◎ 東京都教育委員会に対する要請
東京都教育委員会
委員長及び教育長殿
2017年10月24日
都教委包囲首都圏ネットワーク
代表 見城越樹
都教委包囲首都圏ネットワーク
代表 見城越樹
東京都では、知事が現職のままで国政に奔走するという、とんでもない事態が続いています。発足から1年余り経つ小池都政ですが、発足当初うたわれていた「都政の透明化」は忘れ去られ、側近政治がブラックボックスと化しつつあります。
そもそも、都政を国政進出の足場とし、憲法改悪を画策することなど、絶対に許せることではありません。公務員である知事には憲法第99条によって定められた憲法を尊重し擁護する義務があります。加えて、特別職であるとはいえ全体の奉仕者であり、職務専念義務があるはずです。都民無視の石原都政の「置き土産」である「豊洲市場問題」に関しても、単なる言葉だけの「築地再生」のみを残して、結局既定の路線に戻りつつあります。
小池都政のもとで、翼賛化つつある議会はまったく機能せず、「都政の隠蔽体質」は存続し、石原都政以来続けられてきた、都民生活無視、都で働く労働者無視の上意下達の権力的な行政は進行しています。
13年の長きにわたって続いた石原都攻のもとで、現場を無視しひたすらに「お上」の意向のみによって動く都政が常態化し、都政から民主主義が消えうせ、独裁主義の手足となってしまいました。それが小池都政のもとでも確実に再生産されています。
これらのことが最も典型的に現れているのが教育行政です。10・23通達は、学校儀式における「日の丸・君が代」の強制を通じて、教育を権力による支配の道具としようとしました。14年たった今、そのことがいよいよ明白になってきました。
また、職階制の強化によって、教員の管理統制と教員分断はいっそう進行し、「教科主任制」さらに「学力スタンダード」の導入によって、教科の専門性の剥奪、授業の下請け化は猛烈な勢いで進行しています。「政治的中立」の名のもとに、学校から自由な討論の場が一掃されようとしています。
そして、「オリンピック教育」の名のもとに、教育が政治ショーに動員されつつあります。東京都の教育はもはや教育という名に値するものではなくなりつつあります。
このような状態は一日も早く改められなければなりません。
東京都の教育行政当局に対して以下の諸点を強く要望します。
1.10・23通達を撤回すること。
2.10・23通達に起因する一切の処分を撤回すること。
3.10・23通達にもとつく校長の職務命令を出させないこと。
4.分限対応指針を撤廃し、一切の分限処分を行わないこと。
5.10・23通達に起因する処分を理由とするいっさいの再雇用拒否を撤回すること。
6.最高裁で処分取消しが確定した者に対する再処分を行わないこと。
7.思想転向を強要する再発防止研修を行わないこと。
8.生徒への「君が代」指導を強制する3・13通達を撤回すること。
9.都立の大学等に対する「目の丸・君が代」の強制をやめること。
10.職員会議での採決を禁止する4・13通知を撤回すること。
11,管理運営規則をもとに戻し、「主幹」と「主任教諭」を撤廃すること。
12.「主幹」「主任教諭」給料表を撤廃し、給料表を元に戻すこと。
13.教育内容の管理統制に通じる「教科主任」制度を廃止すること。
14.都立の中高一貫校への「つくる会」歴史・公民教科書の「採択」を撤回し、教科書採択に学校現場の意見を反映させる制度をつくること。
15.朝鮮学校に対する授業料無償化除外等の差別的対応をやめさせ、同学校に対する都の補助金を復活させること。
16.コンピューターシステムによる教育内容の管理及び学校現場への監視を止めること。
17.教員人事考課制度を撤廃すること。
18.自衛隊への「体験入隊」まで実施された「宿泊防災訓練」を中止し、「防災教育」を白紙に戻し再検討すること。
19.「生活指導統一基準」・「学カスタンダード」を撤廃すること。
20.オリンピックを国威発揚の手段とし、オリンピックについての誤った観念を注入する「オリンピック・パラリンピック教育」をやめること。
21.「永福学園事件」に象徴される能力優先の特別支援教育を改めること。
22.戦争をあおる「Jアラート」(ミサイル防災訓練)を実施しないこと。
23.個人情報の記載を強要する都庁舎への入場管理システムを廃止すること。
24.都民からの要請に対しては、教育情報課の窓口対応とせず、担当部局の責任者が応じること。
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