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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

担任の非正規教員が、正規任用に不利になると思い込み保身に走る

2020年12月11日 | こども危機
  《The Interschool Journal から》
 ◆ 担任教師がいじめアンケート改ざんで懲戒免職 仙台市立七北田小学校
   平松けんじ


 仙台市教育委員会は、7日、自身が担任するクラスの児童22人分のいじめ実態調査のアンケート回答を改ざんしたとして、市立七北田小学校の荒木武講師(48)を懲戒免職にした。
 市教委によると、荒木講師は今年11月に行った「仙台市いじめ実態把握調査」で自身が担任する児童22名の回答を書き換えたり、消去したという。荒木講師は2018年度と2019年度にも同様に児童の回答を改ざんしていたことを認めているという。
 市教委は事件を受け、今年11月分の調査用紙を校長などの管理職といじめ対策担当教員で総点検するよう指示したほか、アンケートの回収を複数の教員で行い、すぐにファイリングするよう各学校に指示した。また、市教委は荒木講師の行為が「私文書偽造」にあたるとして刑事告発を進める方針だ。
 ◆ 非正規の「常勤講師」 雇用への不安から改ざんか

 荒木講師はいわゆる「常勤講師」と呼ばれる非正規の教員。市教委に正規教員を目指していたが、常勤講師として病休の教員の代替として七北田小学校に勤務していた。
 市教委の事情聴取に対し、「いじめの件数が多かったりするとイメージが悪くなる。自分の将来の任用に向けて立場を有利にしたかった。」と説明しているという。
 しかし市教委教職員課は、「いじめ発生件数を勤務評価に反映したり、次の任用に影響を及ぼすということは全くない」としている。
 萩生田光一文科相は、8日の閣議後会見で「教壇に立つという意味では非常勤であっても正規教員であってもその責任は同じ」と指摘。「期限を切って雇用されているということで不安に思って間違った報告などをすることがあるとすれば極めて残念ですし、その先生だけの責任ではないと思う」と述べた。
 一方で「責任が同じ人に対して待遇とか給与とかが著しく差があるっていうことは不合理だとおっしゃる方もいるが」という毎日新聞記者の質問に対し、萩生田氏は「残念ながらそういう仕組みは残念ながら持っておりませんので、そこはご理解いただきたい。教員不足ですから是非志ある人たちは正規教員目指して頑張ってほしい」と述べた。
 学校が全ての社会である子どもからすれば、そこでいじめに遭うことは物凄い絶望だ。信用している担任の教員に藁をもつかむ思いで提出した「SOS」を握りつぶされ、救われない子どもは絶望に次ぐ絶望だ。子どもの必死の訴えを改ざんした荒木元講師の行状は言語道断だ。
 とはいえ正規教員を目指していても48歳で非正規教員をやらなければならなかった荒木元講師も必死の思いだったのかもしれない。
 クビを切られる日が近づいていて、次また任用してもらえるかわからない―そんな状況で子どもたちを守り育てることができるのだろうか
『The Interschool Journal』(2020年12月08日)
http://interschooljournal.officeblog.jp/24973867archives/20201208html
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