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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

都立高教員に対する「再処分」は行訴法33条違反

2015年12月28日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ◆ 文教委員会の教育庁質疑より7 ~教職員の再度の懲戒処分について | 小松久子(生活者ネット)
 都教委が2013年12月17日に行った処分について、文教委員会の事務事業質疑の最後に確認しました。この年の9月6日、最高裁判決によって減給処分が取り消された原告の都立高校教員7名に対して、都教委が再度、戒告処分を発令強行した件についてです。
 当事者の先生たちは、2005年と2006年の3月卒業式と4月入学式での行為によって減給処分を受け、そのことを不服として提訴しました。裁判は地裁、高裁を経て、最高裁判決で「非違行為の存在は認められるが、処分が重過ぎる」として、減給処分が取り消され確定しました。東京都側の敗訴です。
 ところが、その原告だった教員に、都教委は8年前にさかのぼって「服務事故」として戒告処分を出し直した、ということがありました。
 このようなことを行うことに問題はないのか、質問しました。人事部長の答弁は次のようなものでした。
 「行政事件訴訟第33条では、判決によって取り消された処分と同一の理由に基づき同一の処分をすることはできないとされている。
 減給処分が取り消され、改めて戒告処分を行った場合は同一の処分といえないため、これに違反するとはいえない。
 取り消された処分は、遡ってなくなり、一事不再理の原則にも反しない
 処分が重過ぎるとして当該処分が取り消された場合、非違行為は残ることから、公務における規律と秩序を維持するため、改めて懲戒処分を行う必要から、公務における規律と秩序を維持するため、改めて懲戒処分を行う必要がある
 改めて懲戒処分を行うことに問題はない」。

 再処分に違法性はない、問題はない、ということです。しかし、「非違行為」とされる事件があってから8年もたった時点での懲戒処分など、民間では考えられないことです。まして、最高裁判決では補足意見として、都教委に対して処分乱発をいさめ、紛争解決に向けて教員らと話し合いをするよう求めています。
 都教委がそのことを真摯にうけとめ、話し合いでの解決にむけた努力を願うばかりです。
『小松久子HP』(2015年12月24日)
http://komatsu.seikatsusha.me/blog/2015/12/24/5884/
 ※『行政事件訴訟法』第33条
 処分又は裁決を取り消す判決は、その事件について、処分又は裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束する。
2 申請を却下し若しくは棄却した処分又は審査請求を却下し若しくは棄却した裁決が判決により取り消されたときは、その処分又は裁決をした行政庁は、判決の趣旨に従い、改めて申請に対する処分又は審査請求に対する裁決をしなければならない。
3 前項の規定は、申請に基づいてした処分又は審査請求を認容した裁決が判決により手続に違法があることを理由として取り消された場合に準用する。
4 第一項の規定は、執行停止の決定に準用する。


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