<転送歓迎>(重複ご容赦)
・「新芽ML」・「ひのきみ全国ネット」・「戦争をさせない杉並1000人委員会」・「杉並コモンズ」の渡部です。
(少し長いです)
戦後日本の教員たちは戦争の反省から、「教え子を再び戦場に送るな!」のスローガンを掲げ、戦争につながる諸政策に反対してきた。
「勤務評定反対闘争」(1957~59年)時には「勤評は戦争への一里塚」と言うスローガンが掲げられた。
1960年の「安保闘争」時には全国各地で署名やデモに参加した。
そして、戦争のシンボルであった「日の丸・君が代」の強制には一貫して反対してきた。
しかし、1989年に文部省は「学習指導要領」に「国旗・国歌」を「指導するものとする」と記述し、1999年には「国旗国歌法」が成立した。
さらに2006年には1947年「教育基本法」が改悪され「愛国心」、「教育振興基本計画」が持ち込まれ、 2007年には学力テストも実施された。
▲ 日本の教育は、<民主主義教育>から<国家主義教育>へと大きく舵を切られた。
職員会議での採決も禁止され、学校は上意下達の場となった。
この間、日米の軍事的つながりも強まり、2014年には米軍普天間基地の辺野古移転が決まり、「集団自衛権」も閣議決定された。
20015年には「安保法制」(戦争法)が強行採決された。
その後も日米の軍事演習や、米国兵器の爆買いが進み、自衛隊と米軍との一体化も進んだ。
そして(戦争法)から7年目の今年(2022年)、ロシアの「ウクライナ侵攻」が起こり、アメリカをはじめ西側諸国は一斉にウクライナへの武器支援をはじめた。
日本国内でも即時停戦を求める声よりも西側諸国と足並みをそろえる世論が強まった。
一方アメリカはこの10月、「国家安全保障戦略」で、中国を米国主導の国際秩序を作り替えようとする「唯一の競争相手」と位置づけ、「最も重大な地政学的な挑戦だ」と記した。
そうした中で岸田首相は、臨時国会終了(12月10日)後、来年1月の通常国会を待たず、今のうちにと言わんばかりに、昨日(12月16日)、以下の安保関連3文書を閣議決定した。
①「国家安全保障戦略」
②「国家防衛戦略」(これまでは「防衛計画の大綱」)
③「防衛力整備計画」
これを見ただけでも「国家」が前面に出てきていることがわかる。
そして、①の「Ⅰ策定の趣旨」には次のようなことが書かれている。
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この戦略は国家安全保障の最上位の政策文書で、指針と施策は戦後の安全保障政策を実践面から大きく転換するものだ。
国家としての力の発揮は国民の決意から始まる。
本戦略を着実に実施していくためには、国民が我が国の安全保障政策に自発的かつ主体的に参画できる環境を整えることが不可欠だ。
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憲法9条では、
・「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」
・「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」
と書いてある。
にもかかわらず、公然とこのような文書が「最上位の政策文書」として出され、「実践面から大きく転換するものだ」と述べている。
さらに、「国民が我が国の安全保障政策に自発的かつ主体的に参画できる環境を整えることが不可欠だ」とまで書いてある。
つまり、国会にも諮らず、憲法の規定を一方的に公然と踏みにじり、国民に対して、これは「実践面から大きな転換するもの」だから、これに「自発的かつ主体的に参図するよう環境を整えることが不可欠だ」とまで書いてある。
(マスコミや学校教育でもそのようにしなければならないと言うことだろう)
まさにこの文書は「大本営発表」の現代版であり、「国家総動員」に向けて「のろし」を上げた文書と言える。
次にこの文書が述べている戦略の概略は、一言でいえば、先程紹介したアメリカがこの10月に出した「国家安全保障戦略」の日本版である。
そのために、日本はそれに沿って役割を果たすと述べているのである。
また、そのためには大軍拡と「敵基地攻撃能力」が必要だと述べているのである。
そしてその相手は中国・北朝鮮・ロシアなどになっている。
これはまさしく日米同盟による具体的な戦争準備に他ならない。
そして、それを貫くイデオロギーは、
・「普遍的価値や国際違法に基づく国際秩序を擁護し、自由で開かれた国際秩序を維持・発展させる」(Ⅱ 我が国の国益)
・「普遍的価値に基づく政策を掲げ、国際秩序の強化に向けた取り組みを確固たる覚悟を持って主導していく」(Ⅸ 結語)
などという表現に述べられている。
しかし、ここでいう「普遍的価値」とは何か。
それは「自由主義経済」あるいは「資本主義経済」のことだろう。
しかし世界には「社会主義」国もあるし、社会主義を目指そうとしている人々もいる。
したがってここではそれを否定しているのだろう。
付け加えれば、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)が自民党の議員などと結んだ「政策協定」では、改憲や反共が明示されていた。
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・憲法を改正し、安全保障体制を強化する
・家庭教育支援法及び青少年健全育成基本法の国会での制定に取り組む
・『LGBT』問題、同性婚合法化に関しては慎重に扱う
・アジアと日本の平和と繁栄を目指す「日韓トンネル」の実現を推進する
・国内外の共産主義勢力、文化共産主義勢力の攻勢を阻止する
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結局、イデオロギー的には、旧統一教会と同じ立場に立つということである。
それを「普遍的価値」というなら、それは極めて独善的である。
また、「自由で開かれた国際秩序」というが、現在アメリカがやっている様々な国への「経済制裁」は露骨な「ブロック経済」を作り出している。
さらに、②の文書には、「法の支配に基づく」などという言葉も使われているが、アメリカがこれまでしてきたことや、日本の自公政権が現在やっている事こそ、公然たる「(憲)法の無視・蹂躙」ではないか。
その他②、③についての具体的な批判は、多く語られているので割愛する。
ところで、12月15日には、「敵基地攻撃能力」について、国会で賛否両派の集会が開かれた。
その中で賛成する国会議員らによる集会には、自民・公明の他、維新・国民の議員も参加、日本会議国会議員懇談会の古谷会長は「安保環境は劇的に変わった。日本は中国、北朝鮮。ロシアに囲まれている」と強調した。(「朝日」2022・12・16より)
(戦争法)からわずか7年、戦争に向けての翼賛情勢はすでにここまで進みつつある。
戦後77年、(戦争法)7年、今年(2022年)は終に戦後政治の大転換の年となった。
日本・アジア・世界の人々にとっては、再び大戦争の時代が目の前まで迫ってきている。
しかし、この間の岸田首相の振る舞いを見ると、いずれも拙速で目前・場当たり主義と言わざるをえない。
「新しい資本主義」しかり、「国葬」しかり、「旧統一会問題」しかり、いずれも成功したとはいえず、むしろその度、支持率は低下した。
にもかかわらず今度は「安保関連三文書」をまた拙速に持ち出してきた。
これは、人々の生活を破壊し、人々の命を悲惨な戦争の犠牲にすることになる。
まさに「目前・場当たり主義」の行く末、極みである。
確かにこれへの反対運動はまだ大きく盛り上がってはいない。(むしろ小さくなっている?)
しかし、私たちは闘いを堅持し、「草の根」(市民や労働者、地域)から、反対の声を粘り強く上げていくことが重要だろう。
・「杉並市民アクション」は12月21日(水)に会議を開き対策を練る。
・「都教委包囲首都圏ネット」は、2022年2月4日(土)に<学校から始まる改憲と戦争~教え子を再び戦場に送るな~>をテーマに「第19回 2・4総決起集会」を開く(チラシ添付)
・「ひのきみ全国ネット」では、近く実行委員会を呼び掛け、2022年7月23日に「第13回『日の丸・君が代』問題等全国学習交流集会」を開く予定。
古代中国の「易経」には、当時の人々の知恵として、「窮まれば変じ、変ずれば通じ、通ずれば久し」と述べてある。
全国の仲間の皆さん、共に連帯して闘いましょう。
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「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
http://houinet.blogspot.jp/
千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
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「ひのきみ全国ネット」のウェブサイト
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