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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

全日本海員組合が船員を予備自衛官として招集する防衛省の計画に反対声明

2016年02月23日 | 平和憲法
 ◆ 民間船員を予備自衛官 事実上の徴用
   全日海が反対声明
(週刊新社会)

6万余の船員が犠牲となった悲劇を繰り返さない、不戦の誓いを伝える「戦没した船と海員の資料館」

 防衛省は民間船会社の乗組員を有事の際に招集する予備自衛官とする制度の導入を進めているが、全国の船員でつくる全日本海員組合(全目海、森田保己組合長、約8万人)は防衛省に対し1月15日に反対を申し入れ、29日には東京都内で森田組合長らが記者会見して「民間船員を予備自衛官補とすることに断固反対する声明」を発表、「今後あらゆる活動を展開していく」ことを表明した。
 ◆ “海員不戦の誓い”を否定
 申入れでは防衛省幹部から「予備自衛官になるよう船員に強制することはない」と言われたというが、森田組合長は会見で「戦地に行くために船員になった者はいない。会社や国から見えない圧力がかかるのは容易に予想される」と強調したと伝えられる。
 全日海は、防衛省が14年7月の「集団的自衛権容認」閣議決定や戦争参加法の制定と軌を一にして検討していた「機動展開構想」で民間船員を予備自衛官として活用することに断固として反対する姿勢を鮮明にして対応を図ってきた。
 しかし、政府・防衛省が全日海の意向を無視して今国会で審議中の16年度予算案に、船会社の乗組員を海自の予備自衛官補として「21名」採用できるように盛り込んだことに対し、声明は「われわれ船員の声を全く無視した施策が政府の中で
具体的に進められてきたことは誠に遺憾」
と厳しく批判している。

 声明はまた、民間人である船員を予備自衛官補として活用する制度の創設は「事実上の徴用」と言わざるを得ないと指摘、このような政府の姿勢は、戦後われわれが「戦争の被害者にも加害者にもならない」を合い言葉に海員不戦の誓いを立て、希求してきた恒久的平和を否定するものであり、断じて許されるものではないとする。
 声明はさらに太平洋戦争で徴用された民間船員の犠牲や船舶の損害に言及、「物資輸送や兵員の輸送などに従事した結果、1万5518隻の民間船舶が撃沈され、6万609人もの船員が犠牲となった。この犠牲者は軍人の死亡比率を大きく上回り、中には14、15歳で徴用された少年船員も含まれている。このような悲劇を二度と繰り返してはならないということは、われわれ船員に限らず、国民全員が認識を一にするところ」としている。
 政府が民間船員の予備自衛官化を進めている背景には、九州・沖縄の防衛を強化する「南西シフト」に沿って船や操船要員を確保する目的がある。
 集団的自衛権行使容認の閣議決定を強行した14年7月には、同年度末まで7億円で2社から高速のフェリー2隻を借りる契約を結んだ。
 今年度中にも改めて民問フェリー2隻を選定し、民間の船会社や金融機関などの出資で設ける特別目的会社(SPC)が船を所有、平時は民間、有事には防衛省が使う仕組みをつくり、今年10月には民間船の有事運航が可能となるという。
 しかし、自衛隊の艦船と民間フェリーでは操船技術が大きく異なり、2隻の運航に必要な乗組員約80人を自衛隊でまかなうのは困難なため、民間船員21人を予備自衛官とする費用を来年度予算案に盛り込んだ。
 有事で操船させるため、自衛官の経験がなくても10日間の教育訓練などで予備自衛官になる制度を導入するという。
『週刊新社会』(2016/2/16)

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