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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

賃金は下がり配当と企業の内部留保だけが増え、富裕層だけ拡大したアベノミクス

2019年06月19日 | 格差社会
 ◆ 消費増税中止、余剰資金に課税を
   ~憲法の租税原則は応能負担と累進制 (週刊新社会)

 ◆ 租税の憲法原則
 全て突々が人間らしく生きるために、みんなで支え、みんなでお金を出すのが税金で、そのために支出するのが財政です。
 生活するために必要な活動やサービス、施設など、例えば、学校1校あたりの建設費用は平均約13億円です。救急車1台あたりの購入費用は、約2000~3000万円、信号機1機あたりの値段は240万~470万円と言われ、全国に約21万機設置されています。
 政府は、国民に「ただ」で公共サービスを提供するために財貨を、国民から強制的に調達します。それを国家の「租税高権」と言います。
 現代社会国家は、国民生活や経済を安定させるために租税に依存します。したがって、現代社会国家は「租税国家」と言われています。
 日本国憲法には、第11条に「基本的人権の享有と本質」、第12条に「自由・権利の保持義務等」が規定され、第13条で「すぺての国民は、人として尊重される」とし、第14条に「法の下の平等」、第25条で「生存権の価値」、すなわち社会権・平和的生存権(社会国家)を憲法の最も重要な価値として定めています。
 そのことによつて租税の在り方として、「応能負担原則」を導いています。

 ◆ 格差と貧困の拡大

 現在の社会の難題は「貧困と格差」と、それによる「人口減」と言われます。【表1】
 2002年と17年、200万円以下の給与所得者は230万人増加しています(官製ワーキングプァの公務部門は集計に入っていない)。
 一方、これに対し【表2】1億円を超す高額給与所得者は年々増えています
 1億円以上5億円以下では、2011年から17年の4年間でも175%増と、倍近くまでなっています。
 ◆ 租税国家の危機、応能負担原則の形骸化

 消費税は1989年4月に導入され、今年で30年になりました。
 消費税導入も、その増税も「社会保障財源」「赤字財政を将釆世代に残さない」ためと説明されました。
 しかし実際は、89年の税収入総額は55兆円でしたが、90年から2018年の30年間の税収平均は50兆円程度でした。景気動向の影響もあります。税収は逆に下がっているのです
 「租税国家の危機」が生じています。

 相次ぐ減税で法人税は大幅に低下し、その代り消費税が台頭しました。消費税が、大企業と富裕層への減税と引き換えにされたのです
 そもそも法人税の税率は、消費税導入前は42%でしたが、年々税率を下げ、23・2%まで引き下げられました。
 所得税の最高税率も86年は70%でしたが、現在は45%です【表4】。

 ◆ 大企業・富裕層に増税を

 安倍内閣は今年10月から、消費税10%に増税する態度を崩していません。消費税は「逆進性」があり、所得が低い人ほど税負担は重くなります。そもそも課税は「応能負担」が原則です。
 収入が多い人や大儲けの大企業が、それに応じた税を納めるべきです。

 「内部留保」という企業財産が増加の一途です。それは次の図のように労働分配率が低下したためです。賃金は下がり【上図】、配当だけが増えました
 その上、上場企業幹部の金融資産は庶民の想像を超える額を保有しています。【下図】
 さらに、輸出企業には消費税の「輸出還付金」の制度があり、2012年はトップ20社で1兆1000億円以上の莫大な還付金を手に入れています。
 安倍政権は消費税を先ず5%に下げ、庶民の負担を軽減し、その不足財源は「応能負担」原則により、大企業・大株主・富裕層へ増税すべきです。
『週刊新社会』(2019年6月18日)

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