=新編・悲憤慷慨コラム「言わずに死ねるか」シリーズ 119=
★ ブラックな教職が、敬遠されているのではないか!《SELC(埼玉教育労働者組合)から》
・現状追認、日和見でいいのか!
・現状維持の空気、是を疑う。
・奴隷根性の屈辱を、ふり払え!
★ 「鵜の目鷹の目」の必要、教育改革
公立学校の教員採用試験の「志願者」が、目に見えて減少している。
そうか、学生が教職を敬遠するようになってしまったのか?
その訳が、学生志願者本人の、生の聞き取り調査から見えてきた。
「教育実習」で、学校が教育絶望現場の尖端を担っていることを知るなんて、この現象も、「失われた30年」の弊害であるか。いやいや、その一断面にすぎないのであるまいか。先生の卵は言う。
学校の勤務が厳しい、という実感め項目を並べてみる。
1,残業代が出ない、給与が安い。
2,労働時聞が長い、給特法の縛り。
3,課外の部活動指導に追われる。
4,保護者対応が多くてキツイ。
大方の、志願者の溜息であります。
どこか、昨今のマスコミ報道によって、「ブラック学校」現場の認知が、刷り込まれているきらいはあるが、志願者の目にも、少なからず事態は深刻であると映っているのは、事実であろう。
まあ、この間、世間を唖然とさせた「埼玉県虐待禁止条例改正案」。なんとまあ、開いた口が、塞がらないほどの提案者たちの「世間知らず」にも、程がある。これも県議会の実態であろう。
《子ども食堂やプレーパーク、学習支援など、子どもの居場所をめざす活動の現場には、多くの子どもたちが自分の選択で、自分の足で来てくれます。(中略)禁止されてしまうと、こうした子どもたちの居場所を奪うことになりかねません》(207団体の意見書より、抜粋)
学校義務教育の責任と社会教育との兼ね合い・・・縦割り行政の限界か。
何ともじれったい。どう見たって、この国の教育環境の劣悪な事態ばかりが目立つという、体たらくであります。
教員の「働き方改革」(本当は、教育行政改革が必要)を議論する「中央教育審議会」の特別部会が、「緊急提言」を発表(2023年8月28日)してから、2ヶ月余り経ちましたね。
これを受けて文科省は、8月29日に「大臣メッセージ」を発表すると共に、9月8日には、《取り組みの徹底を求める「通知」》を全国の教育委員会等に出している。
〔これを官僚言語では、「発出」と表記していますね〕。
こういう下司の根性を払拭しない限り、偉そうなことを言っても、発出しても、効果が得られるわけではないだろう、といった世間の疑惑的反応など、眼中にないでしよう。
「中教審」答申が主張する「取り組み」は、どんなものか。そもそも何故、そうした呼びかけをしなければならないのか。
その前に、ザァーと「文科大臣」のメッセージを提示してみよう。当事者意識が薄いのは仕様もない。逆に、世間体を気にして、危機感を煽っている感は否めないが、歯が浮いてしまうのをこらえて、読んでみてください。
表題からして、ズレテいませんか!
《子供たちのための学校の働き方改革できることを、直ちに、一緒に~》だってさ。当事者たる教員(労働の質量)が、主語・主体になっていませんよね。
1,国が先頭に立って改革を勧めます。
2,学校・教育委員会は、できることは直ちに実行を。
3,保護者・地域住民の皆様への提言。
これって、「お題目」というヤツではないか。《国が先頭に立って、改革を進めます。これまで以上に、力強く「教育予算」を確保します》嘘だろう!
国・地方自治体・各学校現場が行う具体策に行く前に、改革の理念・目的が現場にとって納得できるものであるかだって!プッと吹く激昂を、両手で抑えました。
「学校における働き方改革」元年(2019年)から4年も過ぎているのに、依然として長時間労働(超勤)の教師が多い。
にもかかわらず、問題を教師の自己責任におつかぶせて、50年ぶりの抜本的改善に向けて、議論を進めています、と呑気に述べているではありませんか。
早急に対策を講じる事として、大幅なる「教員定数」の改善や「支援スタッフ」の大胆なる配置充実、教師のなり手、確保に向けた取り組みを進める、というのです。
また、現場の「業務改善の見直し」を、国が率先して示す、としている。
ホンマかいな。俄かに信じられまい。
*教育課程編成の見直し、標準授業時数の大幅な改定が必須。又は、学級人数の削減等々、労働条件が劣悪ゆえに、「教育実習」を受けた学生が、現場の劣悪さを知って、教職を断念せざるを得ないと訴えた報告記事(2023年11月6日朝日新聞・教育欄)は、たとえ「教育実習」であれ、いくら《教職は子どもと向き合い未来の社会をつむぐ仕事》であっても、現今の余裕のない学校の労働環境では、子どもらの未来を保証する教育現場から、遥かに遠いのでは?(石毛)
『SELC(埼玉教育労働者組合) No.442』(2023年11月22日)
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