《立川テント村通信から》
☆ 武蔵野五輪弾圧裁判3.4控訴審で
〝異例〟の被告人質問
☆ 五輪汚職の闇深さ
21年の東京五輪をめぐって、数々の贈収賄事件が明るみに出ている。
中でも企業からの賄賂の「受取人」として逮捕・起訴された、高橋治之(元五輪組織蚕理事・元電通)が凄い。
自分が五輪汚職の詰め腹を切らされるのに憤慨して、『週刊文春』(2/15号)に、政治家の関与を洗いざらいぶちまけたのだ。
すべてを高橋になすりつけて逃亡をはかる森喜朗。「絶対に事件にはしませんから」と耳元で囁いた安倍晋三。
政治資金の問題もひどいものだが、「平和の祭典」の看板のぶん、こちらの罪は一段深いと思う。
☆ 異例の被告人質問採用
3月4日、武蔵野五輪弾圧裁判の控訴審第2回公判が開かれた。
コロナと猛暑と五輪の2021年7月。武蔵野市で開催された「聖火イベント」の会揚入口付近で、爆竹を鳴らして抗議した黒岩さんが逮捕・起訴された刑事裁判である。
22年9月の一審判決は「懲役1年・執行猶予3年」の超不当判決。昨年11月についに控訴審が始まった。
その控訴審第1回公判では、黒岩さんが自ら「自分への『被告人質問』」を証拠請求し、裁判長がまさかの「採用」。
3月4日の第2回公判では、その被告人質問が実施された。
☆ なぜ爆竹か?を展開
黒岩さんの発言を聞くために、この日は50名を超える仲間が傍聴に結集。傍聴席は37席だったため、久しぶりに抽選漏れの方もでた。
被告人質問は20分間と短いものだったが、救援会と弁護団はこの日のために会議をくり返してきた。
一審判決は、「五輪批判は構わないが、爆竹はダメ」という論立てで有罪とした。私たちもまた裁判のなかで「五輪の問題性」は再三訴えてきた。
だから今回は、「なぜあえて爆竹だったのか?」を正面から話そうと決めた。
黒岩さんへの質問応答をまとめると、以下の通り。
「五輪開催強行に問題を感じて、21年6月頃から、地元の吉祥寺や多摩地区でデモやスタンディングに参加した」
「6月23日、新宿でこれまで最大規模のデモがあり、コロナ規制下に千人が集まった」
「しかしそれでも開催は止まらず、マスコミも中止論を下げて、『無観客か否か』に焦点を変えた」
「6・23デモ後の状況をみて『今までとは違うやり方』でもっと強い抗議をするべきと痛切に考えた」
「爆竹は、大きな音がでて強い意思表示をできるわりに、人を傷つけることもなく、安価に実行できるから選んだ」
「会場入ロで公然と鳴らすことに意義を感じていた。公然とやることで説得力が増すと考えた」
「私の爆竹抗議に、パリ・ロスの五輸反対運動からの連帯メツセージをはじめ、国内外から多くの支援を寄せてもらった。一審判決は、『爆竹はやり方が犯罪』と断じたが、爆竹を使った私のメツセージは確実に世界に届いたと思う。」
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爆竹だったから、逮捕されたから、人に訴えるものがあったのかと問われれば、かすかな躊躇と共に「だが、その通り」と私も思う。埋め尽くされた傍聴席が証明している。
「表親の自由」が安全で上品な領域のお話だと思うのなら、それは聞違いだ。
☆ 次回公判は5月28日(12時半 東京地裁正門集合)。
弁護団が渾身の最終弁論を行う。
『立川テント村通信 第554号』(2024年4月1日)
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