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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

教科書検定の上に「政府検定」が入ったようなもの。従軍慰安婦用語「訂正申請」。

2021年09月14日 | こども危機
 ◆ 教科書訂正 広がる批判 (神奈川新聞)
 政府が「従軍慰安婦」や「強制連行」という用語を不適切と閣議決定し、教科書への反映を求めていた問題。教科書会社5社が記述の削除や変更の訂正申請をし、文部科学省が8日付て承認したことを受け、教育関係者から批判の声が広がった。
 教育基本法が禁じる「政治介入」との指摘が相次いだほか、一部政治家の主観による「閣議決定」を教科書記述に反映させる道を開いた教科書検定基準の見直しを求める声が上がった。(柏尾安希子)
 ◆ 「教育への政治介入」

 「歴史用語を権力が定め、それ以外を禁じるのは学問の自由に反する。異常事態だ」教科書問題に取り組む「子どもと教科書全国ネット21」の鈴木敏夫事務局長は憤り、「教育基本法も禁じる教育への政治介入で違法だ」と続けた。
 日本軍「慰安婦」制度を巡り、政府は1993年に軍の関与と強制性を認めた河野談話を発表した。
 一方、菅政権は閣議決定で談話を継承するとしつつ、軍が強制連行したと「誤解を招く恐れがある」として「従軍」の表現を不適切とした。
 さらに、教科書記述は閣議決定などの政府の統一的見解や最高裁判例に基づくよう2014年に改訂された教科書の検定基準を理由に、閣議決定に添った記述を教科書会社に求めた。
 鈴木さんは一連の動きを「河野談話の空洞化」と指摘し、「(検定基準は)教科書検定の上に、さらに政府検定が入ったようなもの。国定教科書にどんどん近づいており、まるで独裁国家だ」と批判した。
 同団体の平井美津子さんも検定基準を問題視する。「国会で閣議決定を出せばこちらのもの。まともな政権なら検定基準を乱用しないだろうが、菅政権は違った。学問軽視の姿勢は、日本学術会議の任命拒否ともつながっている」と語る。
 本来教科書は、社会の共有財産でもある研究成果が記される。一方、閣議決定研究者でない政治家が決めたものでしかない。平井さんは「こと歴史に関しては、政権を取った内閣がつくるという感じだ。検定基準をなくさない限り、同じ恐れが続く」と危慎し、「政治家がすべきは教育条件の整備。内容は現場の教師や研究者に任せるべきだ」と強調した。
 教科書問題に携わる高嶋伸欣・琉球大名誉教授は「歴史的事実の評価は学術的に議論を重ねてされるべきだが、そうした検討がされた様子がまるでない。政治介入を食い止めるどころか先兵となった文科省の責任は重い」と力を込めた。
『神奈川新聞』(2021年9月10日)

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