《月刊救援から》
☆ 武蔵野五輪弾圧裁判控訴審初公判へ!
11月22日(水)12時半 高裁(霞が関)前集合 14時 429号法廷
いよいよと言うか、ようやくと言うか控訴審の初公判が始まる。去年の九月五日、立川地裁で一審判決の不当判決(懲役一年)を受け即日控訴してから一年と二か月半、短いのか長いのか。
私は、二〇二一年、オリンピック・パラリンピック開催強行を目前とした七月一六日、武蔵野競技場で行われた「聖火リレー」イベントに抗議するため爆竹を鳴らすという直接行動に立ち上がった。それに対して、「威力業務妨害罪」で逮捕され、起訴された。
一審では立川地裁裁判長竹下は、二人の証言、小金井市議会のオリ・パラ反対意見書、新聞記事など弁護側の証拠を切って捨て、オリ・パラ組織委事務総長・武藤の証人請求も却下した。そして判決では、検察側証人Uの「イベントはおおむね進行した」との証言を二〇分観客の通行を止めたと曲解し、爆竹という意思表明はビラまきやトラメガと違い適法でないと言いきり、「威力業務妨害」の構成要因を満たして可罰的違法性があると断罪した。
それどころか論告にもない「さらに爆竹を鳴らす可能性があった」、「Uが怪我をする危険性があった」として有罪を下した。
そして今年二月、反撃の控訴趣意書を提出。私からは主に一審判決が、オリ・パラという国家的メガイベントに忖度した判決であること、司法は「政治的意見」を考慮すると甘言をろうし人民の闘いを圧殺してきたこと、そしてオリ・パラが贈収賄や談合で汚れた金でなりたっていること(後に次々と有罪判決)であることを述べ原判決を破棄し、断固無罪の判決を出すよう強く求めた。
弁護側は、まず「空白の二〇分間」について事実関係、武蔵野競技場の管理者である松下市長の通行が止まったのは短時間だったとの意見書、多々問題があるオリ・パラに対する爆竹抗議はパブリックフォーラムの中での意思表示であり、違法性は阻却されることなどを鋭く突きつけた。
同日、強力に援軍として三人の大学教員が意見書を提出した。
注:宮本弘典さん:刑法(関東学院大)、酒井隆史さん:社会思想史(大阪公立大)、笹沼弘志さん:憲法(静岡大)
宮本さんからは、今回の裁判は九〇年代以降、国家や市民が一体となって強化された「社会の敵」や「迷惑」を排除する即ち「市民的治安主義」のパフォーマテックな裁判であること。
酒井さんからは、爆竹抗議はイギリスにおけるサフラジェットのハンスト、器物破損、放火等の直接行動と連なる「市民的抵抗」であること。
笹沼さんからは、爆竹は議会制民主国家の議会や行政の暴走を防ぐために設けられた憲法一六条請願権にあたることを堂々と表していただいた。
そして九月三日、酒井さんを講師に控訴審突入集会をもった(詳細は前号)。
集会の最後に四団体からのメッセージ。
来年、オリパラへの迎撃戦を構えるパリの同志たち。「第二、第三の黒岩をー」との言葉に心が踊った。
そして二八年、オリ・パラ開催と闘うロスァンジェルスの仲間たち、
長年連帯関係のある野宿者・移民の追い出しと闘うフランスの仲間たち。
そして監視カメラ威力業務妨害弾圧に対し高裁逆転無罪を勝ち取った釜ヶ崎の仲間たち。「次は武蔵野だ!」との声が熱く響いた。
我が高裁裁判長大善さんは、袴田さんの再審を決定づけた、いい裁判長との疑惑があると言う。いい人だろうが、悪い人だろうが、私に無罪を言い渡してくれなければ困るのだ!
この皆に支えられた裁判は、オリ・パラを粉砕するとともに人民の正義を示す闘いだと思っている。
イスラエルのガザ爆撃、包囲、パレスチナ人民虐殺...。人民はそれらの不正義を糺さなければならない。これは権利ではない。義務である、(黒岩大助)
『月刊救援 655号』(2023年11月10日)
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