(続)
5 平成14年に東京地方検察庁に出頭し事情聴取を受けたことについて
(1)東京地検特捜部の事情聴取を受けることになった経緯
平成14年10月17日に、教育庁総務部人事担当副参事からの呼び出しがありました。呼び出された理由は、増田教諭が都教委職員(氏名不詳)による秘密漏洩の刑事告訴を行ったので、東京地検特捜部の検事の事情聴取に対応する必要があるとのことでした。なお、事情聴取は10月29日18時から東京地検で予定されており、対応者として、4人(近藤精一指導部長、小川校長、松葉校長及び私)が呼び出されていました。
増田教諭による刑事告訴は、平成13年3月になされており、その内容は、三都議の共著「こんな偏向教師を許せるか!」の中に告訴人である増田教諭の都立教育研究所における研修状況が記載されているが、これは都教委職員(氏名不詳)による秘密漏洩があつた証拠であり、地公法第34条(守秘義務)違反に該当するので、厳重な処罰を求めるというもののようでした。
平成13年10月24日に、東京地検特捜部から研修状況報告書等の書類提出の依頼があり、「研修状況の概要」を提出する用意をしていましたが、その後約1年間、東京地検特捜部からは何の連絡もありませんでした。平成14年10月1日付けで、東京地検特捜部から捜査関係事項照会書が送けされてきました。これに対して、この間に担当検事が2人代わっているため、改めて対応を検討した結果、「研修状況の概要」は、「こんな偏向教師を許せるか!」の記載内容に直接結びつかないものであるが、現時点で提出すべきものは提出するという方向で、直接検事に会って説明することが最善であるとの結論に至りました。
(2)東京地検特捜部による事情聴取の概要
平成14年10月29日、近藤指導部長、小川・松葉両校長及び秦の4人で、東京地検特捜部の検事室を訪問しました。自己紹介を含め事情聴取時間は約30分間でした。応接セットで対応され、検事の脇に事務官が着席していましたが、特に筆記している様子はありませんでした。聴取に入る前に、検事の方から次のような発言があり、私も次のように答えたことを記憶しています。
その後、三都議に情報提供した事実経過について、概ね次のように説明しました。研修担当副参事は、平成11年9月1日以降、都立教育研究所企画調査部長から情報提供された、増田教諭の研修状況や服務状況等をメモしていました。
管理課長(私)は、平成11年11月20日前後に、田代都議からの電話で、増田教諭の研修の実施状況を、土屋都議事務所ヘファクシミリ送付するよう求められました。また、指導企画課長は、平成12年3月に、士屋都議からの電話で、増田教諭の研修の実施状況を、土屋都議事務所ヘファクシミリ送付するよう求められました。
研修担当副参事は、自ら作成したメモをもとにして、指導部の部課長会において協議の上、増田教諭の研修関係の事実経過だけに絞って十分精査し、「増田都子教諭への指導の状況」(9月1日~11月22日)を作成し、11月24日に管理課長名でファクシミリにより送付しました。また、平成12年3月も同様に「増田都子教諭への指導の状況」(11月23日~3月27日)を作成し、3月27日に指導企画課長名でファクシミリにより送付しました。
「こんな偏向教師を許せるか!」の中の研修状況の記載は、これらの内容に沿ったものと考えられます。
これに対し、検事から幾つか質問を受けました。その質問について率直に答えました。私は、「三都議への情報提供は、常任委員会(文教委員会)の委員対応としての行為ですので、秘密漏洩に当たるとの認識は全くありませんでした。」と答えたことを記憶しています。
最後に、
事情聴取後の感触としては、以上のような事情聴取結果を踏まえ、地方公矛員法第34条違反等の違法行為に当らないとの認識を新たにしました。
6 最後に
原告は、「都教委は、東京都情報公開条例、東京都個人情報の保護に関する条例及び地方公務員法第34条(守秘義務違反)という法令違反を繰り返し行っている。」としていますが、地方自治法の中で、地方公共団体の議決機関である議会に対し、その職責の遂行のために、地方公共団体の事務に関する調査・検討の権能を認めています。私は、議会がその権限を有効に行使するためには、その構成員である議員が、議員活動として各種調査や資料収集の行為を行うことが不可欠であり、議会固有の権限に基づき、議員はその権限を背景とした調査活動を行うことは、全く問題ないと思っています。
また、本件の情報提供は、個人情報であることから、東京都個人情報の保護に関する条例第10条第2項の規定により、行政をチェックする立場にある都議会議員に、行政機関が自らの裁量に基づき、個人情報の「目的外提供」として行ったものです。すなわち、この情報提供当時には、原告の実名が新聞報道でなされ、国会でも取上げられていた状況を踏まえ、提供することが相当と判断したものです。
5 平成14年に東京地方検察庁に出頭し事情聴取を受けたことについて
(1)東京地検特捜部の事情聴取を受けることになった経緯
平成14年10月17日に、教育庁総務部人事担当副参事からの呼び出しがありました。呼び出された理由は、増田教諭が都教委職員(氏名不詳)による秘密漏洩の刑事告訴を行ったので、東京地検特捜部の検事の事情聴取に対応する必要があるとのことでした。なお、事情聴取は10月29日18時から東京地検で予定されており、対応者として、4人(近藤精一指導部長、小川校長、松葉校長及び私)が呼び出されていました。
増田教諭による刑事告訴は、平成13年3月になされており、その内容は、三都議の共著「こんな偏向教師を許せるか!」の中に告訴人である増田教諭の都立教育研究所における研修状況が記載されているが、これは都教委職員(氏名不詳)による秘密漏洩があつた証拠であり、地公法第34条(守秘義務)違反に該当するので、厳重な処罰を求めるというもののようでした。
平成13年10月24日に、東京地検特捜部から研修状況報告書等の書類提出の依頼があり、「研修状況の概要」を提出する用意をしていましたが、その後約1年間、東京地検特捜部からは何の連絡もありませんでした。平成14年10月1日付けで、東京地検特捜部から捜査関係事項照会書が送けされてきました。これに対して、この間に担当検事が2人代わっているため、改めて対応を検討した結果、「研修状況の概要」は、「こんな偏向教師を許せるか!」の記載内容に直接結びつかないものであるが、現時点で提出すべきものは提出するという方向で、直接検事に会って説明することが最善であるとの結論に至りました。
(2)東京地検特捜部による事情聴取の概要
平成14年10月29日、近藤指導部長、小川・松葉両校長及び秦の4人で、東京地検特捜部の検事室を訪問しました。自己紹介を含め事情聴取時間は約30分間でした。応接セットで対応され、検事の脇に事務官が着席していましたが、特に筆記している様子はありませんでした。聴取に入る前に、検事の方から次のような発言があり、私も次のように答えたことを記憶しています。
検事:「増田教諭の告訴内容についての確認をするために来ていただいたが、私も国会議員の先生方との折衝をした経験がありますので、事情は分かっているつもりです。都議会の先生方との「議会資料」のやり取りは、国会と同じですよね。」
秦:「国会と基本的には同じだと思います。議員さんは都民の代表ですし、信頼関係の中で資料のやり取りはしています。」
検事:「わかりました。正直、私どもも増田さんから強く要請されているの全く皆さんから事情を聞かない訳にはいかなくて、来ていただいたころです。」
その後、三都議に情報提供した事実経過について、概ね次のように説明しました。研修担当副参事は、平成11年9月1日以降、都立教育研究所企画調査部長から情報提供された、増田教諭の研修状況や服務状況等をメモしていました。
管理課長(私)は、平成11年11月20日前後に、田代都議からの電話で、増田教諭の研修の実施状況を、土屋都議事務所ヘファクシミリ送付するよう求められました。また、指導企画課長は、平成12年3月に、士屋都議からの電話で、増田教諭の研修の実施状況を、土屋都議事務所ヘファクシミリ送付するよう求められました。
研修担当副参事は、自ら作成したメモをもとにして、指導部の部課長会において協議の上、増田教諭の研修関係の事実経過だけに絞って十分精査し、「増田都子教諭への指導の状況」(9月1日~11月22日)を作成し、11月24日に管理課長名でファクシミリにより送付しました。また、平成12年3月も同様に「増田都子教諭への指導の状況」(11月23日~3月27日)を作成し、3月27日に指導企画課長名でファクシミリにより送付しました。
「こんな偏向教師を許せるか!」の中の研修状況の記載は、これらの内容に沿ったものと考えられます。
これに対し、検事から幾つか質問を受けました。その質問について率直に答えました。私は、「三都議への情報提供は、常任委員会(文教委員会)の委員対応としての行為ですので、秘密漏洩に当たるとの認識は全くありませんでした。」と答えたことを記憶しています。
最後に、
検事から「わかりました。本日はこれで結構です。恐らく大丈夫だと思いますが、何かあれば連絡します。」との話があり、事情聴取は終わりました。
事情聴取後の感触としては、以上のような事情聴取結果を踏まえ、地方公矛員法第34条違反等の違法行為に当らないとの認識を新たにしました。
6 最後に
原告は、「都教委は、東京都情報公開条例、東京都個人情報の保護に関する条例及び地方公務員法第34条(守秘義務違反)という法令違反を繰り返し行っている。」としていますが、地方自治法の中で、地方公共団体の議決機関である議会に対し、その職責の遂行のために、地方公共団体の事務に関する調査・検討の権能を認めています。私は、議会がその権限を有効に行使するためには、その構成員である議員が、議員活動として各種調査や資料収集の行為を行うことが不可欠であり、議会固有の権限に基づき、議員はその権限を背景とした調査活動を行うことは、全く問題ないと思っています。
また、本件の情報提供は、個人情報であることから、東京都個人情報の保護に関する条例第10条第2項の規定により、行政をチェックする立場にある都議会議員に、行政機関が自らの裁量に基づき、個人情報の「目的外提供」として行ったものです。すなわち、この情報提供当時には、原告の実名が新聞報道でなされ、国会でも取上げられていた状況を踏まえ、提供することが相当と判断したものです。
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