《尾形修一の紫陽花(あじさい)通信から》
◆ 学校再開延期と教員「テレワーク」の必要性
(1日の都教委臨時会)
4月1日は東京の教員異動が発表になる日である。最近は都教委のホームページにも公表されているが、長らく校長以外の人事異動は東京新聞の別刷り特集を見るしかなかった。わざわざ新聞販売店にもらいに行った時もあるが、その後東京新聞を取ることにした。定時制に勤務していた時は、東京新聞販売店でアルバイトしている生徒がいて、余った分を持ってきて貰ったのも懐かしい思い出だ。一応入ってくるから異動特集を毎年チェックはするが、年々知人が少なくなる。それは当たり前で、自分より年長の教員は誰も載っていないのである。自分が勤務した時にリーダーシップを取っていた年長の教員たちは、とっくに定年になっている。当たり前なんだけど、時々驚いてしまう。
それはさておき、東京都教委は4月からの学校再開を諦めて、5月の連休明けに延期することにした。正直言って「だから言ったじゃないか」である。多くの人はこうなると思っていただろう。
3月25日に僕はこう書いた。「安倍政権が「無意味に全校休校」としたものが、先週になって「4月からの学校再開」を言い出したことは、国民をミスリードするものだったと僕は思っている。「地域によっては、入学式だけやって、授業再開は5月から」と言うべきだったのではないか。」
3月29日には「本当に学校は再開できるのだろうか。都教委は「都立学校版 感染症予防ガイドライン(新型コロナウイルス感染症)」を発表し、とても実行できるとは思えないような対応を学校に求めている。」と書いた。
都教委がガイドラインを決定したのは、3月26日の定例会である。ところが4月1日当日になって、突然午後5時45分から「臨時会」を開くという告示がホームページに載った。
そして、そこで教育委員が急きょ集まって事務局案を追認したんだろう。しかしながら、ここまでの増加は予想しなかったとしても、26日時点でも感染者が途切れく増えていることは心配されていた。今後のことを「最悪の場合」も予想し、第二案を示しておくのは、当然の責務だ。
都教委の場当たり的対応は、児童生徒、保護者、教員など現場関係者を混乱させただけだろう。そして、その混乱を都教委が謝罪することはない。今まで何度も「おバカ事態」が起こっているが、一度も謝罪なんかしなかった。
都教委が下した処分が裁判所で否定されても、蛙の面になんとかだ。教員じゃなくなっても、都民の一人として、この無責任ぶりに呆れてしまう。今回は非常に多くの人に示した方針が一週間も経たずに根本的に否定された。
学校が再開されると期待させた子どもたちに「ごめんなさい」と謝らないのか。
ところで、今までの「学校休校」は、学年末だったこともあり、教員は勤務を継続して成績処理や卒業式準備などに当たることを前提にしていたと思う。しかし、それは本来の「一斉休校」とは言えない。
本来は教職員も含めて学校全体を閉鎖しないといけない。それが「一斉休校」が社会で意味を持つ前提だと思う。このままでは、教職員が感染した場合、5月に再開することも難しくなる。そして教職員の感染リスクも非常に高くなっていると考えられる。
理由は幾つもあるが、最大のものは「異動・退職の時期」だったということだ。職場の歓送迎会は今年はほとんど見送られただろう。しかし、個人的にお世話になった関係、一緒に飲食に行った関係にある教員が退職、異動するとなると、仲間内の送別会をした例がないとは思えない。多くの教員でなくても、東京や大阪では飲みに行ったりした教員がゼロとは僕には想定できない。
また学校には外国人の生徒も多くなっているし、主に米国から来る英語の指導助手など外国人職員もいる。3学期は一年の終わりで、卒業式、修了式で「気が抜ける」こともある。強いストレスにさらされていた期間が、「春休み」に緩んで風邪をひくことはよくある。
教員もブラック職場と言われつつ、けっこうアクティブな人が多くいる。地域でスポーツ、文化活動をしている人も多い。春に海外旅行を計画することはほとんどないが、海外帰りの友人と会うことは多い。海外の外国人学校に赴任していて帰ってくる教員もいる。そんなこんなをまとめれば、教員の感染リスクは高くなっている。
今は「教員の感染」があることを前提にして、それを見越した態勢を作っておくことだと思う。
そのためには「教員のテレワーク」が必要だ。40代以下の教員はほとんど経験してないかもしれないが、昔の夏休みの「自宅研修」でいいんじゃないか。毎日出ないということじゃない。管理職は交替で、教員は学年内で輪番を決め、事務職員も交替勤務とする。
家で教材プリントなどを作成し、学校のホームページに掲載するなど、いろいろ出来るはずだと思う。「通信教育」の学校は現実にあるんだから、この際全国の中高はしばらく「通信教育」でもいいんじゃないかと思う。
『尾形修一の紫陽花(あじさい)通信』(2020年04月01日)
https://blog.goo.ne.jp/kurukuru2180/e/fe5d15816bdb876d4ba93c42969a5fb5
◆ 学校再開延期と教員「テレワーク」の必要性
(1日の都教委臨時会)
4月1日は東京の教員異動が発表になる日である。最近は都教委のホームページにも公表されているが、長らく校長以外の人事異動は東京新聞の別刷り特集を見るしかなかった。わざわざ新聞販売店にもらいに行った時もあるが、その後東京新聞を取ることにした。定時制に勤務していた時は、東京新聞販売店でアルバイトしている生徒がいて、余った分を持ってきて貰ったのも懐かしい思い出だ。一応入ってくるから異動特集を毎年チェックはするが、年々知人が少なくなる。それは当たり前で、自分より年長の教員は誰も載っていないのである。自分が勤務した時にリーダーシップを取っていた年長の教員たちは、とっくに定年になっている。当たり前なんだけど、時々驚いてしまう。
それはさておき、東京都教委は4月からの学校再開を諦めて、5月の連休明けに延期することにした。正直言って「だから言ったじゃないか」である。多くの人はこうなると思っていただろう。
3月25日に僕はこう書いた。「安倍政権が「無意味に全校休校」としたものが、先週になって「4月からの学校再開」を言い出したことは、国民をミスリードするものだったと僕は思っている。「地域によっては、入学式だけやって、授業再開は5月から」と言うべきだったのではないか。」
3月29日には「本当に学校は再開できるのだろうか。都教委は「都立学校版 感染症予防ガイドライン(新型コロナウイルス感染症)」を発表し、とても実行できるとは思えないような対応を学校に求めている。」と書いた。
都教委がガイドラインを決定したのは、3月26日の定例会である。ところが4月1日当日になって、突然午後5時45分から「臨時会」を開くという告示がホームページに載った。
そして、そこで教育委員が急きょ集まって事務局案を追認したんだろう。しかしながら、ここまでの増加は予想しなかったとしても、26日時点でも感染者が途切れく増えていることは心配されていた。今後のことを「最悪の場合」も予想し、第二案を示しておくのは、当然の責務だ。
都教委の場当たり的対応は、児童生徒、保護者、教員など現場関係者を混乱させただけだろう。そして、その混乱を都教委が謝罪することはない。今まで何度も「おバカ事態」が起こっているが、一度も謝罪なんかしなかった。
都教委が下した処分が裁判所で否定されても、蛙の面になんとかだ。教員じゃなくなっても、都民の一人として、この無責任ぶりに呆れてしまう。今回は非常に多くの人に示した方針が一週間も経たずに根本的に否定された。
学校が再開されると期待させた子どもたちに「ごめんなさい」と謝らないのか。
ところで、今までの「学校休校」は、学年末だったこともあり、教員は勤務を継続して成績処理や卒業式準備などに当たることを前提にしていたと思う。しかし、それは本来の「一斉休校」とは言えない。
本来は教職員も含めて学校全体を閉鎖しないといけない。それが「一斉休校」が社会で意味を持つ前提だと思う。このままでは、教職員が感染した場合、5月に再開することも難しくなる。そして教職員の感染リスクも非常に高くなっていると考えられる。
理由は幾つもあるが、最大のものは「異動・退職の時期」だったということだ。職場の歓送迎会は今年はほとんど見送られただろう。しかし、個人的にお世話になった関係、一緒に飲食に行った関係にある教員が退職、異動するとなると、仲間内の送別会をした例がないとは思えない。多くの教員でなくても、東京や大阪では飲みに行ったりした教員がゼロとは僕には想定できない。
また学校には外国人の生徒も多くなっているし、主に米国から来る英語の指導助手など外国人職員もいる。3学期は一年の終わりで、卒業式、修了式で「気が抜ける」こともある。強いストレスにさらされていた期間が、「春休み」に緩んで風邪をひくことはよくある。
教員もブラック職場と言われつつ、けっこうアクティブな人が多くいる。地域でスポーツ、文化活動をしている人も多い。春に海外旅行を計画することはほとんどないが、海外帰りの友人と会うことは多い。海外の外国人学校に赴任していて帰ってくる教員もいる。そんなこんなをまとめれば、教員の感染リスクは高くなっている。
今は「教員の感染」があることを前提にして、それを見越した態勢を作っておくことだと思う。
そのためには「教員のテレワーク」が必要だ。40代以下の教員はほとんど経験してないかもしれないが、昔の夏休みの「自宅研修」でいいんじゃないか。毎日出ないということじゃない。管理職は交替で、教員は学年内で輪番を決め、事務職員も交替勤務とする。
家で教材プリントなどを作成し、学校のホームページに掲載するなど、いろいろ出来るはずだと思う。「通信教育」の学校は現実にあるんだから、この際全国の中高はしばらく「通信教育」でもいいんじゃないかと思う。
『尾形修一の紫陽花(あじさい)通信』(2020年04月01日)
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