※この記事は下の記事の続きです。↓
http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun/59862966.html
◇ 【厚労省通達】高年法順守の為の指導を強化
既に説明したとおり、国は企業に対して*65歳までの雇用の義務付けを行いましたが、中小零細企業においては、その制度化が遅れています。そこで厚労省は4月1日通達を発し、制度化が遅れている企業に対する指導を強化することになりました。その内容は上の資料2のとおりですが、分り難いと思われますので、以下にその概要を記載することとします。
★ 60歳未満の定年を定めている企業(高年法8条違反企業)に対する指導
【60歳未満定年の基本的な考え方】
● 高年法第8条では坑内作業(鉱業法第4条に規定する事業)を除いて60歳未満の定年は法違反としているので、60歳未満定年を定めている企業に対しては定年の定めが無いものと看做される。
【定年の状況の把握】
● ハローワークや労働基準監督署において、あらゆく機会を通じて60歳未満企業の情報を把握する。
【企業に対する指導の実施】
● 書面による指導の実施「高年法第8条によって60歳を下回る定年を定めても民事上無効であるので、その定めを基に退職させることはできない。」旨の内容の文書を交付しての指導
● 企業訪問による指導、改善が図られるまで継続的な指導が行われる。
★ 22年度において64歳に達するまでの雇用確保がされてない企業(高年法9条違反企業)に対する指導
高年法9条違反の企業に対しては、従業員が31人以上の企業に対する指導と30人以下の企業に対する指導に分けています。31人以上の企業に対してはより厳しく指導する内容となっています。
【従業員が31人以上の企業に対する指導】
● 企業訪問による指導(個別指導)
ハローワークの職員が企業を訪問して指導する。指導は継続的に行われる。改善がなされない企業に対しては、労働局の幹部職員による訪問指導も行われる。
● 文書による指導
同一事由による3回以上の個別指導(内少なくとも1回は企業幹部への個別指導)にも関わらず、何ら具体的な取り組みがなされないときは「指導文書」が発出される。2カ月程度に期限で「計画書」の提出が求められるなど。
●「勧告書」の発出や「助成金の不支給」のどの措置
状況によっては,「勧告書」の発出や「助成金の不支給」「求人の不受理」「紹介保留」などの措置がとられる。
【従業員が30人以下の企業に対する指導】
ハローワークが行う説明会を活用した集団指導などが活用される。労働者等から法違反の訴えが有った場合には必要性を考慮して個別指導が行われる。
★ 継続雇用の対象者基準を就業規則で定めている企業に対する指導
65歳に至るまでの雇用義務を果たすための企業の選択肢(①定年の引き上げ②継続雇用制度の導入③定年の定めの廃止)の三つの内、②の「継続雇用制度の導入」を選択する企業が圧倒的に多いことは既に述べました。
「継続雇用制度の導入」にあたっては「可能な限り希望者全員を対象とする制度が望ましい。」(通達)ことになっていますが、労使協定で継続雇用制度の対象となる高年齢者についての基準を定めて継続雇用制度を導入した場合には継続雇用制度が導入されたものと看做されることになっています。
【大企業(301人以上)に対しては直ちに労使協定の締結を行うよう指導が行われる】
【中小企業(300人未満)に対しては出来るだけ早く労使協定を結ぶよう指導される】
しかし、過半数組合や労働者の過半数代表者との基準に関する話し合いが纏まらない場合には、一定期間について就業規則で基準を定めることができるとしていました。一定期間とは次の通りです。
●301人以上の大企業の場合:平成21年3月31日まで
従って、大企業の場合には既に期限が来ていますので、基準を定めるのであれば労使協定によらなければなりません。まだ労使協定を締結していなければ、直ちに締結するよう指導がなされることになります。ここで重要なのは過半数組合が組合員の意見を反映させる交渉をすることです。また、組合が無い場合には、過半数代表者が民主的に選ばれ、選ばれた代表者が労働者の意向をくみ上げることです。
● 300人以下の企業の場合:平成23年3月31日まで
来年の3月末までは就業規則での規定が認められますが、4月1日からは労使協定による基準で無ければならなくなります。
『労働相談 奮闘記(旧「風太郎の労働相談奮闘記」)』(2010/9/21)
http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun/59862986.html
http://blogs.yahoo.co.jp/huchisokun/59862966.html
◇ 【厚労省通達】高年法順守の為の指導を強化
既に説明したとおり、国は企業に対して*65歳までの雇用の義務付けを行いましたが、中小零細企業においては、その制度化が遅れています。そこで厚労省は4月1日通達を発し、制度化が遅れている企業に対する指導を強化することになりました。その内容は上の資料2のとおりですが、分り難いと思われますので、以下にその概要を記載することとします。
★ 60歳未満の定年を定めている企業(高年法8条違反企業)に対する指導
【60歳未満定年の基本的な考え方】
● 高年法第8条では坑内作業(鉱業法第4条に規定する事業)を除いて60歳未満の定年は法違反としているので、60歳未満定年を定めている企業に対しては定年の定めが無いものと看做される。
【定年の状況の把握】
● ハローワークや労働基準監督署において、あらゆく機会を通じて60歳未満企業の情報を把握する。
【企業に対する指導の実施】
● 書面による指導の実施「高年法第8条によって60歳を下回る定年を定めても民事上無効であるので、その定めを基に退職させることはできない。」旨の内容の文書を交付しての指導
● 企業訪問による指導、改善が図られるまで継続的な指導が行われる。
★ 22年度において64歳に達するまでの雇用確保がされてない企業(高年法9条違反企業)に対する指導
高年法9条違反の企業に対しては、従業員が31人以上の企業に対する指導と30人以下の企業に対する指導に分けています。31人以上の企業に対してはより厳しく指導する内容となっています。
【従業員が31人以上の企業に対する指導】
● 企業訪問による指導(個別指導)
ハローワークの職員が企業を訪問して指導する。指導は継続的に行われる。改善がなされない企業に対しては、労働局の幹部職員による訪問指導も行われる。
● 文書による指導
同一事由による3回以上の個別指導(内少なくとも1回は企業幹部への個別指導)にも関わらず、何ら具体的な取り組みがなされないときは「指導文書」が発出される。2カ月程度に期限で「計画書」の提出が求められるなど。
●「勧告書」の発出や「助成金の不支給」のどの措置
状況によっては,「勧告書」の発出や「助成金の不支給」「求人の不受理」「紹介保留」などの措置がとられる。
【従業員が30人以下の企業に対する指導】
ハローワークが行う説明会を活用した集団指導などが活用される。労働者等から法違反の訴えが有った場合には必要性を考慮して個別指導が行われる。
★ 継続雇用の対象者基準を就業規則で定めている企業に対する指導
65歳に至るまでの雇用義務を果たすための企業の選択肢(①定年の引き上げ②継続雇用制度の導入③定年の定めの廃止)の三つの内、②の「継続雇用制度の導入」を選択する企業が圧倒的に多いことは既に述べました。
「継続雇用制度の導入」にあたっては「可能な限り希望者全員を対象とする制度が望ましい。」(通達)ことになっていますが、労使協定で継続雇用制度の対象となる高年齢者についての基準を定めて継続雇用制度を導入した場合には継続雇用制度が導入されたものと看做されることになっています。
【大企業(301人以上)に対しては直ちに労使協定の締結を行うよう指導が行われる】
【中小企業(300人未満)に対しては出来るだけ早く労使協定を結ぶよう指導される】
しかし、過半数組合や労働者の過半数代表者との基準に関する話し合いが纏まらない場合には、一定期間について就業規則で基準を定めることができるとしていました。一定期間とは次の通りです。
●301人以上の大企業の場合:平成21年3月31日まで
従って、大企業の場合には既に期限が来ていますので、基準を定めるのであれば労使協定によらなければなりません。まだ労使協定を締結していなければ、直ちに締結するよう指導がなされることになります。ここで重要なのは過半数組合が組合員の意見を反映させる交渉をすることです。また、組合が無い場合には、過半数代表者が民主的に選ばれ、選ばれた代表者が労働者の意向をくみ上げることです。
● 300人以下の企業の場合:平成23年3月31日まで
来年の3月末までは就業規則での規定が認められますが、4月1日からは労使協定による基準で無ければならなくなります。
『労働相談 奮闘記(旧「風太郎の労働相談奮闘記」)』(2010/9/21)
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