◆ 年間360時間の超勤を前提とするのか?!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/92/e7a70caa9349514480dba16c78d27e5c.jpg)
今日の公開議題は、議案が①「教育職員の勤務時間の上限に関する方針の策定について」 ②「東京都教育委員会から教員と保護者等へのメッセージについて」、
報告が③「昨年度下半期に寄せられた都民の声(教育・文化)について」。
① 「教育職員の勤務時間の上限に関する方針の策定について」
――年間360時間の超勤を前提とするのか?!
文科省が1月に学校における働き方改革の方策の一環として、「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」を策定し、服務監督権者である各教委に対して、教師の勤務時間の上限に関する方針を策定するよう通知した。このことから、都教委は国のガイドラインを参考にこの方針を策定したとのこと。
方針は、
取り組み事例には、「定時退庁日の設定」(教員の意識改革のためだという!教員をなんと小ばかにしたことか!!)も挙げるが、「業務改善の推進」だとして例えば、「内容の似た会議を統合するとともに、必要最小限の人数で開催」「会議時間の上限を1時間に定める」等を挙げる。
今だって職員会議は校長が都教委からの指示を伝えるのみで職員の発言は都教委が禁止しているし、管理職・中間管理職の打ち合わせで決まったことが一般職員には伝えられるだけ。会議時間の削減など、できようがないことは都教委自身が知るところではないのか。「事例一覧」を出してお茶を濁すな、と言いたい。
雇用者である都教委のすべきことは、8時間労働で仕事が終わるよう教員定数を大幅に増やすことだ。
「戦闘機に回すお金を使えば、全国一斉に即解決できる。教員管理のために21世紀に入った頃から始めた大量の文書作成・提出指示をやめ、職員会議を決議機関に戻すことだ。教員たちが生きがいをもって仕事に当たることができるように戻すこと、それが、「働き方改革」だ。
②「東京都教育委員会から教員と保護者等へのメッセージについて」
「教育職員の勤務時間の上限に関する方針」を周知徹底するために、都教委は教員に対しては「教員一人一人の働き方改革が求められています」と題するメッセージをメールで送付し、保護者・地域の人たちに対しては「学校の働き方改革にご理解・ご協力をお願いいたします」と題するメッセージを、学校を通じて配布するという。
4月には、「生徒の皆さんへ」「教員の皆さんへ」を出した。このどれもが、教員の大幅定員増が解決策であるのに、それをせずに、「都教委はやっています」の自己アピールをする。恥ずかしくはないのか。
こうした人事部の議案に対し、教育委員の発言は、都教委の議案を容認するものばかり。「目的は、教育の質の向上」「だらだら時間外勤務と必死の時間外勤務に不公平がないように」「教員でなければできない仕事と削ることができるアンケートのような仕事を分け、精神論ではなく、具体的に期限を設けて仕事を減らす」「(働き方改革の)研究校をつくるとよい」「メッセージは、(一斉定時退庁日などの)具体的事例も書かれていて、よい内容だ」と。
教員採用受検倍率が年々急降下していること(東京の19年度採用 小学校:1,8倍 中高:4,3倍 特使:2,8倍)について、中井教育長は定例会や総合教育会議で発言しているが、本気でそれを食い止めるつもりならば、上記した私の提案を参考にすべきと思う。都教委の「教育改革」が破綻していることを、都教委は自覚せよ。
③ 「昨年度下半期に寄せられた都民の声(教育・文化)について」
寄せられた声は3202件(上半期は2688件、一昨年までは2000件に満たない)、うち、「苦情」が55%、意見が34%、要望が9%。
生徒の暴言に対し、都立高校の教員が体罰をふるったことを、SNS等を通じ流したことについての「苦情」が900件弱(「教員に対しての非難(ママ)が10%、生徒に対しての非難(ママ)が70%」とのこと)。
卒業式の会場の体育館が非常に寒く、教員に暖房をつけるようお願いしたところ、「暖房の音がうるさいので、点けることはできない」と言われたという「苦情」、都立高校の入学者選抜において合格辞退が相次ぎ、追加募集をした学校があったが、不合格者の成績の上位から追加合格を出すべきという「苦情」の内容が紹介されていた。もっともな「苦情」と思う。
請願は6件、うち、教職員に関するものが3件で、10・23通達の撤回と同通達に基づく処分の取り消しを求めた事例が紹介されていた。
都教委の「請願者への通知」は、「本通達を撤回する考えはありません。懲戒処分の撤回は考えておりません。」という、改めての検討は一切していないと思われる回答だ。
陳情等(団体要請)は63件。うち、10・23通達の撤回と同通達に基づく処分の取り消しを求めたものが12件、学校空調設備についてが10件、障害者教育の充実を求める要望が7件とのこと。
公益通報制度を利用して弁護士窓口に体罰やセクハラ等について訴えた件数が11件という。
教育委員からの意見はなかった。「日の丸・君が代」の強制と処分、生徒たちへの刷り込みに対して、全教育委員が都教委方針に同意しているということだ。
次回教育委員会定例会は第3週の6月20日と告げられた。第2週、第4週の木曜日を定例会と定めていながら、都教委はこの頃しきりに変更する。とても迷惑している。
上から目線の思考で、傍聴者への配慮はない。
『レイバーネット日本』(2019-05-24)
http://www.labornetjp.org/news/2019/0523nedu
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/92/e7a70caa9349514480dba16c78d27e5c.jpg)
今日の公開議題は、議案が①「教育職員の勤務時間の上限に関する方針の策定について」 ②「東京都教育委員会から教員と保護者等へのメッセージについて」、
報告が③「昨年度下半期に寄せられた都民の声(教育・文化)について」。
① 「教育職員の勤務時間の上限に関する方針の策定について」
――年間360時間の超勤を前提とするのか?!
文科省が1月に学校における働き方改革の方策の一環として、「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」を策定し、服務監督権者である各教委に対して、教師の勤務時間の上限に関する方針を策定するよう通知した。このことから、都教委は国のガイドラインを参考にこの方針を策定したとのこと。
方針は、
・「上限の目安時間」(時間外労働時間の上限)は、1ヶ月45時間、1年間360時間。この方針を都立学校長に通知するとともに、「学校における働き方改革 取り組み事例一覧」(75事例)を送付する。区市町村教委にも同様に参考として送付するとのこと。
・事故、いじめやいわゆる学級崩壊等の重大事案の発生等で、一時的または突発的に時間外労働をせざるを得ない場合は特例的な扱いを認めることができる。ただし、年間720時間を超えない。
・休憩時間や休日の確保等労働法制を遵守する。在校時間が一定時間を超えた教育職員については、校長は医師による面接指導や健康診断を実施する。
取り組み事例には、「定時退庁日の設定」(教員の意識改革のためだという!教員をなんと小ばかにしたことか!!)も挙げるが、「業務改善の推進」だとして例えば、「内容の似た会議を統合するとともに、必要最小限の人数で開催」「会議時間の上限を1時間に定める」等を挙げる。
今だって職員会議は校長が都教委からの指示を伝えるのみで職員の発言は都教委が禁止しているし、管理職・中間管理職の打ち合わせで決まったことが一般職員には伝えられるだけ。会議時間の削減など、できようがないことは都教委自身が知るところではないのか。「事例一覧」を出してお茶を濁すな、と言いたい。
雇用者である都教委のすべきことは、8時間労働で仕事が終わるよう教員定数を大幅に増やすことだ。
「戦闘機に回すお金を使えば、全国一斉に即解決できる。教員管理のために21世紀に入った頃から始めた大量の文書作成・提出指示をやめ、職員会議を決議機関に戻すことだ。教員たちが生きがいをもって仕事に当たることができるように戻すこと、それが、「働き方改革」だ。
②「東京都教育委員会から教員と保護者等へのメッセージについて」
「教育職員の勤務時間の上限に関する方針」を周知徹底するために、都教委は教員に対しては「教員一人一人の働き方改革が求められています」と題するメッセージをメールで送付し、保護者・地域の人たちに対しては「学校の働き方改革にご理解・ご協力をお願いいたします」と題するメッセージを、学校を通じて配布するという。
4月には、「生徒の皆さんへ」「教員の皆さんへ」を出した。このどれもが、教員の大幅定員増が解決策であるのに、それをせずに、「都教委はやっています」の自己アピールをする。恥ずかしくはないのか。
こうした人事部の議案に対し、教育委員の発言は、都教委の議案を容認するものばかり。「目的は、教育の質の向上」「だらだら時間外勤務と必死の時間外勤務に不公平がないように」「教員でなければできない仕事と削ることができるアンケートのような仕事を分け、精神論ではなく、具体的に期限を設けて仕事を減らす」「(働き方改革の)研究校をつくるとよい」「メッセージは、(一斉定時退庁日などの)具体的事例も書かれていて、よい内容だ」と。
教員採用受検倍率が年々急降下していること(東京の19年度採用 小学校:1,8倍 中高:4,3倍 特使:2,8倍)について、中井教育長は定例会や総合教育会議で発言しているが、本気でそれを食い止めるつもりならば、上記した私の提案を参考にすべきと思う。都教委の「教育改革」が破綻していることを、都教委は自覚せよ。
③ 「昨年度下半期に寄せられた都民の声(教育・文化)について」
寄せられた声は3202件(上半期は2688件、一昨年までは2000件に満たない)、うち、「苦情」が55%、意見が34%、要望が9%。
生徒の暴言に対し、都立高校の教員が体罰をふるったことを、SNS等を通じ流したことについての「苦情」が900件弱(「教員に対しての非難(ママ)が10%、生徒に対しての非難(ママ)が70%」とのこと)。
卒業式の会場の体育館が非常に寒く、教員に暖房をつけるようお願いしたところ、「暖房の音がうるさいので、点けることはできない」と言われたという「苦情」、都立高校の入学者選抜において合格辞退が相次ぎ、追加募集をした学校があったが、不合格者の成績の上位から追加合格を出すべきという「苦情」の内容が紹介されていた。もっともな「苦情」と思う。
請願は6件、うち、教職員に関するものが3件で、10・23通達の撤回と同通達に基づく処分の取り消しを求めた事例が紹介されていた。
都教委の「請願者への通知」は、「本通達を撤回する考えはありません。懲戒処分の撤回は考えておりません。」という、改めての検討は一切していないと思われる回答だ。
陳情等(団体要請)は63件。うち、10・23通達の撤回と同通達に基づく処分の取り消しを求めたものが12件、学校空調設備についてが10件、障害者教育の充実を求める要望が7件とのこと。
公益通報制度を利用して弁護士窓口に体罰やセクハラ等について訴えた件数が11件という。
教育委員からの意見はなかった。「日の丸・君が代」の強制と処分、生徒たちへの刷り込みに対して、全教育委員が都教委方針に同意しているということだ。
次回教育委員会定例会は第3週の6月20日と告げられた。第2週、第4週の木曜日を定例会と定めていながら、都教委はこの頃しきりに変更する。とても迷惑している。
上から目線の思考で、傍聴者への配慮はない。
『レイバーネット日本』(2019-05-24)
http://www.labornetjp.org/news/2019/0523nedu
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