《東京・教育の自由裁判をすすめる会ニュース》
◆ 四次訴訟における証人尋問が終了。3月には結審へ。
四次訴訟は、第12回口頭弁論に引き続いて11月11日の第13回口頭弁論において原告本人尋問が行われ、12月9日の第14回口頭弁論においては、教育法学者の中川律(なかがわりつ)埼玉大学准教授に対する証人尋問が行われ証拠調べが終了しました。
次回は3月15日に弁論が行われ、これをもって結審となる予定ですが、原告団側は宗教学者による意見書を提出するなどして、結審までにさらに証拠と主張を補充していく方針です。
◆ さまざまな問題を浮き彫りにした原告尋問
今回の尋問では、6名の原告が証言を行いました。「10・23通達」にもとつく職務命令は全都一律の内容ですが、今回証言した原告の立場や思いは、6名それぞれです。
定時制、全日制、特別支援学校といった校種の違いや向き合ってきた生徒たち、校内で置かれた立場、宗教への思いなど、全く異なると言ってもいいでしょう。
しかし、6名全員に共通するのは、それぞれが向き合ってきた生徒たちに寄り添い、生徒たちの将来を案じる気持ちと、生徒たちの信頼を裏切ってはならないという教師としての信念でした。
そのような6名の証言が進むにつれて、都教委がきわめて非教育的な発想と方法で「10・23通達」の徹底を図ってきた事実とその問題性が浮き彫りにされていきました。
◆ 「教育裁判」であることを再認識させた、教育法学者への尋問
本訴訟の重要な争点は、思想良心の自由(憲法19条・20条)の保障のほか、都教委が「10・23通達」体制を持ち込んで教育現場に不当な支配を及ぼしてきたことの違法性(憲法23条、26条、教育基本法16条違反)の問題があります。
ところがこれまで最高裁判所が審査した内容は、違憲性については憲法19条(思想良心の自由)に限定、その他の違法性は地方公務員法の適用に関する裁量権逸脱濫用の判断にとどまっています。
そこでこれまで最高裁の判断がないこの問題を争点にすることを求めて、気鋭の教育法学者である埼玉大学の中川律氏に証人として来廷していただきました。
中川氏は、旭川学テ判決の分析を根拠に教師の専門性と憲法、教基法にもとづく「教育の自由」の構造(教師は教育現場において国家の論理の侵入を防ぐ防波堤の役割を果たすことが期待されること)を明らかにし、その保障の必要性と行政による不当な介入の禁止は現行の教基法16条でも維持されていること、そして本件が同法違反にあたると判断できることを証言しました。
また、これまで関連訴訟の下級審判決では、同法違反にあたらないという判断を出しているものがあるが、これらは学テ判決の読み間違いにもとつく誤った判決であることも指摘しました。
なお法廷では、都側代理人が中川氏の研究手法を揶揄する半ば人格攻撃のような反対尋問をしつこく続けましたが、中川氏は冷静誠実に対応し続け、逆に都側主張の空疎さが際立っていくものとなりました。
(被処分者の会 鈴木)
◎ 四次訴訟最終弁論期日日程
3月15日(水)11時開廷 東京地裁527号法廷
※10時30分集合・先着順
『東京・教育の自由裁判をすすめる会ニュース 第46号』(2017年1月28日)
◆ 四次訴訟における証人尋問が終了。3月には結審へ。
四次訴訟は、第12回口頭弁論に引き続いて11月11日の第13回口頭弁論において原告本人尋問が行われ、12月9日の第14回口頭弁論においては、教育法学者の中川律(なかがわりつ)埼玉大学准教授に対する証人尋問が行われ証拠調べが終了しました。
次回は3月15日に弁論が行われ、これをもって結審となる予定ですが、原告団側は宗教学者による意見書を提出するなどして、結審までにさらに証拠と主張を補充していく方針です。
◆ さまざまな問題を浮き彫りにした原告尋問
今回の尋問では、6名の原告が証言を行いました。「10・23通達」にもとつく職務命令は全都一律の内容ですが、今回証言した原告の立場や思いは、6名それぞれです。
定時制、全日制、特別支援学校といった校種の違いや向き合ってきた生徒たち、校内で置かれた立場、宗教への思いなど、全く異なると言ってもいいでしょう。
しかし、6名全員に共通するのは、それぞれが向き合ってきた生徒たちに寄り添い、生徒たちの将来を案じる気持ちと、生徒たちの信頼を裏切ってはならないという教師としての信念でした。
そのような6名の証言が進むにつれて、都教委がきわめて非教育的な発想と方法で「10・23通達」の徹底を図ってきた事実とその問題性が浮き彫りにされていきました。
◆ 「教育裁判」であることを再認識させた、教育法学者への尋問
本訴訟の重要な争点は、思想良心の自由(憲法19条・20条)の保障のほか、都教委が「10・23通達」体制を持ち込んで教育現場に不当な支配を及ぼしてきたことの違法性(憲法23条、26条、教育基本法16条違反)の問題があります。
ところがこれまで最高裁判所が審査した内容は、違憲性については憲法19条(思想良心の自由)に限定、その他の違法性は地方公務員法の適用に関する裁量権逸脱濫用の判断にとどまっています。
そこでこれまで最高裁の判断がないこの問題を争点にすることを求めて、気鋭の教育法学者である埼玉大学の中川律氏に証人として来廷していただきました。
中川氏は、旭川学テ判決の分析を根拠に教師の専門性と憲法、教基法にもとづく「教育の自由」の構造(教師は教育現場において国家の論理の侵入を防ぐ防波堤の役割を果たすことが期待されること)を明らかにし、その保障の必要性と行政による不当な介入の禁止は現行の教基法16条でも維持されていること、そして本件が同法違反にあたると判断できることを証言しました。
また、これまで関連訴訟の下級審判決では、同法違反にあたらないという判断を出しているものがあるが、これらは学テ判決の読み間違いにもとつく誤った判決であることも指摘しました。
なお法廷では、都側代理人が中川氏の研究手法を揶揄する半ば人格攻撃のような反対尋問をしつこく続けましたが、中川氏は冷静誠実に対応し続け、逆に都側主張の空疎さが際立っていくものとなりました。
(被処分者の会 鈴木)
◎ 四次訴訟最終弁論期日日程
3月15日(水)11時開廷 東京地裁527号法廷
※10時30分集合・先着順
『東京・教育の自由裁判をすすめる会ニュース 第46号』(2017年1月28日)
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