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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

「24時間365日の営業」を止めさせたコンビニ加盟店主の労働組合

2017年11月23日 | 格差社会
  《取り戻せ★生活時間 「労働情報」》
 ◆ 24時間営業が奪うもの
岡崎佳奈(ファミリーマート加盟店ユニオン書記長)

 私はコンビニ本部とフランチャイズ契約を締結し、夫と共にコンビニ運営を行っています。
 コンビニ加盟店主は事業者と思われていますが、その実態から考慮し「事業者とはいえども労働組合法上の労働者として扱われるべきである」という考えの下、労働組合を結成して現在中央労働委員会にてコンビニ本部と係争中です。
 私たちコンビニ加盟店主は様々な問題を抱えています。その一つが長時間労働です。
 コンビニはご存知の通り、特殊な場所にある店舗を除いて、24時間365日開いています。そして、そこには店舗スタッフが昼夜を問わず店で働いています。
 しかし、昨今のコンビニ乱立で売上げが下がり、自ら長時間労働をしなくては収入が得られない。また、募集してもスタッフが集まらない。などといったこともあり、結果・加盟店主の中には店舗や自家用車で仮眠を取りながらの長時間勤務をしている者もおります。
 私の運営する店舗では運よくスタッフに恵まれ、長時間労働を強いられることはありませんが、店舗運営を始めて11年。年間の休日は多くても5日程度です。
 親族の不幸、自身の体調不良等、不測の事態においては本部社員さんが店に入ってくれたこともありました。本部社員さんも労働者ですから、そのことによって、社員さん自身が長時間労働を強いられてしまうことも考えられます。
 そうしてまでも「24時間365日の営業をしなくてはならない」このことにこそ、この業界の問題点があります。コンビニ本部にも24時間営業をしなくてはならないという「思い込み」のようなものがある気がしてなりません。
 ところが今年、当労組の組合員がフランチャイズ本部と交渉の上、深夜の店舗閉鎖を許可されました。
 精神的肉体的過労は人の判断力を奪い、視野を狭くしてしまいます。そうなる前に「閉める」というある意味当たり前の選択肢が生まれたことは大変に喜ばしいことです。
 多くの加盟店主、本部社員さんを不幸にしてまでの「いつも開いている」という利便性はそんなに大切なことなのでしょうか。そのことをコンビニフランチャイズ本部だけではなく、コンビニを社会のインフラという位置づけにしようとしているこの社会にも問い続けていきたいと思います。
 ※ 岡崎佳奈(ファミリーマート加盟店ユニオン書記長)
 1993年アルバイトとしてコンビニ店員に。同じくコンビニバイトの夫と共に独立。2012年労働組合結成に参加。同年、コンビニ本部に対し、東京都労働委員会へ不当労働行為申立て。救済命令後、中央労働委員会にて係争中。夫、息子、猫3匹との生活を守るために組合活動中。
『労働情報』(2017年11月)

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