パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

☆ 「防衛費GDP比2%」に興奮を隠せない朝雲紙。

2022年12月19日 | 平和憲法

  =立川テント村通信=
 ☆ 朝雲レポート(10/6~11/7号)

★朝鮮の連続ミサイル発射が毎号紙面に踊る。
 だが、「日米韓の連携強化」を連呼するだけの紙面はマスコミとさして変わらず、面白みも欠ける。その空気を察してか、コラム欄「朝雲寸言」はひとり気を吐いている。紹介しよう。
 「5年ぶりにJアラートが発信されたが、国民の反応は、のどかだ。せめて『振込詐欺に気を付けて』と同じ位は核ミサイル攻撃時の対応を周知してほしい。『危機感の共有』を今回こそ実現したい」
 国民はのどかである、という感覚を軍が持つときは危険な兆候である。(10/20号他)

★ウクライナ戦争後、自衛隊はNATO諸国と急接近。欧州各国との連携を深めている。
 9月末にはドイツ空軍総監が、初来日となる「ユーロファイター戦闘機」と共に来日。空自のF2戦闘機と富士山周辺で編隊飛行を行ったが、操縦桿を握ったのは当のゲルハルツ空軍総監。現役パイロットの将校は空軍では珍しくないが、朝雲紙は数号にわたってグラビアを組むはしやぎよう。(10/6号)
 10月26日にはフィンランド国防相が来日。浜田防衛大臣と「我々は互いに『ロシアの隣国』という大きな懸念を共有している」という認識で一致。「ロシアの隣国」は、かなり多そうだ・・・。14年のロシアによるクリミア併合以降、日・フ軍事協力は加速していたそうだ。(11/3号)

★「明治十年」創立の陸軍退役将校の会「借行社」がまもなく解散する。
 旧軍関係者がほとんど死去し、近年は陸自幹部OBが会員のほとんどを占めていた。新たに今年4月「陸修会」という陸自幹部OB組織が立ち上げられ、2年後にはそちらに合併する。
 借行社HPによれば同会の理念は、「英霊に敬意を。日本に誇りを。」毎年政府に提言書を出しており、今年の提言はズバリ「専守防衛の見直し」「非核三原則の見直し」「憲法改正、国民の国防義務明記」とのこと。「9条とともにある実力組織」は、夢まぼろしだったようだ。(10/20号)

★ ウクライナ戦解説でテレビに出まくった兵頭慎治(防衛研究所部長)が全面を使った寄稿。秋以降のウクライナ戦争の局面を解説している。
 「ウクライナ軍の巧みな戦術、米軍提供兵器によってロシアは壊滅的な苦戦。深刻な兵員不足は予備役の大量動員に及んだ。追い詰められたプーチンが核使用に踏み切る可能性は相対的に高まり、そうなれば米軍の直接介入もあり得る。国際的に孤立したロシアは、中国・朝鮮への一方的接近を強めている」
 結論としては、「中・朝・ロの軍事的連携が強まり、日本にとって戦後最悪の安全保障環境が生起しつつある」とのこと。(10/20号)

★元陸自隊員・五ノ井さんに対する性暴力事件がついに朝雲紙面に。ネットを使った告発は大きな反響を呼び、陸幕長の謝罪に至った。
 三号にわたったべタ記事はそれぞれ、①陸幕長謝罪、②加害隊員から直接謝罪、③陸幕長がハラスメント根絶を決意、というもの。問題の表面をなぞり、加害・被害を当事者間に限定し、「偉い人」の決意だけでどうにかなるだろう、という自衛隊らしい結論だ。
 コラムや論説欄では一切この問題を取り上げず、隊員募集活動の紹介ページには相変わらず「ガールズトーク盛況」の大見出し。参加した女子高生の「制服姿が素敵で志願票を書きました」のコメントを嬉々として紹介。一回くらい真面目に考えてみろよ、と思わず口をつく。(10/27号他)

★識者の持ち回リコラム「春夏秋冬」になぜかコシノジュンコが入っている。
 陸自儀杖兵の制服をデザインしたらしくその縁か。しかし文章は軍事と関係ないことばかり。キューバでのショーの思い出を楽しく振り返るコラムは、朝雲紙ではかなり異色。それなりの思いが込められているのか?(10/6号他)

★「防衛費GDP比2%」に興奮を隠せない朝雲紙。
 鶴岡慶応大教授「かつてのGDP比1%は『歯止め』の政治的象徴。2%は『強化』の象徴」「防衛費の増額によって政策の優性順位を変更する必要がある」と率直。
 コラム朝雲寸言「隊員の我慢強さは美徳。しかしその結果、交換部品の使いまわしや劣悪な待遇が常態化し、『美徳』は『欠点』に転化した。多数の国民は防衛費増額に理解を示している。欠点を改める時だ。」高額防衛費は、間違いなく米国の軍需産業を潤すだけだろう。(11/17号)

『立川テント村通信』(2022年12月1日)

 


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