パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

8.30のステージから沖縄を訴える

2015年09月15日 | 平和憲法
 ◆ 「民主主義ってこれだ」そう思えた国会前でのスピーチ (労働情報)
元山仁士郎(SEALDs)

 2015年8月30日。小雨が降ったり止んだり、曇ってどんよりした空は、この国の民主主義の危機的な状況を表すようだった。それを晴らすかのように、国会前に集まったのは、12万とも、延べ35万人とも言われる人々。「戦争法案」に反対するために、全国各地から結集した。
 あちこちから「戦争法案絶対反対」、「憲法守れ」、「人間なめんな」などのコールが響く。人々の体温と怒りとで、気温はあつく感じられた。
 SEALDs(シールズ)の映像班に所属する私は、午後1時に国会前に着いた。道路脇に停めてあったSEALDsの車に荷物を置き、カメラだけを持つ。ちょうど、鉄柵が決壊するときだった。人々は道路になだれ込み、国会正門へと足を進めた。カメラを回し、後ろからついていく。「安倍はやめろ」のコールの連呼。民衆の力を感じた。午後1時45分、歴史的な瞬間だった。
 その後、しばらく撮影をし、集まつた人々をみるために桜田門駅の方へ下り、憲政記念館のある公園の中にも入った。どこも、人だらけだった。
 SEALDsの仕切りは午後4時からだった。メインステージ付近はすごい人だったが、「SEALDsのスタッフです」と言いながら、群衆の間をすり抜けていく。
 総がかり行動の後のライヴが終わるのを待っていると、一人、スピーチを予定していた子が、予定時刻までに辿り着けないという。「仁士郎、スピーチお願いしていい?沖縄のことを話して欲しい
 私でない沖縄から来た子にお願いしたらどうかと返したが、「いや、ここは仁士郎に」と言われた。まさか、この日にスピーチするとは思ってもみなかった。スピーチする機会はよく頂いていたが、この日は、なんだか特別だった。高揚感と不安とが入り混じっていた。
 台に上る。本土とは違う歴史を歩んできた沖縄からの問い、基地建設が進み、米軍との合同訓練が行われている現状の報告、そして、琉球・沖縄の平和を希求する理念や運動、沖縄戦から、私の祖父母から語り継がれた教訓を紹介した。
 数百、数千もの人々の顔が見えた。スピーカーの音は国会議事堂前駅まで届いていたという。民主主義ってこれだ。そう思えた。
 この日、報道用のヘリコプターから撮られた写真は、数年後の教科書に載るだろう。これから生まれてくる子どもに自慢したい。「お父さん、この中にいたんだよ。スピーチしたんだよ」って。
 彼・彼女らが生まれてくるときに、この社会がもっと良くなるように。そのために、いま、できることを。
『労働情報919・20号 【連載 OKINAWAから(2)】』

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