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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

震災後 学校の昨今<1>

2011年09月20日 | 暴走する都教委
 ◆ 震災後 学校の昨今<1>
N.K.(都立高教員)

 都立校冷房設備はおおかた整ったと思われたが、例年よりも暑くて暗い今夏である。最近の管理職と事務長の関心事は、知事の節電目標25%発言に伴い、とにかく節電、だ。
 昨日は室温計36℃を示す中、職員の悲鳴をよそに副校長は職員室の冷房を頑としてつけさせなかった学校もあった。職員の身体より何よりまず数値ありきだ。
 私の勤務校でも職員室の窓側の電灯は消す、廊下の電灯は点けない、冷房は電力使用のピークと言われる午後2~3時は止め、それ以外でも温度を高めにするか、不使用。さらに、校内を巡回して各部屋のムダな電灯と窓締めのチェックを励行している。
 節電自体は良いことだろうが、毎度のことながら、結果の数値によって各校が順に並べられ、学校ごとに業績評価されるプレッシャーが管理職には相当かかっているのだろうと推察される。
 文化祭シーズンを前に、5月24日高指課より通知があった。都立校の使用電力量がピークになるという文化祭では、「生徒への指導」としてホットプレート、レンジなどの原則使用禁止、お化け屋敷などのクーラーを必要とする企画を原則禁止、演劇のライト・会場の共用、複数会場を同時開催にしない……にいたるまで、指導する旨7項目にわたり細かく書かれている。
 文化祭については、たいていの学校では生徒も教員も5月くらいからとりくみを始めるから、生徒の出し物や使用する部屋などを決める前にと、急遽出された通知なのだろうか。まず管理職を通じて生活指導部へ前もって予告があり、そこで教員は詳細のわからぬまま、テーマ決めなどの最も重要な話し合いなどの時期の生徒に、ストップをかけなければならなかった。3週間ほどして前述の文書が来た。
 震災については教員も生徒もそれぞれ受け止め、正面から取り上げようとするクラスを含め、できる範囲での支援や協力を模索しているところだった。今年は電気器具禁止とするにしろ、そこに至るまでを生徒に考えさせる過程こそが教育ではないのか
 「都が○○と言っているからダメ」式の指導はしたくない。実際、最も奮闘を要したのは、通知の通りに生徒に伝えるだけの文化祭・生徒会担当教員と、言われるがままに従って「そんなこと言ったってどうせ変わらないんだから」と逆にたしなめてくる生徒たちとの話し合いだったが。
 ともかく、たとえ緊急時とはいえ、生徒と教員が一緒に考えるやりとりの中での指導、すなわち各学校内の教育内容にまで踏み込んで一律に指図された不快感とともに、役人の教員への不信を感じた。
 (続)

『都高退教ニュース』(2011/9/5 NO.79)

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