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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

媚を売って失笑を買ってしまったG20の安倍首相

2018年12月13日 | 平和憲法
 ◆ CNNキャスターも失笑。G20における安倍首相のトランプ大統領への「祝辞」、
   一般アメリカ人はどう見た?
(ハーバー・ビジネス・オンライン)
<取材・文/林泰人>


「魅力を振りまいた」と茶目っ気のある見出しが躍ったのは、『ニューヨークポスト』

 水道民営化や外国人実習生制度の問題で国会が紛糾している最中、南米に旅立った安倍首相。日本国内ではG20ブエノスアイレス・サミットや南米各国での勇ましい姿ばかりが報道されているが、実はあるコメントが欧米メディアから失笑を買っている。
 ◆ キャスターも思わず絶句
 アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイと南米各国をまわっている安倍首相が“トンデモコメント”を発したのはG20でのこと。トランプ大統領との会談で「アメリカ中間選挙での歴史的な勝利」を祝福したのだ。
 これだけ見ると普通のニュースにしか見えないが、ご存知のとおり、米中間選挙ではトランプ大統領のライバル・民主党が8年ぶりに下院での多数派を奪還。「歴史的勝利」をおさめたのは、むしろトランプ大統領にNOを突きつけた女性やマイノリティ議員たちだ。
 そもそも結果が理解できていないのか、単に何かを褒めて媚を売りたかったのか……。真意は図りかねるが、なぜかトランプ大統領を「祝福」した安倍首相。
 CNNはこのコメントを「実際には民主党が大躍進も、日本首相はトランプの中間選挙勝利を祝福」という皮肉交じりのテロップつきで報じている。
 さらに番組内では、安倍首相のコメントにキャスターが思わず絶句する姿も。有識者との中継では、下記のようなやりとりが繰り広げられた。
キャスター:「え~、ちょっと(テロップを)見てください。『歴史的勝利』……はぁ?」
識者:「彼はトランプがどんな言葉を聞きたいか知っています。だから、それ(褒め言葉)を口にしたんでしょう。トランプはお世辞に弱いし、本人は勝った気でいるのを知っていますから」
キャスター:「だけど、それ(中間選挙での勝利)はまったく間違っていますよね?」
 驚きを隠せないといった表情のキャスターと、苦笑いしながら解説する識者の姿は、ニュース番組というよりはコメディだ。
 また、CNNはウェブ版のニュース記事でも、G20でのトランプ大統領の動向とともに、安倍首相の珍コメントを紹介している。
 同記事ではトランプ大統領のロシア疑惑と関連してプーチン大統領との会談がキャンセルされたこと、「サミットでもっとも重要」な習近平首席との会談、サウジアラビアやトルコなど各国首脳陣とのエピソードが取り上げられている。
 そうして安倍首相が登場するのは記事の終盤。中国や北朝鮮問題に懸念を抱いているとしたうえで、「誇張した賞賛を送った」と、これまた小馬鹿にするような記述が見られるのだ。
 こうした見方をしているのはCNNだけではない。『ニューヨークタイムズ』も、安倍首相のコメントを次のように解説している。
“大統領は日本とオーストラリア、2人の環太平洋同盟国首脳、そしてインド首相と会談。各国首脳陣のなかで、トランプ氏のもっとも熱心な臣下である日本の安倍晋三首相は、「中間選挙での歴史的勝利」――民主党が下院を制した選挙を祝福した”
 「歴史的勝利」が間違っているというのを強調しているだけではない。こうしたお世辞外交を繰り返す安倍首相を「熱心な臣下」とまで形容しているのだ。
 また、『ニューヨークポスト』は「G20で安倍晋三首相が魅力を発揮」と、“お茶目”な部分にフォーカス。「各国首脳陣がお世辞を使って、最高司令官との関係を良好にしようとするのに倣った」と報じている。
 ◆ 安倍首相の祝福は本気?

 メディアからは失笑されている安倍首相のコメントだが、一般人はどう感じているのか? 在日アメリカ人たちに話を聞いてみると……。
「オー、ゴッド……。コイツらはお互いが必要なんだね。(安倍首相がトランプ大統領を褒めちぎるのは)経済的になんらかの見返りがあるとしか思えない。アメリカ国内でのトランプの立場は悪化する一方だし、国際的にもすでに変人扱いされているからね」(38歳)
「なんでこんなにKiss-ass(媚びへつらう)のか謎だよ。まあそれでトランプが喜ぶなら、ある意味成功しているのかもしれないけど、ちょっと恥ずかしくない?」(34歳)
 目的には理解を示しつつも、あまりにヘコヘコとする姿には違和感がある様子だ。
 また、ネット上には次のようなコメントも見られた。
“もしかして安倍晋三は政党で混乱してるのかな? それともトランプで遊んでるだけ? どの首脳もとにかく褒めとけば喜ぶって知っているからね”
“トランプは安倍の祝福を文字通り受け取っちゃうから、気をつけないと。中間選挙で惨敗なんかしなかったって思い込みそう”
 「さすがに本気で褒めているはずはないだろう」というのが主な見方だが、はたして安倍首相の真意はどこにあったのだろうか?
 重要な議題が国会であがるたびに外遊を繰り返す安倍首相。
 世界に顔が売れていくのはいいことだが、今回は媚を売って失笑を買ってしまったようだ。
『ハーバー・ビジネス・オンライン』(2018.12.06)
https://hbol.jp/180438

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