《『被処分者の会通信』から》
◆ 2022年卒入学式の状況
今年の3月に都立高校を卒業した生徒は、1年生の3学期からずっと新型コロナによって高校生活が奪われてきた。
2年生の時にはほとんど学校行事がなく、修学旅行にも行けなかった。
3年生の体育祭や文化祭は学年ごとの開催だった。
卒業式シーズンにテレビでは、コロナ禍の卒業式を生徒のために思い出に残るものにしようと創意工夫を凝らしている様子が放映されていた。
しかし、都立学校では画一的な式しか許されない。都立学校の卒業式に決定的に欠けているのはこの「生徒のため」という視点だ。
極端な例ではあると思うが、私の職場では卒業式の要項が企画調整会議などで検討されることなく、いきなり職員会議に出た。
同僚の一人は、昨年までずっと受付だったのに、いきなり「君が代」のCDを流す放送係にされて青ざめていた。校長に訴えても「都教委に提出したから変更はできない」と、相手にしてもらえなかった。
教員の意見や要望を全く聞かずに管理職だけで勝手に決めて行うものを、果たして学校行事と呼んでいいものなのだろうか。
「10.23通達」が出されてから19回目の卒入学式が終わった。
今年の卒業式はコロナ禍の下行われる三度目の卒業式。
昨年12月24日付で出された通知に基づいて、今年も歌唱は行わず、CDを立って聞くだけの「国歌斉唱」が行われた。
保護者は各家庭1名のみ、来賓はなし、1時間程度に簡略化された式だった。
今年は、若年層への感染が急拡大しており、どの学校も生徒が何十人という単位で感染・濃厚接触のため出席停止になっていて、一つの学年全員の生徒と保護者・教員を体育館に集めて式を行うこと自体非常に危険だった。
実際、卒業式だからということで体調不良であるにもかかわらず参列し、式の途中で倒れた生徒がいた学校、式後発熱した教員がいた学校もあった。
3月31日(木)、「卒業式総括!再任用打ち切り抗議総決起集会」が行われた。60名もの参加で、熱気あふれる集会になった。
今年の卒業式の状況についての報告の後、私は自分の再任用打ち切り問題について、再任用の申込に必要な校長面接が行われておらず、到底公平公正な選考とはいえないものだったことなどを報告した。
澤藤弁護士からの大阪「2017再任用拒否国賠訴訟」判決についての報告、東京「君が代」裁判五次訴訟弁護団・原告団からの報告と続き、会場から活発な発言があった。
中でも現職の教員からの「『日の丸・君が代』強制問題にどう取り組めばいいのかわからない。職場ではなかなか理解が得られない。どうすればいいのか。」という切実な訴えは、現場の重要な問題を提起したものといえる。
この問いかけに対し、五次訴訟の原告2人が「とにかく機会をとらえてあきらめずに言い続けることが大事」「若い教員も実は職務命令を嫌がっている」などと職場での体験を話した。
私も卒入学式の包括的職務命令発出の際には必ず発言している。今年は私の後に1学年の学年主任が「起立しないと面倒なことになるから起立しているけど、もうこんな命令は嫌なんだよ。」と言ってくれた。
感染者数が高止まりを続けている中、入学式も卒業式と同様のやり方で行われた。
生徒や教職員の命や健康よりも国旗掲揚や国歌斉唱を優先する都教委の異常さを今まで以上に感じた。
都立学校に自由と民主主義を取り戻すため、生徒のための卒入学式を取り戻すため、今後も粘り強く取り組みを続けていきたい。
『被処分者の会通信 138号』(2022年5月12日)
◆ 2022年卒入学式の状況
卒入学式対策本部・川村佐和
今年の3月に都立高校を卒業した生徒は、1年生の3学期からずっと新型コロナによって高校生活が奪われてきた。
2年生の時にはほとんど学校行事がなく、修学旅行にも行けなかった。
3年生の体育祭や文化祭は学年ごとの開催だった。
卒業式シーズンにテレビでは、コロナ禍の卒業式を生徒のために思い出に残るものにしようと創意工夫を凝らしている様子が放映されていた。
しかし、都立学校では画一的な式しか許されない。都立学校の卒業式に決定的に欠けているのはこの「生徒のため」という視点だ。
極端な例ではあると思うが、私の職場では卒業式の要項が企画調整会議などで検討されることなく、いきなり職員会議に出た。
同僚の一人は、昨年までずっと受付だったのに、いきなり「君が代」のCDを流す放送係にされて青ざめていた。校長に訴えても「都教委に提出したから変更はできない」と、相手にしてもらえなかった。
教員の意見や要望を全く聞かずに管理職だけで勝手に決めて行うものを、果たして学校行事と呼んでいいものなのだろうか。
「10.23通達」が出されてから19回目の卒入学式が終わった。
今年の卒業式はコロナ禍の下行われる三度目の卒業式。
昨年12月24日付で出された通知に基づいて、今年も歌唱は行わず、CDを立って聞くだけの「国歌斉唱」が行われた。
保護者は各家庭1名のみ、来賓はなし、1時間程度に簡略化された式だった。
今年は、若年層への感染が急拡大しており、どの学校も生徒が何十人という単位で感染・濃厚接触のため出席停止になっていて、一つの学年全員の生徒と保護者・教員を体育館に集めて式を行うこと自体非常に危険だった。
実際、卒業式だからということで体調不良であるにもかかわらず参列し、式の途中で倒れた生徒がいた学校、式後発熱した教員がいた学校もあった。
3月31日(木)、「卒業式総括!再任用打ち切り抗議総決起集会」が行われた。60名もの参加で、熱気あふれる集会になった。
今年の卒業式の状況についての報告の後、私は自分の再任用打ち切り問題について、再任用の申込に必要な校長面接が行われておらず、到底公平公正な選考とはいえないものだったことなどを報告した。
澤藤弁護士からの大阪「2017再任用拒否国賠訴訟」判決についての報告、東京「君が代」裁判五次訴訟弁護団・原告団からの報告と続き、会場から活発な発言があった。
中でも現職の教員からの「『日の丸・君が代』強制問題にどう取り組めばいいのかわからない。職場ではなかなか理解が得られない。どうすればいいのか。」という切実な訴えは、現場の重要な問題を提起したものといえる。
この問いかけに対し、五次訴訟の原告2人が「とにかく機会をとらえてあきらめずに言い続けることが大事」「若い教員も実は職務命令を嫌がっている」などと職場での体験を話した。
私も卒入学式の包括的職務命令発出の際には必ず発言している。今年は私の後に1学年の学年主任が「起立しないと面倒なことになるから起立しているけど、もうこんな命令は嫌なんだよ。」と言ってくれた。
感染者数が高止まりを続けている中、入学式も卒業式と同様のやり方で行われた。
生徒や教職員の命や健康よりも国旗掲揚や国歌斉唱を優先する都教委の異常さを今まで以上に感じた。
都立学校に自由と民主主義を取り戻すため、生徒のための卒入学式を取り戻すため、今後も粘り強く取り組みを続けていきたい。
『被処分者の会通信 138号』(2022年5月12日)
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