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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

都立高卒業式のビラまきと3.11前後の反原発運動

2019年03月13日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ◆ 校門前に「日の丸」がなかった都立三商卒業式

 まるで春の日のように暖かい朝、江東区の第三商業高校卒業式(全日制)の校門前で、ビラまきをした。
 この学校はJR京葉線・越中島駅から徒歩8分、地下鉄東西線門前仲町駅から18分のところにある。東京海洋大学(旧・東京商船大学)の東側200mの位置で、南側の豊洲橋を渡ると芝浦工業大学豊洲キャンパスがある。近くには深川三中や越中島小学校もあるので文教地帯といえる。
 一方学校の北側には福山通運の大きな倉庫(東京支店)、東側には清水建設の技術研究所、海洋大学の東隣にはスポーツニッポン本社がある。さらに門前仲町付近には深川仲町商店街があり、2年生がインターン実習をする。
 江東区なので、もちろんURの越中島三丁目ハイツや都営アパートはじめプラウドシティ、クレヴィアなど民間マンションも多いし、
 橋を越えると豊洲のタワーマンションが並ぶ地域で、向かいの福山通運の1階はミニストップ、大戸屋、クリーニング店、福山みどり保育園など住民向けの店舗が入っている。
 隣の越中島三丁目ハイツの壁面には「福山通運さん、環境破壊をやめて! 危険! 屋上にトラック210台」という垂れ幕が掛かっている。
 ゴチャマゼのようだが、だだっ広く、ちょっと未来的な風景が広がっている。

 この学校は、校門に「卒業証書授与式」という看板は立っていたが、国旗や校旗はなかった。どこにもないわけではなく、はるか遠くのグラウンドのはずれの校舎に近いところに3本の掲揚ポールがあり、そこに掲揚されていた。
 たまたま風が弱く、国旗はうなだれていた。今年の市販カレンダーに元号が表示されていないのと同様、校門前はすがすがしい風景だった。
 生徒の4割くらいは自転車通学で、歩道が3~4mありかなりのスピードで通過する。入口が2つあり、わたくしは電車通学の生徒にしか渡せなかった。電車が到着するたびに集団で通りかかる。
 いまどきの生徒なので、路上のビラは受け取らないことが条件反射のように身についているようで、こちらが「お早うございます」と呼びかけても目を合わそうとはしない。
 たまたま目が合い、うまく手のあたりにチラシをもっていけた生徒だけ、もらってくれる感じだった。一人が受け取ると、つられて次の生徒も受け取り、他人の行動に合わせることもいまどきの風潮のようだった。
 生徒数は約620人、男子2割、女子8割だが、在校生も卒業生も同じ制服なので見分けがつかない。晴着を着ている生徒は1人もいないが、口紅などの化粧をしている女子は大勢いた。
 もらったビラをみてまず目に入るのが「ご卒業おめでとうございます」というキャッチなので、ときどき「ワハハ」という笑声が背中から聞こえてきた。たぶん在校生だったで「卒業生に見られた」と笑ったのだろう。
 今年撒いたビラは、表がいつもと同じく「卒業生・在校生、教職員、保護者の皆さん 誰にも立たない、歌わない自由があります」というキャッチで、10.23通達による被処分者はこの15年間でのべ483人に上り、職員会議での討論もなくなり命令と強制が支配する学校になっていること、愛国心教育で2020オリンピックの「ボランティア」動員がおこなわれていることを説明している。
 裏面は2月24日の沖縄県民投票をとりあげ「沖縄県民投票では18歳の有権者も自分の意見を表明しました。未来を決めるのは若いみなさんです」と辺野古新基地建設反対の民意表明および、背景として「戦争法」制定(2015年)、安倍改憲の動向、2022年からの「公共」新設などを説明している。
 保護者は「ご卒業おめでとうございます」と声をかけると、「ありがとうございます」といって受け取ってくれる人が多いのは他校と同じだが、やはり路上ビラを受け取らない習慣がついていて「ありがとうございます」とだけいって、ビラは受け取らず通り過ぎる人も2割くらいいた。
 「こんなもの気分が悪いから、こんな場所で配るな。あっちで撒け!」と怒って向かってきた若いお父さんが1人いた。校門前で配るのが気に入らなかったようだ。
話には聞いたことはあるが、こういう体験はわたくしは10年ほどやっていて初めてだった。
 こういう状況で合計181枚撒けたのは、上出来である。

 この学校は、三商とナンバーがついているだけあり90年以上の歴史をもつ。
 一商は渋谷の代官山、二商は八王子にある。
 旧制中学で一が日比谷、二が立川、三は両国なのと同様である。
 伝統校なので、卒業生もきらびやかだ。

 正門前のガラス展示ケースに、学校案内と並び、4年ほど前の週刊誌の記事の拡大版が貼られていた。戦前から江東、中央、台東、江戸川などの子弟が集まったようで、入船堂、山形屋海苔店、アブアブ赤札堂、長谷川香料、人形の久月、鈴屋、うなぎ川勇など地元企業の経営者を輩出している。
 驚いたのは、詩人で「荒地」を創刊した田村隆一、北村太郎、その後同人に加わった加島祥造の3人が1940年卒の同級生だということだ。このころ「犬のおまわりさん」「グッドバイ」などを作詞した佐藤義美が国語科教員だった。
 その他、映画監督の鈴木清順、俳優の殿山泰司、落語家の11代目金原亭馬生、アナウンサーの糸居五郎(ニッポン放送)、林美雄(TBS)も出身者だ。
 野中郁次郎(経営学者、一橋大学名誉教授)、岡野加穂留(政治学者、元明治大学学長)も卒業生だ。
 吉本隆明が月島育ち(府立化学工業出身)であることは知っていたが、下町の名門校のパワーは偉大だ。
  第三商業とも、卒業式とも関係はないが、校門前ビラまきの翌日の日曜には反原発集会があり東電前国会正門前の集会、11日にはデモに参加した。
 原発事故から8年になるが、2つの集会とも最盛期と比較すると参加者数はずいぶん少なく感じた。とはいってもふつうの路上集会よりはずっと人が多い。
 ☆ 東電本店合同抗議(呼びかけ:経産省前テントひろば、たんぽぽ舎)は、鎌田慧さん、福島原発被害東京訴訟原告団などのスピーチ、東電への申し入れ行動などがあった。
 いつも官邸前の金曜行動でみかける多摩川太鼓のパフォーマンスを今回は2人でやっていた。迫力のこもった演奏だった。
 0310原発ゼロ☆国会前大集会(主催:首都圏反原発連合)では、古賀茂明さん(元経産官僚)、菅直人元首相などのスピーチがあった。

 菅氏の「戦争以上の被害をもたらす原発、原発廃止は日本こそ先頭に立ち行うべきだ。政府は「目先の利益」にとらわれ原発再稼働を主張する。しかしこれはウソだ。使用済み燃料の処理費を入れていない。3.11以降原発のコストは3倍になっている」というスピーチは説得力があった。
 政治家では、阿部知子(原発ゼロの会事務局長)、吉良よし子(日本共産党)、大河原雅子(立憲民主党)などのスピーチがあった。久しぶりに阿部さんの元気な声を聞いた。また吉良さんは演説がずいぶんうまくなっていた。
 この集会でも、ふくしまボトムズとリクオのライブがあった。「シャーララララ、ララッラー」とみんなで合唱した(このサイトの7分40秒くらいから)。
 毎年3月11日政府追悼式典の日の☆ 地震発生時刻に行われるデモ(主催:3・11行動実行委員会)に参加した。
 日比谷公園霞門をスタートし、経産省、関西電力東京支社、東京電力本社と回る。
 「原発反対、東電解体」「皇族出席の追悼式典反対」と声を上げた。
 内幸町みずほ銀行の交差点にはウヨクが集結していた。
 3月12日は、強制起訴により、勝俣恒久元会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長を被告として2017年6月に始まった東電刑事訴訟の結審日である。
『多面体F』(2019年03月11日)
https://blog.goo.ne.jp/polyhedron-f/e/114d18fc017776f6789ceb8612b6d8cb
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