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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

再発防止研修中止の声を届けて下さい

2013年04月29日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ◆ 「思想信条に関する懲罰研修はやめなさい」
永野厚男(教育ライター)

 今春の入学式の"君が代"不起立で、東京都教育委員会が懲戒処分にした都立学校教諭3人(不起立2回以下の高校の2人は戒告。連続5回不起立の特別支援学校・田中聡史教諭には、最高裁判決に反し重い「減給10分の1、1か月の処分」を強行)に対し、都教委の都教職員研修センター(以下、センター)は5月8日(水)朝から、"服務事故再発防止研修"(以下、再発防止研)と称する懲罰研修を強行します。
 「"君が代"という思想信条に関する懲罰研修はやめなさい」「"君が代"不起立をするなと、思想信条に関し誓約させるような、"振り返りシート"と称する紙にチェックさせるのは、憲法違反です」という趣旨のセンター教育経営課長の課長らへの要請電話・FAXをお願いします。
 1-1 "再発防止研修"と称する懲罰研修を実施する都教職員研修センター・教育経営課に。
  教育経営課宛FAX →(03)5802-2080
  教育経営課長・西山公美子(きみこ)氏の直通電話→(03)5802-0277
  教育経営課ナンバー2の板澤健一・統括指導主事の直通電話→(03)5802-0294 or(03)5802-0283
 1-2 "再発防止研修"と称する懲罰研修の講師役となる可能性が高い都教委の役人の一人目
  都教委人事部職員課(都庁第2庁舎27階)の教職員任用担当課長の落合真人(まさと)氏

  直通電話:(03)5320-6886
  FAX:(03)5388-1729(人事部共通)
  人事部共通メール:S9000013@section.metro.tokyo.jp
 ※ 落合真人氏は50歳くらい。卒業式の不起立教諭に対する"再発防止研修"(2013年4月5日実施)の講師で「上司の職務命令への服従」を演説した。課長職は2ポスト目の中堅です。
 1-2 "再発防止研修"と称する懲罰研修の講師役となる可能性が高い都教委の役人の二人目
  都教委指導部(都庁第2庁舎29階)の、義務教育特別支援教育指導課長の、安間(やすま)英潮氏

  直通電話:(03)5320-6840
  FAX:(03)5388-1733(指導部共通)
  指導部共通メール:S9000024@section.metro.tokyo.jp
 ※ 「安間(やすま)英潮氏」は53歳くらい。卒業式の不起立教諭に対する"再発防止研修"(2013年4月5日実施)では、"講師"として"国旗国歌教育の意義"を演説しました。
 13年3月まで都教職員研修センター・企画課長でした。その前には、都教委指導部で、"国旗国歌問題担当"の主任指導主事の職にあり、"君が代"への思い入れの深い人物です。
 ◆ "愛国心、国歌の意義"強調、心身ともに苦痛をもたらす~都教委が"君が代"懲罰研修
 今春の卒業式の"君が代"不起立で、東京都教育委員会が懲戒処分にした都立学校教諭6人(不起立3回以下の高校の5人は戒告。連続4回不起立の特別支援学校・田中聡史教諭には、最高裁判決に反し重い「減給10分の1、1か月の処分」を強行)のうち、定年退職の高校1人を除く5人に対し、都教委の都教職員研修センター(以下、センター)は4月5日、"服務事故再発防止研修"(以下、再発防止研)と称する懲罰研修を強行した。
 弁護士さえ研修室はおろか、敷地内にも入れない物々しい警備のもと、密室研修の内容を含む実態を、当該教諭らや情報公開請求を続けている都民への取材を踏まえ、暴く。
 センター入口は都教委指導主事ら15名近くが仁王立ち。道路反対側に公安警察が9名。道路手前にワゴンタイプの警察車両が1台。
 開始前、教諭側の澤藤統一郎弁護士が「この研修は思想・信条に踏み込み転向を迫るもので、日本国憲法に違反する。研修担当者は対象の教諭たちに敬意を持って当たるべきだ」と申し入れ。被処分者の会("君が代"処分を受けた現・元教職員で構成)が抗議声明を手渡した。
 受け取った北澤多美(ますみ)センター総務課長は、苗字を名乗っただけで一言もコメントせず館内に消えた。8時50分に5人の教諭が入場する際は、シュプレヒコールの中、激励の拍手が起こった。
 再発防止研は、全体(集合)研修と個別研修の2本立てだ。

 ◆ 役人らの監視下、都教委・安間課長が"君が代"の意義を演説
 全体研修の地下2階研修室は、前方にセンターの西山公美子(きみこ)教育経営課長、進行役の板澤健一・統括指導主事の2名。当該の5人の教諭の横には勤務校の校長5名が座る。
 教諭たちの右斜め後の長机には、3名の"記録係"と称する指導主事3名がメモを取り、不気味な背面監視。このように校長を含め計10名の監視下、"講義"が始まった。
 最初の講師・落合真人(まさと)都教委人事部担当課長は、地方公務員法(地公法)第32条を"根拠"に「上司(校長)の職務命令に従う義務あり」と繰り返した。
 具体的には落合氏は、2012年1月16日の最高裁判決の中から、「校長の職務命令は憲法19条に違反するものでない」とした箇所を強調する一方、「不起立等で、都教委の減給以上の処分は重きに失し、社会通念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を超え、原則違法」とし、不当処分取消しを命じた判示には言及しなかった。
 また落合氏は、「上司(校長)の職務命令に重大かつ明白な瑕疵がある場合は従う必要がないが、疑義がある(グレーゾーンの)場合は、無効確認まで従う義務あり」などと述べた。しかし、この「グレーゾーンの場合も従う義務あり」と主張する根拠は不明である。
 次の講師・安間(やすま)英潮都教委指導部義務教育特別支援教育指導課長は、08年3月改訂の(1)小学校学習指導要領の音楽(自民党や日本会議の政治圧力で「国歌『君が代』は、いずれの学年においても指導すること」の「指導する」の直前に「歌えるよう」を加筆し、マスコミでも取り上げられた箇所)、(2)同6年の社会(「我が国の国旗と国歌の意義を理解させ、これを尊重する態度を育てる」と明記)、(3)中学校学習指導要領の社会・公民的分野(「『国家間の相互の主権の尊重と協力』との関連で、国旗及び国歌の意義並びにそれらを相互に尊重することが国際的な儀礼であることを理解させ、それらを尊重する態度を育てるよう配慮すること」と明記)やこれらに関する文科省著作の『解説』――等、A4判12枚・24頁もの膨大なコピーを配布。「国を愛する態度育成が教育目標」とする改定教育基本法の条文も示しながら、「教育における国旗掲揚・国歌斉唱の意義」を説いた。
 ◆ 中立性欠く「振り返りシート」の設問
 "講義"終了ごとに指導主事らは、テストのような「振り返りシート」なる紙の設問(A4判で落合氏関連で10問、安間氏8問もある)への回答を要求。
 複数の教諭に取材した上、ある都民が情報公開請求で入手した「12年実施の再発防止研の落合氏の振り返りシート」も参考に、今回の「振り返りシート」を再現しつつ、その問題点を暴こう。
 安間氏のシートの1問目は、改定教育基本法で「教育の目標について、どのようなことが定められていますか」と出題し、第2条五号だけを記述するよう求めている
 第2条は、二号に改定前教育基本法を引き継ぐ「個人の価値の尊重」や「創造性」「自主及び自律の精神」を、四号に「生命の尊重」を規定しているが、第1次安倍晋三政権が「国を愛する態度育成」を盛り込んだ、まさに政争の具となった第2条五号だけを記述させようとするところに、再発防止研の政治色が露呈している。
 落合氏のシートの10問目は「法令や上司の職務命令に従って職務を遂行することは、公務員としての責務です。このことを踏まえ、今後、公務員としてどのように職務を遂行していこうと思いますか」と、モロに考え(思想)を聞く問いだ。この設問に、田中さんは「日本国憲法ならびに諸法令を遵守し、全体の奉仕者として職務を遂行したい」と回答した。
 「最高裁判決や地公法等を踏まえると、校長が卒業式等の式典における国歌斉唱の際に、国旗に向かって起立し、国歌を斉唱することを命じた職務命令に対して、どのようにするべきですか」という落合氏シートの9問目に、田中さんは「憲法および諸法令に基づき、職務を遂行したい」と記述。
 また、安間氏の振り返りシートの8問目は「教育公務員は、学習指導要領に基づき、教育課程の適正な実施に向けて校長が発出した職務命令に従い、教育活動を行う責務があります。このことを踏まえ、今後、教育公務員としてどのように職務を遂行していこうと思いますか」と、これまたモロに考え(思想)を聞く問いだ。田中さんは「日本国憲法ならびに諸法令を遵守し、全体の奉仕者として職務を遂行したい」と記述した。
 ところで、安間氏のシートの6問目は、高校学習指導要領の特別活動の領域に出ている、いわゆる国旗国歌条項「入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする」(注、小中の学習指導要領も同文が載っている)だけを引用し、「これは、どのような態度を育てることをねらいとして示されているものですか」とも出題している。
 この安間氏シートの6問目については、再発防止研終了後の報告会で、ある高校教諭が重要な指摘をした。前記・安間氏配布物の(3)の学習指導要領が「(他国の国旗国歌も)相互に尊重する」と明記しているにもかかわらず、安間氏シートの6問目は「相互に」という文言に一切触れていない、という指摘だ。高校教諭は「(シートは)ピックアップしている部分が偏っているという印象を持つ」と明言した。
 これに関連し、都立国際高校の元保護者は取材に、「都教委の10・23通達発出(03年)前の卒業式は在籍する卒業生すべての国旗を三脚で掲揚。しかし通達後の式は壇上正面貼り付けの日の丸旗と都旗だけとなった」と言明。安間氏のシートが「相互に」と明記した指導要領を無視し、日本の"日の丸・君が代"の尊重だけに偏している事実は明白だ。
 ◆ 憲法を避け「上司(校長)の職務命令への服従」に固執
 全体研修後、5人の教諭は個室に分けられ、講師と称するセンター課長(センターには課長は6名おり、総務課長以外が駆り出された)と進行役の統括指導主事、"記録係"の指導主事、校長の計4名の監視下、個別研修を受講させられた。ここで、5人の教諭が記述した「振り返りシート」のコピーが手渡された。
 前述通り、いずれも適切な回答を記述していた田中さんに対し、講師の西山氏は「(落合氏・安間氏の両方の振り返りシートに回答した)『諸法令等』の『等』には上司(校長)の職務命令も入っていますよね」と発言。田中さんが「入っていますが、職務命令が憲法と齟齬(そご)を来たす場合、憲法を優先させます」と答えると、西山氏はこの点では反論しなかった。
 だが西山氏は、研修のまとめの際、改めて「学習指導要領に基づき、教育課程の適正実施のための校長の職務命令は、職務を適正に行うことを求めたものであり、学習指導要領は法規としての性格を有し、国旗国歌を含め、適正に行う。最高裁判決においても『公務員は思想及び良心の自由について内在的制約を受ける』とある」などと述べた。
 このように、西山氏は「上司(校長)の職務命令への服従」に固執する自己の(「都教委の」と言ってもよかろう)思想を優先するあまり、憲法への言及を避けていることから、最高法規である憲法を軽視している、と言わざるを得ず、西山氏こそ公務員としての適格性を欠いている、という見方をする研究者やジャーナリストは少なくない。
 ある高校教諭は取材に、「振り返りシートのうち、都教委の"論理"に立てば"模範解答"が一つしかないような設問は、個別研修の講師が『確認します』と言って、模範解答のようなものを読み上げてきた。ただ、(前記・落合氏のシートの10問目や安間氏のシートの8問目のような)考え(思想)を聞く問いに関しては、さすがに『確認します』とは言えず、『参考ですが』と断りつつ、『命令に従い職務を遂行する』と読み上げた」と語った。
 こちらの方の講師(センター課長)の場合は、思想・良心の自由を保障する憲法第19条に自己の言動が反しているのではないか、という意識が頭の片隅にあったのかもしれない(不十分ではあるが・・・)。
 ◆ 女性トイレまで監視、研修室は寒い地下~身体的拷問だ
 再発防止研は11年まで2時間以内だったが、12年から時間が倍増。開始後3時間半たった午後12時半、センター前で約100人の支援者らが、研修を終えた教諭らを拍手で出迎え、「イジメ研修をやめろ! 反省すべきは都教委だ」などとシュプレヒコールを上げた。
 研修後の報告会では、女性教諭から「トイレに行く時、廊下に男性指導主事が数人配置され、トイレ前では女性指導主事が監視していた。『あなたは悪いことをしたんだぞ』と都教委は印象付けようとしている」との発言があった。
 また、男女の高校教諭から「地下2階の研修室は寒く、寒さを訴えるまで暖房も入れてくれなかった。心身ともに苦痛だった」との指摘も。
 イデオロギー的な内容に加え、外形面でも都教委が人権侵害を行っている実態が浮き彫りになったことに、被処分者の会の近藤徹事務局長(元都立高教諭)は「身体的拷問であり、放っておけない」と述べた。
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2 コメント

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Unknown (加藤愛子)
2013-06-09 23:50:37
どうか質の高い、伸び伸びとした夢のある教育を先生たちに託してあげてください。志あって仕事につかれた方を精神的に追い詰めるようなことをするのはまちがっています。国の大きな損失です。
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Unknown (加藤愛子)
2013-06-10 00:24:12
皆さんがそこまで国のやりかたに固執されるのは愛国心ということなのですか?愛国心は子どもを戦争にやることなのですか?零戦で犠牲になった可能性いっぱいの若者たちをまたつくりだすことなのですか?今いるこどもたちの各々の個性を伸ばして、一人ひとり将来に夢をもてるようにすることこそ、日本の将来を明るくすることなのではありませんか?教育は素晴らしいかけがえのない仕事です。今そこに携わっている方たち一人ひとり、心を空にして自分の子ども時代を思い出してください。私は学校の先生の生き生きした姿、ことばが今も忘れられません。そんな思い出ありませんか?どうか事務的な処理だけで終わらせることなく、正面から向き合っていただきたいと思います。
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