ジュネーブ人権ツアー報告

言論弾圧６事件を訴えて
選挙の自由を保障する　歴史的な勧告を手に入れることができた　！
世界人権宣言６０周年・裁判員裁判を目前に、連帯の力発揮した人権ツアー
Japaneze Association for the Rights to Freedom of Speech
言論・表現の自由を守る会　 事務局長 垣内つね子

　はじめて人権ツアーに参加しましたが、大石忠昭さんとたくさんの「大石さんを守る会」のみなさんとご一緒でき、まるで大石さんの最高裁要請の延長のような素晴しい充実した活動でした。ヨーロッパの秋を味わいながら、実にゆかいで楽しく個性豊かなみなさんとともに、海外で地に足の着いた活動することが出来たことに心から感謝しています。
　日本の人権状況を改善するために活動してこられた国際人権活動日本委員会の長年のすばらしい国際活動の歴史と重みを感じました。鈴木亜英議長と役員・事務局のみなさん、会の国連人権理事会へのレポートと民の声などの翻訳をしていただきました松田順一さんに心から感謝いたします。
　パラグラフ２６．
　委員会は公職選挙法のもとでの戸別訪問の禁止、選挙運動期間前に配布可能な文書図画への制限などの表現の自由及び参政権に対して課された非合理的な制約につき懸念を有する。委員会は、政治活動家と公務員が、私人の郵便箱に政府に批判的な内容のリーフレットを配布したことで、不法侵入についての法律や国家公務員法の下で逮捕、起訴されたとの報告についても懸念する。（第１９条及び第２５条）
　締約国は、規約第１９条及び第２５条の下で保護されている政治活動及び他の活動を警察、検察官及び裁判所が過度に制約しないように、表現の自由と参政権に対して課されたいかなる非合理的な法律上の制約をも廃止すべきである。
　この画期的な勧告が出た１０月３１日は、当会が日本委員会に加盟してちょうど１年目でした。２００４年３月３日の堀越明男さんの事件直後から支援をはじめた私たちは、２００７年８月に、豊後高田市議の大石忠昭さんと「大石さんを守る大阪の会」事務局長の藤尾幸男さんを招いて、首都圏に大石さんの支援の輪を広げようと８・５船橋集会を開き、関西まで大きく広がっていた「大石さんを守る会」の運動を関東まで広げることができました。この集会に国際人権活動日本委員会の吉田好一さんをはじめ上野節子さん塩田哲子さんたちも参加してくださり、私たちは日本委員会の存在を知りました。
　翌月９・７福岡高裁不当判決の報告集会で、河野善一郎弁護団長は、壇上から「ジュネーブに行こう！」と参加者に呼びかけられ、会では、吉田さんにお願いして学習会を開き、加盟して、会の名称から「船橋・習志野・八千代」をはずし、国際活動をするために英語の名前をつけ、国際人権規約の個人通報制度早期批准の個人署名を開始しました。
　２００８年１月２８日、最高裁は大石さんの事件で、大法廷を開かず国際人権規約を適合しないまま上告を棄却して逃げてしまいました。
　しかし、４月７日には、初めて言論弾圧６事件の集会が開かれ、河野弁護団長が国際人権規約の活用について訴え、現在では、全ての弁護団の中に国際人権規約が位置付けられています。
　大石さんに続いて立川事件も不当判決。翌５月には、東京高裁で、板橋高校君が代弾圧事件の藤田先生、９月には国公法世田谷事件も不当判決。前年には、葛飾事件も地裁判決が覆され、６事件すべて有罪判決とされ、国際人権規約の適応が急がれている中で、今回１０年ぶりに日本政府の審査が行われたために、当会は、ロビー活動に参加することができました。
　この画期的な勧告を、大いに活用したいと思います。