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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

東京「君が代」裁判傍聴者の声

2008年07月19日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 東京「君が代」裁判原告団・被処分者の会」星野です。
 東京「君が代」裁判(第1次)・第7回口頭弁論傍聴者の声を送ります。沢山の声が寄せられましたので長くなりますが、感動の証言でした。

 ☆ 東京「君が代」裁判(第1次)・第7回口頭弁論傍聴者の声【2008・7・17】 ☆
 ◎ 教育に「強制」はなじまない!


原告証人
○茂木俊彦桜美林大学大学院教授(元都立大総長):障害児教育学
 …尋問担当(坂田弁護士)
○梅原 利夫さん(和光大学教授):教育課程教育学
 …尋問担当(井口・白井・加藤各弁護士)


*「茂木・梅原二人の研究者の学問的信念を持っての証言は力がありました。特に梅原さんの陳述は弁護士陣との連携もよく、論理的、心理的にも説得力がありました。反対尋問のエゲツなさがはねかえされ、みじめさが残りました。ただ中西裁判長の常識的『強制もあるのでは』に対しては今後もう一度くだき直しの説得陳述ができるといいですね。」
   (M・K 都高教OB)

*「茂木さんの証言は『教育』というものをどう考えるか、という本質的な問題を、『障害』児教育を中心に、わかりやすく答えて良かった。弁護士さん御苦労さん。にもかかわらず、裁判長は居眠りしとるし、被告側代理人は『教育』につい質問しょうとせず、下劣な、いやらしい質問ばかり。嫌になる。梅原さんの証言も『教育』の本質や『学習指導要領』とはどういう性格のものなのか、ということについて、わかりやすく説明していて良かった。
 裁判官が『教育』とか『学習指導要領』について、しっかり認識してくれるといいのだが…。被告側代理人は、(先のM代理人ほどの嫌らしさはなかったが)『教育』論では、やっぱり底の浅い質問しかしなかったナ。」   (K・S 被処分原告)


*「二人の先生方の、素晴らしい証言でした。郵送された意見書をまず読んで感動しました。そして、又、今日法廷で再認識。梅原先生の熱い思いに感激しました。被告側弁護士の意地の悪い、又、おそまつな反対尋問に失笑を買っています。」 (匿名)

*「茂木俊彦先生へ。 私は現在○高校のAです。10・23通達直後の2004年3月、△高校の3年担任で迎えた卒業式において、不起立により戒告処分を受け、現在原告団の末席を汚している者であります。ところで先生は、M市立S南第2保育園をご存知でしょうか?
 私事でありますが長女に軽い知的障害があり、さりとて、夫婦とも常勤の私どもは保育園を利用するほかになく、入園に向けた行政のハードルは低くありませんでしたが、当時確かM地区の顧問をされていた茂木先生のサポートもあり無事入所することができました。その後6年保育で無事卒業し、夫婦とも常勤を続けることができました。彼女は今24歳。元気で働いています。そんな先生が今回私たちの証言になっていただいたことに素敵な縁を感じます。当時は妻から何度も先生にお目にかかり重要なアドバイスをいただいたと聞いています。実は私も一度、S南第2保育園で先生にお目にかかったことがあります。その節はありがとうございます。駄文で失礼ですが改めて謝意を表するものです。」   (A 被処分原告)


*「茂木先生は障害児教育の研究、梅原先生は教育課程・学習指導要領の研究が専門という方々でしたが、それぞれの専門の立場から、共に、教育が強制であってはならないことを詳しく説明されました。まず、行うことの意味を理解するということが大事なことであり、何も分からぬまま、繰り返し反復練習するようなことをしても、習得したことを応用することができず、その習得したはずのこともすぐに消えていき、それは教育したことにはならないのだと語っておられました。
 それでも、なお、中西裁判長は、自分の体験から、宿題のように、やりたくないことをやらされたという点で、強制されたと思うが、どうなのか、というような質問を、いまだにしていました。
 「はじめの頃は、『あの人は嫌みを言っているのではないか』と思いましたが、どうやら、本当に分からなくて悩んでいるらしいことが分かりました。」と白井弁護士はおっしゃっていましたが、あれだけの説明を聞いても、なぜ、まだあのような質問をするのか、私には腑に落ちませんでした。
 だいたい、中西裁判長は子どもの頃、強制されて嫌だと思ったことに対して、異議も唱えず、反発もせずに、おとなしく従ってやっていたのでしょうか。中西裁判長には、反抗期はなかったのでしょうか。先ず、『嫌だ、なぜこんな事をやらなければならないのか』と思ったら、親や教師に文句を言うところから成長が始まるのではないでしょうか。反抗期は大事な成長の時期であることは、一般にも常識となっていることだと思います。異議・反発・反抗をうまく捉え、興味や関心を呼び起こし、知ることの喜び・成長へと誘導していくことが教育であることを、お二人の先生方が丁寧に説明していたのに、中西裁判長はなぜそれが理解できないのだろうかと思いました。
 過去から現在に至る自分の成長過程を客観的に見ることができないのでしょうか。そうではなく、見たくないのではないでしょうか。「教育なんて、強制がつきものじゃないですか」と言ってしまえば、それ以上考える必要がなくて楽だから。教師の側も、そう言ってしまうと、ある意味、楽なのです。しかし、強制を教育であると言って、取り違えてしまうと、生徒への人権侵害が「これは人権侵害である」と認識できなくなり、生徒の人格を歪め、障害をもたらすことにもなりかねないという恐ろしいことになります。『しつけ』と言う名目で行われる親の虐待や教師の体罰(精神的な体罰というようなものもあります)が、子どもの命をも危うくさせている現状は、一般的にもよく知られていることです。
 私の長女は重度障害児として生まれました。普通の子どもが寝返り・はいはい・お座り…と、自然に成長していく過程が、彼女にはできず、常に訓練・訓練という状況でした。訓練してひとつずつクリアーしていかなければ、どんどん遅れが酷くなり、身体はますます動かなくなると言われ、私はその脅迫観念にとらわれて、彼女の訓練を強行に行い続けました。
 まさに強制だったわけですが、ある日、彼女の髪の毛が円形に抜けていることに気が付きました。訓練のストレスで円形脱毛症になっていたのです。私は、彼女は障害児で何も分からない子だと思いこんでいたのですが、その時、はじめて、彼女は複雑な精神活動を行う人間なのだということを認識しました。そして、障害児が生まれたということで、自分自身が精神的に追い込まれ、物事を冷静に見ることができずに、自分の子どもを殺しかねないような危険な精神状況になっていたことに気が付きました。
 そのような状況の私に対して、子どもを診てくれていた医師が「お母さん、たまには、お子さんの隣で、同じように仰向けに寝て、このままで見えている世界はどんなものなのだろうかと感じてみては如何ですか?」という助言をくれましたが、その時にはその言葉の意味を理解するだけの精神的な余裕がありませんでした。
 中西裁判長も、今日の証言を聞き、自分の成長過程やお子さんがいらっしゃれば、お子さんの成長過程を冷静に見つめれば、教育が強制であってはならないことが簡単に認識されるのではないかと思いました。ぜひ、そうであって欲しいと思います。」
         (M・K 被処分原告)

*「両先生ありがとうございました。お二人の専門に対する反対の尋問は、かえって補強になり、その対処に感心しました。」   (匿名)

*「大変参考になりました。学習指導要領のことを知らないことが多多ありましたし、教育に強制はなじまない、という点心強く思いました。」  (E 被処分原告)

<ヒゲメモ>
 沢山の傍聴の声をお寄せ頂き、私のコメントは必要ありませんが一言だけ述べます。報告集会の場で梅原先生は「今日は勝負服とネクタイで来た。原告の先生たちには、裁判でエネルギーを注ぐのではなく、子どもたちにこそ注いで頂きたい。その思いで意見書を書き裁判に臨んだ。」その思いは、「障害者は人権の主体である」と長年現場の障害者教育と積み上げてこられた茂木先生の愛情あふれた含蓄のある証言の全てが、あらためて原告席に座る私たち原告一人ひとりの胸に、「われわれはなぜ都教委の管理、統制とたたかうのか」確信とさらなる勇気を与えてくださった。

 年内(12月25日)結審です。いよいよ9月4日と10月23日は原告証人尋問です。
 今後ともよろしくご支援をお願いいたします。
 (傍聴支援者150名 原告・弁護団30名 心から感謝。 「被処分者の会」星野)

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