◆ BPO放送倫理・番組検証機構の<重大な放送倫理違反あり>を受け止め、
NHKは五輪反対運動に謝罪せよ!
昨年12月26日に放送されたNHK BS1スペシャル「河瀨直美が見つめた東京五輪」について、本日、BPO放送倫理・番組検証機構が<重大な放送倫理違反あり>との意見を通知・公表した。
BPOが重大な放送倫理違反を認定したこと、単なる字幕問題に矮小化せず、放送によってデモの参加者がお金で動員された主体性のない人々である印象を与え、五輪反対デモやデモ全般までもおとしめる内容であったことに言及していることは、当然のことであるが評価したい。
単なる字幕問題に矮小化した報告書と形式的な謝罪で終わらせようとしたNHKは、<放送倫理違反>を真摯に受け止めよ。
その上で、私たちは、この番組によりおとしめられたオリンピック・パラリンピック反対運動の主体として、意見書の不十分さも感じている。以下、その点を指摘して私たちの見解とする。
1.東京オリンピック・パラリンピックが「世論を二分する中で開催された」(意見書「おわりに」)以上、番組には五輪批判の声をどれだけきちんと反映させるかが問われていた。にも関わらず、「プロの反対側」「本当に困ってる反対派」とする島田角栄氏の物語に合わせて番組を構成し、その結果、事実と異なる内容を放送したことが問題の骨格だと考えるが、意見書はそこまで踏み込んでいない。
2.意見書では、別のデモについての発言を五輪反対デモにすり替えて編集されたことが認定されているが、これは明らかに「ねつ造」である。記者会見では記者からもその点についての言及があり、委員らからは「半ばねつ造とも言える行為であるが、悪意はなく重過失と考える」旨説明があったと聞く。ドキュメンタリー番組である以上、事実と異なることを知りながら事実であるかのように放送することは、悪意の有無には関係なくねつ造である。なぜねつ造であると明言することが出来なかったのか疑問が残る。
3.問題のシーンについて見過ごしたことについて、意見書はその理由をNHKスタッフによるデモや社会運動への「関心の薄さ」と指摘している。しかし、それらは「関心の薄さ」などと言う消極的なものではなく、むしろ反対運動に対する悪意ある偏見だと私たちは考える。NHKのデモに対する偏見や負の価値観が根底にあったからこそねつ造報道が生まれたという認識が欠如しており納得し難い。そしてその偏見は河瀬直美監督や島田角栄氏とも共有されていたと私たちは思う。
現在、連日のように五輪に関わる贈収賄のニュースが報じられ、前組織委会長であり「女性差別」発言で辞任した森喜朗氏にも事情聴取が行われるというとんでもない事態だ。また、「アンダーコントロール」という大嘘で五輪を招致した安倍元首相については、亡くなってからのちに、カルト宗教との関係がクローズアップされている。東京五輪に関わる「カネ」の問題は、すでに招致の前から始まっていたのだ。
五輪を「善」として推進してきた人々。IOCや組織委員会、JOC、東京都、日本政府、そして電通やゼネコン、スポンサー企業等々五輪利権にまつろう人々、その中に、河瀬直美や島田角栄、NHK番組を作った人々もいる。仮に番組スタッフの社会運動に対する「関心の薄さ」を前提にしても、放送に携わるものとして、物事の本質に迫る気概を無くすべきではない。
私たち五輪反対派を「金で動員」と侮辱しておきながら、実際、金で動いているのは五輪推進派の人々であることが明確になった。NHKは真摯に反省して、私たち反対運動に対する人権侵害を謝罪せよ!
五輪の闇を暴く真っ当な番組を作れ! IOC、日本政府、組織委員会は、すべての真相を明らかせよ! オリンピック・パラリンピックはどこにもいらない!
2022年9月9日
『反五輪の会/「オリンピック災害」おことわり連絡会』
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