<転送歓迎>(重複ご容赦)・「新芽ML」、・「ひのきみ全国ネット」、・「戦争をさせない杉並1000人委員会」の渡部です。
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(少し長いです)
昨日(7月30日)、杉並区長選を闘った▲ 「住民思いの杉並区長をつくる会」の全体会が会場+ZOOM形式で開かれ、100人以上が参加した。
岸本新区長も参加し、この間様々なレクチャー、諸挨拶、取材などで多忙だったことを語り、当面のこととして、
・コロナ第7波にたいする区の対応(情報発信、不安解消)、
・地方創生交付金などで物価上昇への対応
・給食費値上げ分の公費負担
・プレミアム商品券、紙の商品券発行も(地域経済活性化)
・9月12日から始まる区議会への補正予算案策定や所信表明の件、
などについて語った。
その後、様々な意見交換や、会計報告がなされ、政治団体としての「つくる会」は解散し、新たに「後援会」と住民運動のプラットホーム(杉並コモンズ?)を立ち上げることが確認された。
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ところで、同日付けで『私がつかんだコモンと民主主義』(岸本聡子著、晶文社、1600円+税)が発行された。
杉並区内の本屋にはすでに山積みになっていた。
この本には、岸本さんがこれまでどのような人生を歩んで来たかが赤裸々に書かれている。彼女は冒頭次のように述べている。
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この本は、ロストゼネレーションに生まれた日本人女性である私が、日本人とオランダ人の国際結婚に葛藤しながら、ヨーロッパの移民として、学歴もお金もないところから働いて、子育てして、「自分のことは自分で決める」を貫いて生きてきた記録だ。
同時多発テロからコロナ危機まで、世界の激動の20年の中を、お金儲けからは程遠い「コモンズと民主主義」や「気候正義と多様性」を追求して、仕事にしてきた。
その20年間を振り返ってみたい。
それがいま、世界に同時多発的に起きている「下からの民主主義」を後押しするものになればと思う。
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そして、以下のような目次建てになっている。
Ⅰ部 日本からの移民イン・ヨーロッパ
日本人、ヨーロッパの政策NGOで働く
外国人として、移民として、女性として生きる
グローバルな対抗運動の芽生え
Ⅱ部 ロストジェネレーションの連帯
ロスジェネ世代と呼ばれて
私の環境運動は気候変動から始まった
水の正義とエネルギーの民主化
Ⅲ部 フェミニズムを生きる
それは夫婦別姓から始まった
結婚と家族と言語の事情
作ること、食べること、生きること
私たちはケアし、ケアされている
同時多発的な市民運動の時代に
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「Ⅰ部 日本からの移民イン・ヨーロッパ」の中で、彼女は次のように述べている。
「80年代に始まった新自由主義は、ミレニアムを経て浸透し、受け入れられ、深化し、庶民の生活や社会関係を具体的に変えて行った。それは、私がヨーロッパで生きた20年間と重なっている。私が到着して間もなく起きた2001年9月11日の同時多発テロは、社会を一変させる破壊力を持ったし、その後の政治風景を大きく変えた。」
そして、その後の彼女の活動は、一貫して、世界中で起きていた「新自由主義政策」による「民営化」とそれに対抗して世界各地で起きてきた住民・市民らの闘いへの支援、連帯の活動であったと言える。
また、その間の彼女の家庭や地域とのかかわりも具体的に書かれていて大変興味深い。
「Ⅱ部 ロストジェネレーションの連帯」では、
<きょうだいすべてがロストゼネレーション>という項目もある。
「Ⅲフェミニズムを生きる」には、
<政治家は女性に向いた仕事>
<私はオランダ語ができない>
などとという項目もある。
そして最後の、「同時多発的な市民運動の時代に」のところでは。
<ミュニシパリズムとは何か>という項目があり、そこでは、次のようなことが述べてある。
「スペインのミュニシパリズムは2011年、政府とEUの厳しい緊縮財政に怒り、広場に集まった若者たちの『怒れる人々(Indignados)』運動に端を発している。マドリードやバルセロナで100万人以上が広場を埋め尽くしただけでなく、スペイン全土60都市で大規模な抗議に発展した。・・怒れる人々運動は、その後国政政党『ポデモス』を誕生させ、・・」
「ミュニシパリズムの大切な特徴の一つは、地域の主権を大切にするのと同じくらい、国際主義を大切にしていること。自分たちの地域や国だけが良ければよいのではなく、搾取的な人間と自然、南と北、ジェンダーや人権の関係を根源的に問うエコフェミニズム思想が重視されている。また強権的な国家や超国家(EU)がじりじりと押しつけてくる、新自由主義的で排他的な政策を恐れず、国家を飛び越えて地域と地域がつながることで国家を包囲する強さを養おうという気概も大切な特徴だ。ローカルとグローバルは国家をこえて一気につながることができる。」
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新自由主義を一気に広げた同時多発テロ(2001年)から20年余り、今や世界は新たな「同時多発的な市民運動の時代に」入りつつある。
そうした中で岸本さんは、新自由主義政策で苦しむ東京・杉並区の住民の願いにこたえ、立候補を決意してくれた。
そして、住民と共に厳しい選挙戦を闘い抜き、杉並区で初めての女性区長になったのである。
世界の新しい潮流は、岸本さんを通じて日本にも入って来たということだろう。
バルセロナ市民が作った新しい政党バルセロナ・コモンズのリーダー、アダ・コラールは、バルセロナ市で最初の女性市長になり現在2期目を務めている。その彼女は杉並区長になった岸本さんに以下のようなメッセージを送ってきた。
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私たちは選挙を超えて、都市の公共財(コモンズ)と民主主義を地方政治に取り戻そうとしているのです。
利権を恐れず、国政やEUからの政策圧力を恐れず、移民や難民を助けることで国から制裁されることを恐れない。
地域経済と市民を守ることを恐れない自治体と市民のネットワーク
「恐れぬ自治体(fearless cities)です。私たちは、皆に必要な公共サービスは民営化や市場化するのではなく、民主化するべきだという信念を共有しています。私はSATOKOが国際的な豊かな経験から、杉並で実行力を発揮すると信じています。」
みなさん、是非、お読みください。
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