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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「治外法権」宣言会社

2009年04月18日 | 格差社会
 ▼ 「返さないからです」
関根秀一郎(派遣ユニオン書記長)

 バブルがはじけて、日本経済がどん底に落ちていった一九九四年。当時の経団連会長は「雇用情勢が厳しくなった今こそ、雇用の維持に努力が必要だ。働く人は労働資源でなく人間である」と語った。立派だ。
 一方、今回の不況ではトヨタやキヤノンなどのトップ企業が率先して派遣切りを実行した。「必要なときに必要な人材を」というキャッチコピーで派遣を導入したのだから、いらなくなったら切り捨てるのが当然ということか。働く人が部品扱いされている。
 日雇い派遣のグッドウィルは、ワーキングプアから一稼働二百円を不当天引きしていた。この「デー夕装備費」を返せという運動が盛り上がった二〇〇七年五月、グッドウィルは「返還します」と回答した三週間後に姿勢を覆し、「やっぱり返さない」と回答した。
 私が「前回の話し合いで返すと約束したのに、なぜ返さないんですか?」と追及したら、グッドウィル曰く、「返さないからです」。
 こんな会社を率いていた折口会長が日本経団連の理事だった。経営団体も、モラルをかなぐり捨てて急成長する企業をもてはやした。
 極め付きは、私が交渉したあるIT企業の就業規則。第二条に「治外法権」と書かれていた。曰く「会社及びこの規則は労働基準法その他の法令に拘束されない」
 経営者のモラルはどこへ…。

『東京新聞』(2009/4/17【本音のコラム】)

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