▼ 原発事故の影響?福島の子ども10人の甲状腺機能に変化
福島第一原発事故を受け、福島県から長野県茅野市に短期避難していた子どもたちを検査したところ、甲状腺機能の異常が見つかった。
認定NPO法人日本チェルノブイリ連帯基金と信州大学が、茅野市に滞在していた福島の子どもたちのうち、検査を希望する130人に対して医師による問診や血液検査、尿検査を行った。その結果、10人(7.7%)に甲状腺機能の変化が見られたという。
▼ 放射性ヨウ素を被ばく
甲状腺は成長に関わるホルモンを分泌する。今回検査を受けた子どものうち、1人は甲状腺ホルモンが基準値を下回り、7人は甲状腺刺激ホルモンが基準値を上回った。
原発事故直後、福島第一原発からは大量の放射性ヨウ素が放出され、風に乗ってかなりの遠隔地にまで飛散した。汚染を予想する演算システム「SPEEDI」はこの情報を早期に把握していたが、住民には伝えられなかったため、多くの子どもたちが被ばくした。
▼ 心配される甲状腺がん
放射性ヨウ素は体内に取り込まれると、甲状腺に集まる性質がある。特に子どもはこの機能が活発なため、甲状腺がんを発症するリスクが大人よりはるかに高い。
チェルノブイリ原発事故では、事故後数年を経て、子どもの甲状腺がんが急増した。被ばくしたベラルーシでは、事故前の1975年-1985年と事故後の1986年-1996年を比較すると、15歳以上では甲状腺がんの数が約3倍に増加している。これに対し、15歳未満の子どもでは、73倍という激増が記録された。
日本チェルノブイリ連帯基金では、福島の子どもたちについても経過観察が必要とし、今後も検査が受けられるようにする、と語った。
『International Business Times【日本版】』(谷垣吉彦 2011年10月5日)
▼ 10人の甲状腺機能に変化 福島の子130人健康調査
認定NPO法人日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)と信大病院(ともに松本市)が、福島県内の子ども130人を対象に今夏行った健康調査で、10人(7・7%)の甲状腺機能に変化がみられ、経過観察が必要と診断されたことが3日、分かった。福島第1原発事故との関連性は明確ではない。旧ソ連チェルノブイリ原発事故(1986年)の被災地では事故から数年後に小児甲状腺がんが急増しており、JCFは今後も継続的に検査が受けられるよう支援していく方針だ。
調査は原発事故から逃れて茅野市に短期滞在していた子どものうち希望者を対象に7月28日、8月4、18、25日に実施。130人は73家族で生後6カ月~16歳(平均年齢7・2歳)。医師の問診と血液検査、尿検査を受けた。
甲状腺は成長に関するホルモンをつくる。今回の調査で1人が甲状腺ホルモンが基準値を下回り、7人が甲状腺刺激ホルモンが基準値を上回った。甲状腺機能低下症と診断された例はなかった。信大病院の中山佳子小児科外来医長は「現時点では病気とは言えないが、経過観察の必要があるので、再検査を受けるように伝えた」としている。
ほかに、2人の男児(3歳と8歳)が、甲状腺がんを発症した人の腫瘍マーカーにも使われる「サイログロブリン」の血中濃度が基準値をやや上回った。サイログロブリンは甲状腺ホルモンの合成に必要なタンパク質。甲状腺の腫瘍が産生したり、甲状腺の炎症で甲状腺組織が破壊されたりすることで血中濃度が高くなるが、健康な人の血液中にも微量存在する。
原発事故で放出された放射性物質のうち、放射性ヨウ素は、甲状腺が甲状腺ホルモンを合成する際にヨウ素を使うため、人体に取り込まれると甲状腺に蓄積、甲状腺がんや機能低下症を引き起こす。
JCFの鎌田実理事長(諏訪中央病院名誉院長)は「いろいろ意見はあるが、被ばくの可能性は捨てきれないと思う。継続してフォローしていくのはもちろん、福島の新たな希望者がいれば、健康調査の枠を広げるつもりだ」と話している。
『信濃毎日新聞WEB』(2011年10月04日)
http://www.shinmai.co.jp/news/20111004/KT111003ATI090018000.html
福島第一原発事故を受け、福島県から長野県茅野市に短期避難していた子どもたちを検査したところ、甲状腺機能の異常が見つかった。
認定NPO法人日本チェルノブイリ連帯基金と信州大学が、茅野市に滞在していた福島の子どもたちのうち、検査を希望する130人に対して医師による問診や血液検査、尿検査を行った。その結果、10人(7.7%)に甲状腺機能の変化が見られたという。
▼ 放射性ヨウ素を被ばく
甲状腺は成長に関わるホルモンを分泌する。今回検査を受けた子どものうち、1人は甲状腺ホルモンが基準値を下回り、7人は甲状腺刺激ホルモンが基準値を上回った。
原発事故直後、福島第一原発からは大量の放射性ヨウ素が放出され、風に乗ってかなりの遠隔地にまで飛散した。汚染を予想する演算システム「SPEEDI」はこの情報を早期に把握していたが、住民には伝えられなかったため、多くの子どもたちが被ばくした。
▼ 心配される甲状腺がん
放射性ヨウ素は体内に取り込まれると、甲状腺に集まる性質がある。特に子どもはこの機能が活発なため、甲状腺がんを発症するリスクが大人よりはるかに高い。
チェルノブイリ原発事故では、事故後数年を経て、子どもの甲状腺がんが急増した。被ばくしたベラルーシでは、事故前の1975年-1985年と事故後の1986年-1996年を比較すると、15歳以上では甲状腺がんの数が約3倍に増加している。これに対し、15歳未満の子どもでは、73倍という激増が記録された。
日本チェルノブイリ連帯基金では、福島の子どもたちについても経過観察が必要とし、今後も検査が受けられるようにする、と語った。
『International Business Times【日本版】』(谷垣吉彦 2011年10月5日)
▼ 10人の甲状腺機能に変化 福島の子130人健康調査
認定NPO法人日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)と信大病院(ともに松本市)が、福島県内の子ども130人を対象に今夏行った健康調査で、10人(7・7%)の甲状腺機能に変化がみられ、経過観察が必要と診断されたことが3日、分かった。福島第1原発事故との関連性は明確ではない。旧ソ連チェルノブイリ原発事故(1986年)の被災地では事故から数年後に小児甲状腺がんが急増しており、JCFは今後も継続的に検査が受けられるよう支援していく方針だ。
調査は原発事故から逃れて茅野市に短期滞在していた子どものうち希望者を対象に7月28日、8月4、18、25日に実施。130人は73家族で生後6カ月~16歳(平均年齢7・2歳)。医師の問診と血液検査、尿検査を受けた。
甲状腺は成長に関するホルモンをつくる。今回の調査で1人が甲状腺ホルモンが基準値を下回り、7人が甲状腺刺激ホルモンが基準値を上回った。甲状腺機能低下症と診断された例はなかった。信大病院の中山佳子小児科外来医長は「現時点では病気とは言えないが、経過観察の必要があるので、再検査を受けるように伝えた」としている。
ほかに、2人の男児(3歳と8歳)が、甲状腺がんを発症した人の腫瘍マーカーにも使われる「サイログロブリン」の血中濃度が基準値をやや上回った。サイログロブリンは甲状腺ホルモンの合成に必要なタンパク質。甲状腺の腫瘍が産生したり、甲状腺の炎症で甲状腺組織が破壊されたりすることで血中濃度が高くなるが、健康な人の血液中にも微量存在する。
原発事故で放出された放射性物質のうち、放射性ヨウ素は、甲状腺が甲状腺ホルモンを合成する際にヨウ素を使うため、人体に取り込まれると甲状腺に蓄積、甲状腺がんや機能低下症を引き起こす。
JCFの鎌田実理事長(諏訪中央病院名誉院長)は「いろいろ意見はあるが、被ばくの可能性は捨てきれないと思う。継続してフォローしていくのはもちろん、福島の新たな希望者がいれば、健康調査の枠を広げるつもりだ」と話している。
『信濃毎日新聞WEB』(2011年10月04日)
http://www.shinmai.co.jp/news/20111004/KT111003ATI090018000.html
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