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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

神奈川県:高校「日本史」教科書の採択に関する請願の口頭陳述

2015年07月12日 | こども危機
 ◆ <報告>神奈川県教育委員会で請願の口頭陳述をしました
 皆さま  高嶋伸欣です


 本日(9日)朝、神奈川県教育委員会7月定例会で、高校「日本史」教科書の採択で、県教委が高校現場に不当な圧力を加えている件について、そうした行為をやめて高校現場の意志を尊重するようにという意見陳述を、してきました。
 実は、これは正直なところ想定外のできごとだったのです。
 その経過は次のような具合です。
 2013年度の採択の時から始まった神奈川県教委による実教版「高校日本史A・B」の採択妨害行為に対しては、これまで毎年、抗議行動を継続していて今年も署名に取り組んでいました。
 その一つが、「教科書採択の介入問題を考える神奈川の会」による署名活動です。これは神奈川県高教組を通じても働きかけていたものです。
 その署名が全国の皆さんの協力によって集められ、5662筆に達しました。それらをまとめて6月15日(月)に県教委に提出しました。その際に、今年は新たに、署名簿を綴じた表紙に、『この署名は請願法に基づく請願として提出するものである』との一文を書き加えることにしていました。
 すると、県教委の窓口でこれらの署名簿を受け取った担当者が、素早くこの一文に着目し、「請願の提出ということなのですね?」と尋ねてきたので「そうです」と答えました。この時点での私たちの心積もりでは、提出したもののその先の扱いがどうなったのか曖昧のままにされたくないので「どう処理したかについては教えて欲しい」というくらいの要望をするつもりでした。
 ところが上のようなやりとりをしたところ、「では、請願であれば教育委員会の会議で陳述をできますが、希望されますか?」と、担当者がすぐに問いかけてきたのです。
 「あ、そうだった! 神奈川県教委では請願について陳述を原則5分間できるのだった」と気づいて、「希望します」とすぐに答えました。その結果として、今日(9日)の陳述となったわけです。
 陳述では、署名の趣旨説明ですから「要請項目」の
1)教育委員会事務局に対して、事前に管理職を経由した、希望教科書の変更などの各学校への介入をしないように指示して下さい
2)教科書採択での各学校の希望教科書を尊重して下さい
 の2項目が「請願項目」でもありますとして、まず指摘しました。
 その上で、今回の署名はその後の追加分と併せて今日現在で5894筆になり、今後もさらに追加が見込まれることから、昨年の約6300筆とほぼ同等にまでなる可能性があると指摘し、この問題は3年目になってもこれまでの経過に納得していない人々が依然として多いのです、と強調しました。
 しかもこれらの署名は沖縄から北海道までの全国から寄せられたもので、神奈川県教委のこの問題は全国に知られ、全国から注目されていることなのです、という点も指摘しました。
 次には「ところで、この場で私が請願について陳述をしていることについては、全国的に見ても他には同じ事例を今までに聞いたことがありません。これは大変に良いことで、請願法の第5条にある『請願は、官公署において、これを受理し誠実に処理しなければならない』との規定にかなったものとして、全国の手本になるものでもあります。私は機会ある毎に全国各地で紹介をしてきています。全国の人々は、『神奈川県教委はそのようなことを実行しているのか!』と、いう印象をもっています」と述べました。
 私の正面にいた具志堅幸司委員長は、私の顔をみつめてはしきりにメモをして
いました。

 肝心なのはこの後です。「けれども全国の人々は『それにしては不思議だ。そのようにしている神奈川県教育委員会が、なぜあのような教科書選定を妨害するようなことをしてしまったのだろうか。辻褄が合わない』と言っています。どう見てもこの教科書選定問題は、神奈川県教委の評判を落としています。改めて考えてみると、高校は新課程用の教科書への切り替えは学年進行で行いますから、今年夏の選定でようやく定時制4年生の分に到達することになります。ということは、4年生の分の次の改定版教科書への切り替えまで今年から4年間この問題が繰り返される、ということにもなりかねないわけです。その間、この問題のために神奈川県教育委員会の折角の評判が揺らぎ続けることになるのであるとしたら、それは大変に残念なことです。
 問題が表面化して3年目の今年、終止符を打つ工夫を委員会としてされることを私たちは期待しています」と、述べました。
 その後、残り時間を使って、「教科書無償措置法」の逐条解説書のコピーを用いて、教育委員が教科書採択の議決をするには教育の専門的な経験、知識や判断力のある研究者や教員などによる教科書分析資料や助言が必要であると、文部省が説明していることを指摘し、2013年に『高校日本史A・B』の排除を委員会事務局が発想した時には、そうした手順を踏まずにことを進めたのがそもそも誤りだったのだ、と強調しようとしましたが、5分の時間が過ぎてしまい、途中までの説明になってしまいました。
 5分間の陳述後、質問などはなく、慣例通りに「継続審議」扱いにされました。
 長くなりましたが、以上が本日の陳述に至る経過と内容の概略です。

    *以上は高嶋の記憶によるもので、文責は高嶋にあります。
     陳述の部分は傍聴人のいる公開の場でしたので、転載・拡散は自由です

    *全国各地でも教育委員会に請願の口頭陳述の機会提供を要求しましょう!
     すでに実行している教委が神奈川県教委以外でもあれば、情報を提供しあいましょう。
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