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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

★ 瓢箪通信「『若者論』雑感」

2025年01月24日 | 暴走する都教委と闘う仲間たち

 ひょうたん島研究会・TT(高木@千葉高退教)です。
 すべての友人の皆さんへ。
 以下の雑文を書いたので、紹介します。

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★ 「若者論」雑感
T.T.0669(ひょうたん島研究会)
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 1月18日(土)の朝日「読書面」のコラム「ひもとく」欄に、「『若者論』を読む/ひとくくりにできぬ素顔に迫る」という文章が載っていた。筆者は東京学芸大学教授(社会学)の浅野智彦さん。この人のことは全然知らないが、ぼくには面白い論考だったので、勝手に紹介する。まずーー。

┌───────────────────────────────┐
│ 若者論というと、新奇な流行現象を取り上げて「最近の若者は」と語りだ│
│す論評を連想されるかもしれない。気軽に消費できるそのような論評への需│
│要は今も大きそうだ。だが、若者論が真価を発揮するのはそのような語り方│
│から距離をとるときではないか。                           │
└───────────────────────────────┘

 ぼく自身は「最近の若者」という物言いをしたことはないと思う。
 ぼくは元々「個人主義者」なので、「若者」だけでなくどんな「集団」に対しても、「マス」で捉える習慣はない。

┌────────────────────────────────┐
│ 距離をとる方法の一つは、調査票による調査、それもできるだけ偏りの少  │
│なくなる方法で回答者を選び出し、複数時点で行われる調査を用いることだ。│
│(略)                                            │
│ 二つ目の方法は歴史的な視野のもとに若者を置き直してみることだ。(略) │
│ 三つ目の方法は、しっかりした理論と調査論とをもって若者たちの中に入  │
っていくというものだ。知念渉(あゆむ)は、大阪のある高校に通い、「ヤ    │
│ンチャな子」らにじっくりと向き合うフィールドワークに取り組んだ(『〈ヤ     │
ンチャな子ら〉のエスノグラフィー』、青弓社・2640円)。厳しい状況にあ   │
│る彼らを理解する上で重要なのは、彼らが学校空間のみならずメディア・ス   │
トリート空間社会空間(階層構造)をも同時に生きているということだ。    │
│彼らの人生の軌道はこの三つの空間の持つ力学によって同時に方向づけられ│
│る。かつて流行した「ヤンキー論」は、ヤンチャな子らをその行動様式によ  │
│って同質的な集団とみなしたが、その内部には彼らの社会的背景に由来する
鋭い亀裂が走っていると知念は指摘する。この亀裂は、その後の彼らの職業 │
│生活をも大きく左右するのである。流行現象の新しさに目を奪われたときに  │
│見落とすものの大きさをそれは示していよう。                    │
└────────────────────────────────┘

 ぼくも、「ヤンチャな子」の多い公立高校で働いた経験がある。それが、この論考に関心を持った理由である。

(25/01/22早朝)

 


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