは「この若いやつはどうやるんだろう」て思って、まずはやってくれていた。だけど、僕がこうだと思って(指揮棒を)振っていることが、人にはそう見えていない。オケ(ストラ)は「お前がやった通り、やってるじゃないか」ということなんですよ。そこで、自分はこう振っているのに、オケはそう弾いてくれないっていうパニックに陥るんです。
折り合いについて
最初の練習が一発でうまくいけば、それはラッキーなわけ。最初からそう簡単には打ち解けられないじゃないですか。—中略—
オーケストラと自分の意見の相違って絶対出てきますね。スタンダードな曲であればあるほど、「わが社はこうする」と言う方針があるわけです。そこで「御社はそうなさるんでしょうけど、今回はこうやってくださいませんか?」と言うふうに協議していく。その時のやり方1つで、もう袂をわかっちゃえ、てことにはならなくて、じゃあ取り入れてみようかって言うふうにもなるんです。‐中略‐
ただし気をつけなきゃいけないのは、そこだけ変えて他が違うスタイルで混在してしまうと、変なものができてしまうので、基本的にはどちらのラインなのかっていうのちゃんと見極めてやります。
スタンスについて
音を出している人たち、演奏家が「ウオーッ!」てなるのはいいんと思うんですが、リヒャルトシユトラウスが言ったように、指揮者は「お前が汗かくな」て感じですね。そこのかねあいと言うのはまだわかんないです、正直言って。知と情のバランスを演奏会で作っていくのは非常に難しいですね。練習というのはわりと知の部分が多いと思いますけど、逆もあるかもしれない。すごく情熱的な練習をして、本番はクールにやって、すごい演奏になったりする人もいるでしょうし…。つまり、練習で炊きつけておいて、旅に出るときの船長さんみたいに、本番は冷静に見守っているみたいな感じのほうがいいんじゃないですかね、最終責任は俺が取るみたいなボスのほうが。オーケストラは自分たちより先に逃げちゃいそうな指揮者にはついて行きたくないでしょうからね。
スタンスについて(つづき)
新人指揮者にとって、最初のうちは、オーケストラの中でずっと何もしないで立っているというのが1番苦痛なんですね。オーケストラだけで勝手に演奏するから指揮台の上でずっと立ってなさいと言われたら、大体の人が耐えられないと思う。つまり、何かしていないと落ち着かない。でも、それに耐えられなきゃいけないと思うんですよ(笑)。いろんな音が鳴っている中で、ずっとじっと立ってられる。それで重心が下がって、体勢を整えられたら、これから何かできそうな気がしてくる。胸が上がっていっていてはダメですね。ほんと、自然体。丹田のところにちゃんと力を入れて、上半身はリラックスして、下半身はちゃんと落ち着いててっていう姿勢を作れば、気持ちも落ち着いて、何があっても大丈夫という気構えになりますが、それもできないうちは、ワーッてなっちゃうこともありましたね(笑)。
理想のオーケストラってありますか、の問いに
そういうことには全く興味がないです。
下野さんの指揮するコンサートに行くと、内声部が調和した充実感のある管弦楽が展開される。
35歳の指揮者のコメントである(インタビューの中で)
(大指揮者 朝比奈隆にレッスンを受けた時) 面白かったのは、とにかく「振りすぎだ、振りすぎだ」て言われたこと。「左手いらないからポケットに突っ込んでおけ」と言われて、右手だけで振ると、また「振りすぎ!」。そう言われて、暴れるような動作が少なくなってくると耳がどんどん開いてくるから、ピアノの演奏が聞こえてくるんです。それをおっしゃりたかったんじゃないかなと思うんです。オーケストラが聞こえてないと指揮はできないんだ、風景が見えないと運転出来ないのと同じことなんだと。
指揮者 下野竜也さんが、若手で様々なオーケストラと演奏を重ね始めたころのコメントである。「運転ありきではなく、まずは風景を見よ」と大先輩の話を捉えた。
そう、引用元は
近藤憲一「知ってるようで知らない指揮者おもしろ雑学辞典」ヤマハミュージックメディア 2006年発行 から。
下野さんのWikipediaは、ここ。
つづける。
自分の考えていた通り、勉強してきた通りにオーケストラが動いて、音が出るようにしなきゃいけない、そのたびに手を振る。すぐに動かないかもしれないけど、動いてくれる部分もある、と最初はそう思ってたんです。でも、違うんです。オーケストラは最初は僕が思った通りの音を出してくれているんです。
つまりオーケストラは「この若いやつはどうやるんだろう」て思って、まずはやってくれていた。だけど、僕がこうだと思って(指揮棒を)振っていることが、人にはそう見えていない。オケ(ストラ)は「お前がやった通り、やってるじゃないか」ということなんですよ。そこで、自分はこう振っているのに、オケはそう弾いてくれないっていうパニックに陥るんです。
折り合いについて
最初の練習が一発でうまくいけば、それはラッキーなわけ。最初からそう簡単には打ち解けられないじゃないですか。—中略—
オーケストラと自分の意見の相違って絶対出てきますね。スタンダードな曲であればあるほど、「わが社はこうする」と言う方針があるわけです。そこで「御社はそうなさるんでしょうけど、今回はこうやってくださいませんか?」と言うふうに協議していく。その時のやり方1つで、もう袂をわかっちゃえ、てことにはならなくて、じゃあ取り入れてみようかって言うふうにもなるんです。‐中略‐
ただし気をつけなきゃいけないのは、そこだけ変えて他が違うスタイルで混在してしまうと、変なものができてしまうので、基本的にはどちらのラインなのかっていうのちゃんと見極めてやります。
スタンスについて
音を出している人たち、演奏家が「ウオーッ!」てなるのはいいんと思うんですが、リヒャルトシユトラウスが言ったように、指揮者は「お前が汗かくな」て感じですね。そこのかねあいと言うのはまだわかんないです、正直言って。知と情のバランスを演奏会で作っていくのは非常に難しいですね。練習というのはわりと知の部分が多いと思いますけど、逆もあるかもしれない。すごく情熱的な練習をして、本番はクールにやって、すごい演奏になったりする人もいるでしょうし…。つまり、練習で炊きつけておいて、旅に出るときの船長さんみたいに、本番は冷静に見守っているみたいな感じのほうがいいんじゃないですかね、最終責任は俺が取るみたいなボスのほうが。オーケストラは自分たちより先に逃げちゃいそうな指揮者にはついて行きたくないでしょうからね。
スタンスについて(つづき)
新人指揮者にとって、最初のうちは、オーケストラの中でずっと何もしないで立っているというのが1番苦痛なんですね。オーケストラだけで勝手に演奏するから指揮台の上でずっと立ってなさいと言われたら、大体の人が耐えられないと思う。つまり、何かしていないと落ち着かない。でも、それに耐えられなきゃいけないと思うんですよ(笑)。いろんな音が鳴っている中で、ずっとじっと立ってられる。それで重心が下がって、体勢を整えられたら、これから何かできそうな気がしてくる。胸が上がっていっていてはダメですね。ほんと、自然体。丹田のところにちゃんと力を入れて、上半身はリラックスして、下半身はちゃんと落ち着いててっていう姿勢を作れば、気持ちも落ち着いて、何があっても大丈夫という気構えになりますが、それもできないうちは、ワーッてなっちゃうこともありましたね(笑)。
理想のオーケストラってありますか、の問いに
そういうことには全く興味がないです。
下野さんの指揮するコンサートに行くと、内声部が調和した充実感のある管弦楽が展開される。
今回も引用が多くなりました。参考になるでしょうか。