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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

東電(判決)と電通(初公判)2つの裁判。危険無視、利益優先の行動様式

2017年09月29日 | フクシマ原発震災
 ◆ カネといのち (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(ルポライター)

 先週末、ふたつの裁判があった。東電原発被害訴訟の判決と電通過労自殺裁判の初公判。
 原発の安全神話をバラまいてきた政府と東電、それで大もうけした電通。おなじ紙面に掲載された。
 「常習的犯行で、刑事責任は軽視できない」とは電通への検察論告。危険無視、利益優先は電通ばかりか、原発会社特有の行動様式である。
 国は原発を国策として誘導する政策をつぎつぎに打ちだして、現在ばかりか、遥か彼方の未来にわたる重大な危険を招いている。
 そればかりか、電力会社を使嗾(しそう)して核発電をさせ、核兵器に転用されるプルトニウムを備蓄している、と海外から疑われている。
 福島事故のあと、地震大国での原発再稼働は無謀、と分かったはずだ。
 使用済み燃料ひとつとってみても解決策はなく、原発稼働は「人格権の否定」(福井地裁判決)として、人間と核との対立の認識が深まった。
 ところが、先週末の千葉地裁判決は、原発避難者への賠償には一定の理解を示しながらも「回避措置をとったとしても事故は回避できなかった可能性もあり」国への責任追及を回避した。
 原発事故は不可抗力というものだが、それだったら、健康、人命、仕事、ひとの繋(つな)がり、故郷、そのすべてを破壊する犯罪的行為の責任を、誰も取らなくてすむ。人命よりカネ。裁判所の判断である。
『東京新聞』(2017年9月26日【本音のコラム】)


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